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原作・TVシリーズとの対比とは? わかりやすく解説

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原作・TVシリーズとの対比

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 01:34 UTC 版)

SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」の記事における「原作・TVシリーズとの対比」の解説

この作品原案は、『マスグレーヴ家の儀式』で言及される、「内反足のリコレッティとその忌まわしい妻の記録」である。この作品は、いわゆる語られざる事件該当するIMDb作品ページで「Season4 Episode0」と付されているように、この特別編シーズン3シーズン4を繋ぐ構成になっているヴィクトリア朝シーンが、シャーロックマインドパレスでの光景として描かれているため、前シーズンまでの様々なシーンが、舞台ヴィクトリア朝移した形で再現されている。また、本シリーズ原典からの引用ネタ各所散りばめられていることでも知られている。本作ではそれに加えジェレミー・ブレット版やビリー・ワイルダー版など、過去映像化されたホームズ作品オマージュをかけたシーン多数存在する脚本スティーヴン・モファット案内人務め特典映像1では、ヴィクトリア朝の221Bのセット内にあるオマージュいくつか指摘されている。マントルピースナイフ刺され手紙や、ペルシャスリッパの中に詰め込まれ煙草は、『マスグレーヴ家の儀式冒頭記述由来するまた、壁に弾痕書かれた"VR"との文字は、同じくマスグレーヴ家の儀式冒頭記述由来するが、同時に本シリーズでの弾痕描かれスマイリーとも対応しているセットにあるヘンリー・ウォード・ビーチャーの絵は、『ボール箱』での記述符合するまた、221Bのドア脇には、本シリーズでは髑髏の絵が飾られているが、特別編本作ではチャールズ・アラン・ギルバート(英語版)作の"All is Vanity"が飾られている。この絵は、特別編年代設定1895年)に程近い1892年描かれている。更に、下宿ドアにはめ込まれているステンドグラスは、『緑柱石の宝冠』『まだらの紐』『ライオンのたてがみ』『バスカヴィル家の犬』『オレンジの種五つ』があしらわれデザインである。 ワトスン第二次アフガン戦争従軍し、肩を負傷して帰国するのは、『緋色の研究冒頭記述由来するその後スタンフォード出会ってクライテリオン酒場で話すくだりも原典通りである。ホームズモルグ遺体に鞭を打っているのは、同作でのスタンフォードホームズ評に等し描写である。ホームズは、下宿番地を、現代版のような"Two-two-one B"(訳:に・に・いちビーではなく、"Two hundred and twenty-one B"(訳:にひゃくにじゅういちビー)と述べている。この一連のシーンは、本シリーズピンク色の研究』でも使われている。また、ホームズワトスン出会った時点では、ワトスン口ひげ生やしていない。挿絵では口ひげ描き込まれているものの、実際にワトスンがひげを生やしていたと分かるのは、『シャーロック・ホームズの帰還所収の『犯人は二人』が初めてである。 タイトルバック直後シーンで、ワトスンは、ストランド・マガジン売り子へ『青い紅玉』の売れ行き訊ねるストランド・マガジンは、原作シャーロック・ホームズシリーズ連載されていた雑誌である。また『青い紅玉自体は、1892年発表されている。 特報として流されシーンでは、ジェレミー・ブレット主演したシャーロック・ホームズの冒険シリーズテーマ変奏した曲が流れる。また、ベーカー街パン仕方など、ブレット版のオープニングとの類似指摘されている。2211階にある料理店の名前は、本シリーズでの"Speedy"から、"Speedwell"に変更されている。221Bのボーイであるビリー演じているのは、本シリーズ三の兆候』でページボーイ演じていた、アダム・グレーヴス=ニールである。同じシーンでは、ホームズが『バスカヴィル家の犬』について言及するが、この作品1901年発表されており、「1895年舞台」とする公式の発表とは食い違っている。 この特別編ではワトスンの妻・メアリー生きている設定だが、原典空き家の冒険』では、この作品の設定年・1894年には彼女が死亡していたと仄めかされている。メアリー喪服ヴェール着用して221Bに現れるが、『覆面の下宿人』にはヴェールかぶったまま下宿に引きこもっている女性登場するホームズ香水香りからメアリーと言い当てるのは、本シリーズ最後の誓い』の1シーン由来するものである。この後ワトスン夫妻口論の裏ホームズ弾いているのは、シャーロック本シリーズ三の兆候』で夫妻贈ったワルツである。ホームズ階段上る足音からやってきたのがレストレードと言い当てるが、その後述べられるジョーンズグレグスンは、どちらもスコットランドヤード刑事として、原典登場する人物である。ホームズワトスンジェイムズ・ボズウェル例えるが、同じ例え原典ボヘミアの醜聞』に存在する。 エミリア・リコレッティは、本シリーズライヘンバッハ・ヒーロー』でのモリアーティ同じく、銃を口にくわえ、頭を撃ち抜いて自殺する。また夫トーマス射殺する前、彼女が歌っているのは "The Maid of the Mill" と言う曲である。エミリアの言う「ショットガン・ウエディング」(英: shotgun wedding)は、いわゆるできちゃった結婚」を指す言葉である。 エミリア乱射している道沿いには、『赤髪連盟』に登場するジェイベズ・ウィルスンの名前が書かれ店舗があると明かされている。 脚本のモファット・ゲイティスは、ラスボーンホームズファンであることを公言している。本作ワトスン的外れな推論披露するシーンは、ラスボーン版でのワトスンオマージュをかけたものとされている。また本作でのワトスン全体的に現代版本シリーズ比べて幾分愚鈍描かれている。一方ラスボーン版のワトスンは、ホームズより劣ったドジ人物とされている。このシーンワトスンが「エミリア双子説」を出すが、これはルパート・エヴェレットホームズシャーロック・ホームズ淑女殺人事件』 (en) との類似指摘されている。 ホームズ黄道傾斜角について理解しようとしているシーンがあるが、『ギリシャ語通訳冒頭には、ホームズワトスンがこの話題について話していたと記されている。本シリーズで221Bのキッチンになっていたスペースは、壁が緋色スカーレット)に塗られ書斎作り替えられているが、これを『緋色の研究』のタイトル対すオマージュとする意見もある。ワトスン宅に出来が悪いメイドがいるのは『ボヘミアの醜聞』、更に彼女が仕事中小説を読みふけり、ゆで卵作れないのは、『ソア橋』のメイド評に等しい。またこの後ワトスン渡される電報文面は、『這う男冒頭と同じもので、本シリーズピンク色の研究』でも使われている。 ディオゲネス・クラブ着いたホームズワトスンは、受付男性イギリス手話会話を交わすが、この男性の名前は「ワイルダー」とされている。ビリー・ワイルダー監督は、映画シャーロック・ホームズの冒険』を制作しており、脚本のゲイティス・モファットは、この作品映像化されたホームズの中で最もお気に入り回答している。2人クラブ訪問マナーハウスに関するホームズ兄弟会話マイクロフト面会するメラス氏の名前は、いずれもギリシャ語通訳』に由来するクラブでのマイクロフトは、原作以上にでっぷり太っているが、このビジュアルモンティ・パイソンの『人生狂騒曲』との類似指摘されている。 レディ・カーマイケルの一件は、女性虐げる夫への戒めという点で『修道院屋敷』と共通しているほか、この事件被害者名は、「ユースタス・ブラッケンストール卿」である。サー・ユースタスへの脅迫オレンジの種が使われるのは、『オレンジの種五つ』からの描写で、本シリーズ大いなるゲーム』ではこの作品がもじられている。またサー・ユースタスがアメリカの人物脅迫されているとホームズ考えるのは、『恐怖の谷』へのオマージュである。サー・ユースタス邸に向かう列車内ビジュアルは、『白銀号事件』や『ボスコム渓谷の謎』でのシドニー・パジェット挿絵酷似している。ホームズ台詞 "The game is afoot!"(訳:狩り始まりだ!)は『修道院屋敷』に由来する台詞だが、同じ台詞は、"afoot"を"on"に置き換えた形で、本シリーズ幾度となく使われている。張り込み中のホームズワトスンに言う、「女性は君の領分だ」という台詞は、『第二の汚点』からの引用である。またホームズアイリーン写真持っているのは、『ボヘミアの醜聞』に由来するディオゲネス・クラブには、ライヘンバッハの滝描いたターナーの絵が飾られている。これは、本シリーズライヘンバッハ・ヒーロー』でシャーロック取り返したのであるホームズ自身マインドパレス入ったまま、何日食事を摂らないのは、『マザリンの宝石』での描写からである。ホームズが7%溶液のコカインを使っているのは、『四つの署名』からの引用である。またホームズワトスンの「兵士じゃなくて医者だろう」「ただの医者じゃなく軍医だ」との会話は、本シリーズベルグレービアの醜聞』に由来する婦人参政権運動家の女性たち秘密の会合行っているシーンは、『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』類似シーン存在する。この映画は、スティーヴン・スピルバーグ制作総指揮務め学生時代ホームズ描いた作品である。ホームズ花嫁をレディ・カーマイケルと誤解するシーンは、本シリーズ最後の誓い』からの引用である。また、このエピソード原案となった犯人は二人』には、ミルヴァートンが自分元へやってきた女性正体誤解するシーンがある。 シャーロックがエミリア・リコレッティの墓を掘り返しにもう1人別人埋葬されているのではと考えるのは、『フランシス・カーファックス姫の失踪』でのトリック等しい。 モリアーティが221Bを訪れシーンライヘンバッハの滝ホームズ決闘するシーンは、どちらも最後の事件』からの引用である。但し、ワトスン決闘間に合ったという記述原典には無い。ホームズの"Elementary, my dear Watson."(訳:初歩的なことだよ、ワトソン君)と言う台詞は、原典1度登場しないにもかかわらずホームズ名台詞として有名なのであるジーニアス英和大辞典ロングマン現代英英辞典ランダムハウス英和大辞典などの辞典にも掲載されるほどのこの成句は、ウィリアム・ジレット版で有名となった ("Elementary, my dear Watson") 。 ジェット機内でマイクロフトの手帳に書かれている "Vernet" とは、ホームズが『ギリシャ語通訳』で自分大おじだと語っている、オラース・ヴェルネ(仏: Émile Jean-Horace Vernet)の名字と同じである。

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