和歌山県磯間岩陰遺跡出土品
主名称: | 和歌山県磯間岩陰遺跡出土品 |
指定番号: | 433 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1988.06.06(昭和63.06.06) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 古墳 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 磯間岩陰遺跡は、田辺市街の南東部、海食崖に形成された前面幅二三メートル、奥行約五メートルの海成岩陰に所在する。遺跡の存在は昭和四十四年十一月、宅地造成に伴う土器、人骨等の出土によって知られ、翌年三月の発掘調査によって、岩陰内の岩棚上に、三基の竪穴式石室と五基の箱式棺が築かれていたことが明らかにされた。 本遺品の一括は、このうち第一・二・三号石室から出土した副葬品である。この中で、特に注目される遺物には、第一号石室出土の大、小二口の鹿角装鉄剣【ろつかくそうてつけん】がある。二口とも、把頭【つかがしら】、把縁【つかふち】、鞘口【さやくち】、鞘尻【さやじり】の各部位の遺存状態も良く、各々に直弧文【ちよつこもん】を表している。また鹿角製の釣針、やす、銛【もり】等の漁撈具は、いずれも古墳副葬品としては類例が少ないもので、擬似餌と考えられる円筒形の鞘と一体になる組み合せ式釣針とともに、特定の魚種を対象とした漁撈活動を示す資料として注目される。また、第二号石室出土の鹿角杖頭飾【ろつかくじようとうかざり】は、雁叉【かりまた】状の基部に〓穴を設け、そこに長方形の別材を嵌入させる構造を持つ。鹿角笄形製品【ろつかくこうがいがたせいひん】は両端が山形に尖り、外面に鋸歯文【きよしもん】や平行線を細かく刻み、そこに黒色顔料を入れたものもある。弭【ゆはず】などの用途が考えられるが、いずれも儀仗的な性格が強い。この他、各石室から出土した遺物として、鹿角装の把【つか】を備えた刀子【とうす】や、第一号石室出土の鹿角製鳴鏑【なりかぶら】等の武器類などが目立つ。 また第四~八号箱式棺からも、小形の巻貝を連ねた貝玉【かいたま】や鹿角紡錘車【ぼうすいしや】などが出土しており、これらは附として併せて保存を図ることとした。 これらは、いずれも古墳時代中期から後期における海浜地域の文化の様相をよく示しており、その学術的価値は高い。なお、本遺跡は昭和五十四年、史跡に指定されている。 |
重要文化財のほかの用語一覧
考古資料: | 台付壺形土器 台付舟形土器 周防国下松市宮洲古墳出土鏡 和歌山県磯間岩陰遺跡出土品 和泉黄金塚古墳出土品 土偶 土偶 |
- 和歌山県磯間岩陰遺跡出土品のページへのリンク