原作との対比
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原案は『緋色の研究』"A Study in Scarlet"(1887年)である。 冒頭の連続「自殺」事件のシーンで、傘を取りに戻ったきり帰ってこなかった青年の名前は、ジェームズ・フィリモアである。この名前は、『ソア橋』冒頭で「語られざる事件」として示されるが、その顛末はこの青年と同じである。 ジョンが肩を撃たれたのにもかかわらずPTSDで足を引きずっているのは、原典でワトスンが負傷した部位として肩・足の両方が語られているためである。また、ジョンと姉のハリーが疎遠だとシャーロックが推理するシーンは、『四つの署名』冒頭のホームズによる推理と類似している。 ジョンをシャーロックと引き合わせることになるスタンフォードは原典でも登場し、バーツに向かう前に、クライテリオン酒場でワトスンと再会する。ドラマでは2人が飲むコーヒーのカップに、「クライテリオン」との文字が見える。また、シャーロックの初登場シーンで、遺体安置所の死体に鞭を打ってデータを取っているのは、同作でのスタンフォードによるホームズ描写に由来する。ジョンがアフガニスタン帰りだとシャーロックが推理するシーンも、原典に存在する。 シャーロックのブログのタイトル『推理の科学』 (The Science of Deduction) は、原典の章題の一つである。ベーカー街221Bの隣家は「ターナー夫人が大家の下宿」とされているが、これは『ボヘミアの醜聞』で、大家の名前がハドスン夫人ではなく「ターナー夫人」とされていることに由来する。 4人目の被害者の遺体が見つかるブリクストンのローリストン・ガーデンは、原典で最初の遺体が見つかる場所である。"Rache"(ドイツ語で「復讐」の意味)と"Rachel"(レイチェル)のくだりも同作に存在する(ただし、その展開は原典と逆転している)。また、サリーの膝の状態から床磨きをしていたと推理するのは、『赤髪連盟』中のシーンに由来するものである。 廃倉庫のジョンにシャーロックから送られるメールの文面は、『這う男』冒頭での電報文と同様である。ジョンが廃倉庫から帰ってきた時、シャーロックがニコチンパッチを3枚貼っているのは、『赤髪連盟』における「煙草3服分の問題」に相当する。 本作の犯人・ジェフはタクシーの運転手だが、原典の犯人ジェファーソン・ホープも馬車の馭者という設定である。また、ジェファーソン・ホープは大動脈瘤持ちで逮捕の翌日に死亡してしまうが、ジェフも同様に脳動脈瘤持ちで死期が近い設定になっている。毒入りと無害なカプセルを相手に選ばせるトリックも、原典でホープによる復讐の際に使われる。 また、最終シーンで「良い店はドアノブで分かる」とシャーロックが発言するが、これは『株式仲買店員』でホームズが「良い医者は入り口の階段で分かる」と発言したことに由来する。またシャーロックはジョンのスマートフォンからきょうだいの存在を推理するが、原典『四つの署名』では、ホームズがワトスンの懐中時計から兄の存在を推理するシーンがある。
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原作との対比
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原案は『四つの署名』"The Sign of Four"(1890年)である。 ドノヴァンは221Bに向かおうとするレストレードへ、ウォーターズ一味の強盗事件で「ジョーンズに手柄を取られる」と言う。一方原典には『四つの署名』のアセルニー・ジョーンズ、『赤髪連盟』のピーター・ジョーンズと、2人のジョーンズ刑事が登場する。 シャーロックが自分のヴァイオリン演奏を録音して流しているのは、『マザリンの宝石』に由来する。 シャーロックはスピーチの中で、ジョンには、シャーロックを褒めるために自分でも気付いていない美点があることと、ジョンとのコントラストで自分の知性が目立つことを語る。前者は『白面の兵士』冒頭での、ホームズのワトスン評からの引用である。後者は、身長の話ではあったものの、同じような台詞が『ベルグレービアの醜聞』でも使われている。その後続けられる、「花嫁はブライズメイドをぱっとしない人にしたがる」との言葉は、ドイルによる外典『競技場バザー』からの引用である。また、シャーロックがワトスン夫妻の結婚を祝福しないのは、『四つの署名』最終シーンからの引用である。 シャーロックはスピーチ中に、ジョンのブログを振り返る形で、過去の事件を紹介する。「毒の巨人」は『四つの署名』のトリックを使ったものである。また1812個のマッチ箱に囲まれていた男の話は、『ソア橋』冒頭の「語られざる事件」である。一方で、マッチ箱の個数でもある1812年は、ナポレオンがロシア遠征を行った年でもあり、原典には『六つのナポレオン』という作品が存在する。呼び鈴を鳴らすか鳴らすまいか逡巡する依頼人の女性は、『花婿失踪事件』に登場する。 ベインブリッジの調査に向かったジョンが言う軍歴は、『緋色の研究』冒頭で示されるワトスンのものと等しい。 酔っ払ったシャーロックは「灰なら詳しい」と叫ぶが、ホームズは『緋色の研究』で、煙草の種類について論文を書いたと述べている。その後221Bにやってきた依頼人のテッサは、シャーロックとジョンを見て、どちらがシャーロックか尋ねるが、同様のシーンは『まだらの紐』や『三破風館』などに存在する。 シャーロックがペルシャスリッパに煙草を詰め込んでいるのは、『マスグレーヴ家の儀式』からである。前作に引き続きマイクロフトが言う「確率の問題だよ」(英: "Balance of probability.")との言葉は、『四つの署名』からの引用である。 今回、シャーロックとジョンの間で使われる死人が出る警告に、「バチカンのカメオ」が再使用されている。これは元々『バスカヴィル家の犬』で言及される「語られざる事件」で、ジョン・ホームズ・マイクロフト間の符牒としてシーズン2『ベルグレービアの醜聞』、シーズン4『最後の問題』でも使われている。 ショルトー少佐と、彼を狙うジョナサン・スモールの名前は、いずれも『四つの署名』から取られている。原典でのショルトーは、現地民の宝物をくすねる意地汚い人物であり、原典のスモールは、宝物の正当な所有者として、ショルトーを狙いに来る人物である。
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原作との対比
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「ベルグレービアの醜聞」の記事における「原作との対比」の解説
原案は『ボヘミアの醜聞』"A Scandal in Bohemia"(1891年)である。 ベーカー街にやってくる依頼人の設定には、原典に例を引くものがいくつか存在する。ジョンのブログのタイトルにもなっている「The Geek Interpreter」(オタクな通訳者)は『ギリシャ語通訳』(原題:The Greek Interpreter)、「The Speckled Blonde」(まだらなブロンド)は『まだらの紐』(原題:The Speckled Band)に由来する。またジョンのブログのカウンターが「1895」で止まっているが、原典における1895年は『ブラック・ピーター』冒頭で「ホームズが最も活躍した年」とされている。 本作では、シーズン中初めてシャーロックが鹿撃ち帽を被るシーンがある。シドニー・パジェットの挿絵で定着したホームズ像ではあるものの、実は原典中に彼が鹿撃ち帽を被るシーンは存在しない。これについてモファットは、「前のシーズンを見た人はこんなことしないと思ってただろうけど、僕らは被せる気満々だよ!」とコメンタリーで語っている。 ハドスン夫人が、冷蔵庫中に保管された親指の標本について文句を言うが、『技師の親指』には、殺されかかって逃げる途中に、親指を切り落とされた依頼人の話が出てくる。 草原でブーメランによって男性が死亡する事故では、これがオーストラリアの土産物だったことが語られる。原典では『ボスコム渓谷の惨劇』『修道院屋敷』などでオーストラリアが出てくるほか、『四つの署名』での記述から、ワトスンが若い頃オーストラリアにいたことが示唆されている。 シャーロックは「とある高名なお方からの依頼」としてアイリーンの一件を引き受けるが、原案となった『ボヘミアの醜聞』ではボヘミア王が依頼主とされている。また、『高名な依頼人』では、名前を隠してホームズに依頼してきた人物が、当時の英国王エドワード7世だったと示唆される。バッキンガム宮殿でのシャーロックへの依頼シーンは、この2作を混ぜ合わせたような作りをしている。 アイリーン宅を訪問したシャーロックは、首元にカラーを付けている。これは『ボヘミアの醜聞』でアイリーン宅に侵入するため、ホームズが「聖職者」(英: Nonconformist clergyman、直訳は「非国教徒の聖職者」)に扮したことに由来する。またジョンがチラシに火を付けて陽動作戦に出るが、原典のホームズも発煙筒を用いた偽装火事で写真のありかを突き止めている。 アイリーン邸で金庫の仕掛けに気付いたシャーロックが「バチカンのカメオ!」と叫ぶシーンは、差し迫った危険を知らせる時の合い言葉として、『三の兆候』・『最後の問題』などでも用いられている。なおこの「バチカンのカメオ」とは、『バスカヴィル家の犬』で登場する語られざる事件の一つである。 ベーカー街にアイリーンがやって来た後、シャーロックはストランド街に貸金庫を借りたと言うが、『赤髪連盟』には、ホームズが店員の素性を確かめるためストランド街までの道筋を訪ねるシーンがある。また、原典が連載されていたのは、ストランド・マガジンという雑誌である。 本作では、ジョンのフルネームが「ジョン・ヘイミッシュ・ワトスン」(英: John Hamish Watson)であると明かされる。これはワトスンのフルネームが「ジョン・H・ワトスン」とされていること、さらに『唇のねじれた男』で彼が妻に「ジェームズ」と呼ばれることから、作家でシャーロキアンのドロシー・L・セイヤーズが発表した説に基づく。「ヘイミッシュ」 (Hamish) とは、スコットランド・ゲール語を転記したもので、英語の「ジェームズ」に相当する名前である。 アイリーンがマイクロフトの自宅でホームズ兄弟と交渉するシーンでは、マイクロフトが袖元で何かメモをするシーンがある。ゲイティスは当初、カフスにメモを取る描写を入れようとしたが、結局却下されたとコメンタリーで発言している。一方原典には、『海軍条約文書事件』でホームズがカフスにメモを取るシーンがある。 シャーロックは最後にアイリーンの携帯を国防ファイルからくすねるが、原作『ボヘミアの醜聞』でも、事件の記念としてホームズはボヘミア王に彼女の写真を所望している。
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原作との対比
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原案は『瀕死の探偵』"The Adventure of the Dying Detective"(1913年)であり、悪役カルヴァートン・スミスの名前もここから取られている。2016年のコミコン・インターナショナルで発表されたキーワードの内、今作では「スミス」が登場する。 シャーロックがベーカー街221Bで銃を乱射しているシーンは『マスグレーヴ家の儀式』での描写に基づくものである。 スミスと共に彼の病院に入院する子どもたちを見舞うシャーロックは、「毒殺犯ブレシントン」の話を始めるが、ブレシントンは原作小説『入院患者』の依頼人の名前である。また同じシーンでは、「ドリアクリフ・ハウス」(英: Drearcliffe House、ラスボーン版ホームズ映画『恐怖の館(英語版)』に登場)やオランウータンによる殺人(エドガー・アラン・ポーによる『モルグ街の殺人』)など、過去の作品へのオマージュとなる台詞が存在する。 ユーラスの名前が東風に由来することに対し、原作『最後の挨拶』の台詞「東の風が吹き出したよ、ワトスン君」との関連が指摘されているが、この台詞は『最後の誓い』でも引用されている。
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原作との対比
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原案は『六つのナポレオン』"The Adventure of the Six Napoleons"(1904年)である。また『黄色い顔』"The Yellow Face"(1893年)も断片的に使用されている。2016年のコミコン・インターナショナルで発表されたキーワードの内、今作では「サッチャー」と「シェリンフォード」の2つが登場する。 冒頭の査問シーンで、レディ・スモールウッドなどのコードネームが明らかにされる。「ポーロック」という名前は、『恐怖の谷』に登場する、モリアーティの手下ながらホームズと内通している人物でもある。また「ラングデール」は、『三破風館』に登場する情報屋ラングデール・パイクのファーストネームと等しい。 今作ではスコットランド・ヤードの刑事としてステラ・ホプキンズ警部補が初登場するが、彼女が追っている「ボルジアの黒真珠」は『六つのナポレオン』に登場するものである。また原作でも、ホームズが一目置くヤードの刑事としてスタンリー・ホプキンズ警部が登場している。この作品でサッチャー像を所有していた人物や、像を取り扱った商社の名前は、原典から取られている。 シャーロックとジョンが解決している事件にも原作に基づいたものがある。作中登場する「カナリア調教師」の事件は、『ブラック・ピーター』冒頭に登場する「語られざる事件」である。また、「クラゲを逮捕するわけにいかない」との台詞があるが、原作中の『ライオンのたてがみ』は、被害者の死因がクラゲ毒だったという作品である。他にも『技師の親指』(被害者の親指が持ち込まれる事件)、『赤毛連盟』(日本人女性アカコが「連盟」に所属したスパイだと偽推論を述べる事件、また刺青のくだり)、『隠居絵具師』(塗り立てのペンキ)などが要素として散りばめられている。 ロージーのお守りをしているシャーロックが言う「君は見ているが観察していない」という台詞は、元々『ボヘミアの醜聞』にあったものである。また大臣の息子がチベットに向かっていたことに関しては、「大空白時代」のホームズの行動と合致していると指摘されている。 本作にはバラ・マーケットで犬(ブラッドハウンド)に臭いを追わせるシーンがあるが、「トビー」(英: Toby)という名前の犬は原作『四つの署名』にも登場する。トビーの飼い主であるハッカーのクレイグが住むのはピンチン・レーン(英: Pinchin Lane)だが、原典でもトビーの飼い主・シャーマンはこの通りに住んでいる。 マイクロフトが冷蔵庫に貼っている出前のチラシはライゲート・スクエア(英: Reigate square)の店のものだが、原作には『ライゲートの大地主』(英: Reigate Squire)という作品がある。 メアリーが向かうノルウェーの港では "Flekkete Band"・"Løvens Manke"と書かれたボートがあるが、これはノルウェー語で『まだらの紐』・『ライオンのたてがみ』を意味するものだと指摘されている。 ホームズの大空白時代明けに当たる『空き家の冒険』で、ワトスンは「先ごろ親しいものに先立たれる不幸を味わっていた」と述べているが、これに関しては妻メアリーの死を指すというのが定説になっている。 メアリーの死後、シャーロックはハドスン夫人へ自分が思い上がっている時には「ノーベリー」と呟いてほしいと頼むが、これは原作『黄色い顔』でも登場するシーンである(但しホームズは同じ話をワトスンに頼み込む)。 ホームズは、この事件について、それっきり何も言わなかったが、その夜おそく、蝋燭を手に寝室へ引きあげるときに言った。「ワトスン、今後ぼくが自分の能力を過信したり、事件のために当然と思われる労力を惜しむようなことがあったら、耳もとで『ノーベリ』とささやいてくれないか。そうしてくれると、たいへんありがたい」 — アーサー・コナン・ドイル、『黄色い顔』
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原作との対比
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「ライヘンバッハ・ヒーロー」の記事における「原作との対比」の解説
原案は『最後の事件』"The Final Problem"(1893年)、『プライオリー・スクール』"The Adventure of the Priory School"(1904年)、『犯人は二人』"The Adventure of Charles Augustus Milverton"(1904年)である。 本作の原題 "The Reichenbach Fall"は、原典『最後の事件』でホームズとモリアーティが対決したライヘンバッハの滝と、「落下」のダブル・ミーニングになっている。 冒頭シャーロックが取り返す絵は、イギリス・ロマン主義時代の画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーのものだが、彼の名字ターナーは、『ボヘミアの醜聞』でのベーカー街221Bの大家の名字と同じである。またシャーロックは、絵画奪還の礼品としてダイヤモンドのカフリンクス、銀行家誘拐事件解決の礼品としてタイピンを受け取る。一方のホームズは『ブルースパーティントン設計書』で、事件解決の礼品として、当時のヴィクトリア女王から、エメラルドのタイピンを受け取っている。 シャーロックが逮捕に一役買った逃亡凶悪犯の名前はリコレッティだが、彼の名前は『マスグレーヴ家の儀式』中で「語られざる事件」の一つとして登場する。リコレッティの名前は、2016年放映のスペシャル『忌まわしき花嫁』でも再度使われている。 ジョンに新聞が付けた渾名「独り者ジョン・ワトスン」(英: Bachelor John Watson)は、原典『独身の貴族』(原題:The Adventure of the Noble Bachelor)のもじりとなっている。 モリアーティが監視システムを停止させるペントンヴィル刑務所(英語版)は、『青い紅玉』で登場する。また、モリアーティはシャーロックに対して、繰り返し"The Final Problem"との言葉を用いているが、これは本作の原案『最後の事件』の原題である。 本作では、シリーズ中初めてディオゲネス・クラブの概要が説明される。これは、原典『ギリシャ語通訳』で初登場するクラブで、マイクロフトが発起人の1人であり、来客室以外での会話を禁止するという風変わりなクラブである。 駐米イギリス大使の子供が寄宿学校から誘拐される事件は、『プライオリー・スクール』が原案となっている。本作の原案『犯人は二人』は、シャーロックがジョンを人質として逃げ出すシーンでオマージュとして使われている。原典には、ミルヴァートンが殺された現場からホームズとワトスンが逃走し、2人の後ろ姿が犯人と勘違いされるシーンがある(柵越えも原典に存在する)。 本作では、ハドスン夫人が撃たれたとの偽の知らせを受けて、ジョンがベーカー街に帰る。これは、『最後の事件』で、「ホテルで急病人が出た」との偽の知らせでワトスンが呼び戻されることに由来している。またシャーロックが自殺前にジョンに電話を掛けるのは、『最後の事件』でホームズが残したワトスン宛の書き置きに対応している。
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原作との対比
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原案は『空き家の冒険』"The Adventure of the Empty House"(1903年)である。 原題の"The Empty Hearse"(訳題:空の霊柩車)は、原案『空き家の冒険』のタイトル"The Empty House"とよく似た音になっている。これはアンダーソンのシャーロック生存検証会の名称になっている。 ジョンはシャーロックの「死」を経て、人生の伴侶・メアリーに出会う。一方ワトスンは、「大空白時代」前の『四つの署名』後にメアリーと結婚し、「大空白時代」中に妻を亡くしたことが示唆されている。また2年の間にジョンは髭を生やすようになったが、原典で初めてワトスンの髭に言及されるのは、第3短編集「帰還」所収の『犯人は二人』である。 潜入任務から戻ったシャーロックに、マイクロフトは「ハチみたいに飛び回っていたか」と尋ねる。ホームズは、『最後の挨拶』などで、探偵業の引退後サセックスに居を構え、趣味の養蜂に取り組んでいたとされている。モリアーティの組織の壊滅において鍵を握っていた「モーパーシャス男爵」(英: Baron Maupertuis)は、『ライゲートの大地主』で、語られざる事件として名前が挙がる。またシャーロックの言う「ロンドンは巨大な掃きだめだ」との言葉は、『緋色の研究』冒頭でワトスンが述べるものである。 ハドスン夫人は、シャーロックの「自殺」から2年間、彼の荷物に手を付けられなかったと語るが、原典『空き家の冒険』では、マイクロフトの手配で、221Bが「大空白時代」中も保存されていたと語られる。 ジョンと再会するシャーロックは、給仕を装ってフランス語訛りで話しかける。『フランシス・カーファックス姫の失踪』ではホームズがフランス人労働者に変装しているほか、『ギリシャ語通訳』では、ホームズの祖母がフランス人だとされている。偽装自殺の方法をジョンに説明する中で、シャーロックは「日本の柔術」に言及する。『空き家の冒険』では、ホームズが、ライヘンバッハの滝では日本の武術である「バリツ」によって助かったと述べる。 221Bに戻ったシャーロックは、ハドスン夫人を彼女が叫ぶほど驚かせるが、『空き家の冒険』で帰還したホームズも、ハドスン夫人がヒステリーを起こすほど驚かせている。またこのシーンで、扉を開ける前にシャーロックのシルエットが窓に映るが、『空き家の冒険』ではホームズのシルエットが事件の鍵となる。 モファットはシーズン3のキーワードとして、「ネズミ」「結婚式」「誓い」の3つを挙げていた。本作では、その内「ネズミ」が使用されている。テロの指標として監視する人物を、シャーロックは「沈む船から逃げ出すネズミ」に例える。また、爆弾が仕掛けられた廃駅は、スマトラ通りの真下にある。これは、『ライゲートの大地主』で言及される「語られざる事件」の1つ「スマトラの大鼠」事件から取られたものである。 シャーロックは「場違いな広告も指標になる」と語るが、原典のホームズは、『覆面の下宿人』などで新聞広告を隈無く読んでいたとされている。続いてマイクロフトとシャーロックは、依頼人の帽子を元に推理ゲームを始める。一方のホームズは、『青い紅玉』で、拾得物の帽子から持ち主について推理を行っている。この推理では、ホームズが帽子に蝋染みが5つあると指摘するが、本作での帽子の補修回数も、また5回である。マイクロフトとの推理合戦自体は、『ギリシャ語通訳』冒頭にあるシーンである。更に、帽子を男物だと推理したマイクロフトは、「確率の問題だよ」(英: "Balance of probability.")と述べるが、これは『四つの署名』からの引用である。更に彼の言う「初歩だよ」(英: Elementary.)との台詞は、『背中の曲がった男』でホームズが口にするものである。 モリーを相棒に据えたシャーロックへ持ち込まれる依頼には、『這う男』、『花婿失踪事件』の筋書きが使われている。 ジョンの診療所へやってくる、スジコラ氏の家庭医はヴァーナー医師だが、この名前は『ノーウッドの建築業者』で、ワトスンの医院を購入したホームズの親戚医師のものである。患者のスジコラ氏はチャーチ街で雑誌やDVDの店を営んでおり、ポルノ作品数枚をジョンに持ってくる。このタイトル『樹木崇拝』『英国の鳥類』『神聖戦争』などは、ホームズが『空き家の冒険』でワトスンと再会する際、チャーチ街の書店の老人に化けて持ってきた本と同じである。原典に目配せしてか、その後ジョンは、スジコラ氏がシャーロックの変装ではないか疑ってかかっている。 メアリーに届くスキップコードには、「ジョン・ワトスンかジェームズ・ワトスンか?」(英: John or James Watson?)との文があるが、これは原典の『唇のねじれた男』でメアリーがワトソンをなぜか「ジェームズ」と呼んでいたことから取られている。またこのスキップコード自体は、『グロリア・スコット号』で使われている。 モラン卿の乗った車両が廃駅で切り離される筋書きは、ドイルの短編『消えた臨時列車』と共通しており、ゲイティスもこのことを認めている。この作品では、ポイントで列車を脇線に引き込むトリックが使われており、またホームズらしき人物が登場することから、ホームズシリーズの外典として扱われている。シャーロックの言う「他の要素を消して残るのが真実だ」という台詞は、ホームズシリーズで幾度となく使われてきたホームズの名言だが、この外典中でも同じように使われている。 国会議事堂の爆破テロ実行犯・モラン卿の名前は、『空き家の冒険』の犯人でモリアーティ教授の右腕だった、セバスチャン・モラン大佐から取られている。
※この「原作との対比」の解説は、「空の霊柩車」の解説の一部です。
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原作との対比
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原案は『チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン』"The Adventure of Charles Augustus Milverton" (1904年)、『最後の挨拶』"His Last Bow" (1917年)である。 原案『最後の挨拶』の原題は"His Last Bow"、このエピソードの原題は"His Last Vow"である。前者の"Bow"は、お辞儀・挨拶という意味、後者の"Vow"は誓いという意味の英単語である。 チャールズ・アウグストゥス・マグヌセンという名前は、『チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン』に登場する恐喝王から取られている(発音の違いについては後述)。 ジョンとメアリーの元へ、女性が息子の薬物摂取と家出を相談しにくる筋書きは、『唇のねじれた男』から取られたものである。彼女の名前「ケイト・ホイットニー」や、息子(原典では夫)の名前「アイザック」も同じ作品に由来する。ジョンが彼女の息子を迎えに行くと、そこにはシャーロックがいるが、原典でも、ケイトの夫アイザを迎えに行ったワトスンは、アヘン窟でホームズに出会う。この『唇のねじれた男』冒頭には、メアリーが夫ワトスンを「ジェームズ」と呼び間違えるシーンがあり、これがワトスンのフルネームを「ジョン・ヘイミッシュ・ワトスン」とする説の根拠とされている。 シャーロックの仕事を手伝っているウィギンズの名前は、『緋色の研究』に登場するベイカー街遊撃隊(ベーカー・ストリート・イレギュラーズ)の隊長から取られている。また彼の愛称の1つである「ビリー」は、『マザリンの宝石』などに登場する、221Bのボーイから取られている。このシーンで、モリーがシャーロックの薬物摂取をたしなめるのは、原典『四つの署名』でのワトスンの役割である。 マグヌセンをシャーロックがサメに例えるのは、『ミルヴァートン』中でホームズがミルヴァートンをヘビに例えることに由来する描写である。またシャーロックはマグヌセンを、「恐喝のナポレオン」と称するが、原典のホームズはモリアーティ教授を「犯罪界のナポレオン」と称している。マグヌセンの邸宅アップルドアは原典『ミルヴァートン』にも登場する。 マグヌセンの元へ忍び込むために、シャーロックはジャニーンとの交際を利用する。一方『ミルヴァートン』では、配管工・エスコットに変装したホームズが、ミルヴァートン邸のメイド・アガサをたらし込んで情報を手に入れている。また、そのために婚約を申し込む点も、原典に準拠している。 マグヌセンのスキャンによって、ハドスン夫人のフルネームが「マーサ・ルイーズ・ハドスン」(旧姓シソンズ)であることが分かる。原案の1つになった『最後の挨拶』には、ホームズ邸のばあやとして「マーサ」という女性が登場し、彼女をハドスン夫人と同一視するシャーロキアンもいる。 シャーロックはジョンの結婚太りを指摘するが、『ボヘミアの醜聞』冒頭でも同様に、ホームズがワトスンの結婚太りを指摘する。 オフィスで倒れているジャニーンを見て、シャーロックは「女って本当に気絶するのか」と述べる。一方『空き家の冒険』では、ホームズの帰還に驚いたワトスンが気絶しており、ワトスン女性説が唱えられる元にもなっている。シーズン3で3回目の引用となる「確率の問題だよ」(英: "Balance of probability.")との言葉は、『四つの署名』中に登場する。 シャーロックは、マグヌセンに銃を向けているのがレディ・スモールウッドだと勘違いするが、『ミルヴァートン』中には、ミルヴァートン自身が自分を襲いに来た女性の正体を見誤るシーンがある。また、彼女は夫をネタにしてマグヌセンに強請られるが、この設定には、原典でミルヴァートンを襲いに来た女性の造型が投影されている。 マイクロフトの台詞「東風がやってくるぞ」は、直接的には『最後の挨拶』で、第一次世界大戦開戦を予感するホームズの言葉からの引用であるが、その真意はシーズン4で明かされた。原典のこのシーンでは、東風は英国では大陸から吹き付ける冷たい風になるため、ドイツによる戦争を東風に例えている。 ジャニーンは、シャーロックとのゴシップネタで得た情報料で、サセックスにハチの巣箱がある別荘を買うと告げる。原典『第二のしみ』や『ライオンのたてがみ』、『最後の挨拶』には、引退したホームズがサセックスに引っ越し、養蜂に励んでいることが語られる。 シャーロックを探し、ジョンやレストレードはロンドン中の隠れ家を探しにかかるが、『ブラック・ピーター』では、ホームズがロンドンに少なくとも5つの隠れ家を持っていたと記述されている。 メアリーは、ファサードで暗闇に座るジョンを人形と勘違いするが、『空き家の冒険』『マザリンの宝石』には、ホームズの蝋人形のシルエットを使って犯人をおびき寄せるシーンがある。 メアリーが読んでいるホームズ夫人が書いた数学書は、タイトルが"The Dynamics of Combustion"(燃焼の力学)とされている。一方原典では、モリアーティ教授の著作として"The Dynamics of an Asteroid"が挙げられている。この作品の書題は、邦訳では『小惑星の力学』とするものが多い一方、モリアーティが数学者とされていることから、実際は『アステロイド曲線の力学』だったのでは、とする説も上がっている。 メアリーは自分の本名のイニシャルが"A.G.R.A."(シャーロックの部屋で渡したUSBメモリには"A.G.RA"と書かれているが、シャーロックの両親の家で、暖炉に投げ込んだUSBメモリには"A.G.R.A"と書かれている)だと明かすが、『四つの署名』はアグラの宝物にまつわる話である。 マグヌセンの邸宅、アップルドアには、室内に沢山の木々が植えられているが、『ミルヴァートン』でも、ミルヴァートンが立派な温室を持っていることが語られる。
※この「原作との対比」の解説は、「最後の誓い」の解説の一部です。
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原作との対比
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原案は『ブルースパーティントン設計書』"The Adventure of the Bruce-Partington Plans"(1908年)である。 冒頭、事件が入らず退屈したシャーロックが壁紙に銃痕でスマイリーを描くシーンは、『マスグレーヴ家の儀式』でホームズが壁に "VR"(当時の英国王ヴィクトリア女王を示す、"Victoria Regina"の略称)と撃ち込んだことに由来する。なお、特別編『忌まわしき花嫁』では、原典・ドラマ両方の設定を受けて、セットの壁紙に"VR"の文字が撃ち込まれている。 シャーロックはジョンがブログに書いた『ピンク色の研究』の記事について文句を言うが、これは『四つの署名』冒頭で、『緋色の研究』がロマンスで脚色されすぎていると文句を言うホームズと同様である。またその後、シャーロックが推理に必要無いものは覚えないと返すが、これも原典『緋色の研究』に存在するシーンである。このシーンでは、シャーロック同様に、ホームズが「地動説を知らない」と答える。 また、シャーロックに調査を依頼したマイクロフトは、「足での調査が必要」なので自分では調査しないと答えるが、これは『ギリシャ語通訳』で語られるマイクロフト像に等しい。また、ベーカー街までやってきて調査を依頼するのは、原案となっている『ブルースパーティントン設計書』冒頭に存在するシーンである。 シャーロックは、自分宛の封書についてヤードで推理をするが、ボヘミア製の紙だと推理するのは『ボヘミアの醜聞』冒頭のシーンに由来する。また、中から出てきた携帯に時報音(pip sound)が5回吹き込まれているのは、『オレンジの種五つ』(原題:"The Five Orange Pips")へオマージュをかけたものである。 バーツでシャーロックはモリーの幸せ太りを指摘するが、これは『ボヘミアの醜聞』冒頭で、ホームズがワトスンの幸せ太りを指摘するシーンに由来する。また、カール・パワーズのシューズについてシャーロックはジョンに推理させるが、「大事なことは全て見落としている」とけなすのは、『花婿失踪事件』中の記述に由来する。 第2の謎で血痕を残して失踪する男性は、『唇のねじれた男』でネビル・セント・クレアが失踪したシーンに符合する。 今回シャーロックは情報収集にホームレス・ネットワークを活用しているが、これは原作のベイカー街遊撃隊に相当する。ゴーレムと戦うシーンでシャーロックがボクシングの構えを見せるが、ホームズはボクシングの名手とされている。 ウエストの遺体の処理など、重要なプロットは『ブルースパーティントン設計書』に由来しているが、被害者の婚約者の兄が犯人という筋書きは、『海軍条約文書事件』と同じである。 無事に設計図を回収したシャーロックに、マイクロフトが爵位を授けようと言ったことが台詞で示唆されるが、原典でのホームズは、『三人ガリデブ』冒頭で爵位を断った旨が記されている。
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原作との対比
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このエピソードは、『空き家の冒険』中でホームズが述べた、大空白時代の記述に基づいて書かれている。アンダーソンが述べるように、シャーロックは段々と英国に近付くように帰ってくるが、これは原典でのホームズと同じである。最初の事件はチベットで起きるが、ホームズは大空白時代にチベットに行き、ラマと面会したことが語られている。 ニューデリーで起きた事件では、「被害者のアイスクリームコーンにチョコフレークが沈み込んだ深さ」で犯人が判明する。これは、『六つのナポレオン』中で言及される、「暑い日にパセリがバターに沈んだ深さ」からホームズが着目したアバーネッティ一家の事件に由来する。 ハンブルクの陪審で、妻殺しの罪に問われているトレポフ氏の名字は、『ボヘミアの醜聞』で「トレポフ殺人事件」(in the case of the Trepoff murder) として言及されている。 ジョンの元へ届けられる黄色いマスクは、『黄色い顔』を意識したものである。
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原作との対比
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「バスカヴィルの犬(ハウンド)」の記事における「原作との対比」の解説
原案は『バスカヴィル家の犬』"The hound of the Baskervilles"(1901年)及び『悪魔の足』"The Adventure of the Devil's Foot"(1910年)である。 ドラマの原題は「The Hounds of Baskerville」、原案となった『バスカヴィル家の犬』の原題は「The Hound of Baskervilles 」である。原典では名字である「バスカヴィル」との名称が、ドラマ本編では地名となっている。 シャーロックが調査のため、銛を持って豚を刺しに出かけるシーンは、『ブラック・ピーター』に由来する。また、ジョンは同じシーンで数種類の新聞を読んでいるが、『白銀号事件』などにあるように、ホームズは発行されている全ての新聞を毎朝自宅に届けさせている。また、禁煙中のシャーロックが煙草の禁断症状から叫ぶ、「お茶より7%強いものが必要だ」との台詞は、原典『四つの署名』で、ホームズが7%溶液のコカインを愛用していることに由来する。 依頼人であるヘンリーの名字はナイト(英: Knight、騎士を意味する)だが、これは原作で命を狙われるのが貴族のサー・ヘンリー・バスカヴィルであることに由来している。また、原典でのグリンペン湿地帯は地雷原に変更されている。脚本のマーク・ゲイティスはコメンタリーで、「(原案は映像化も多い作品なので)みんなの知っている要素を違う形で取り入れようとした」と語っている。 シャーロックは「ハウンド」という言葉に引かれてヘンリーの依頼を受ける。これは、脚本を書いたマーク・ゲイティスの「若者はハウンド(英: hound)なんて言わないでドッグ(英: dog)と言うはずだ」との意見によるものである。なおヘンリーの「巨大なハウンドの足跡だった」という台詞は、原典でワトスンが述べるものである。 ホームズがワトスンに調査を任せきりな原案『バスカヴィル家の犬』と大きく異なり、シャーロックは当初からジョンと共にダートムーアにやってくる。 魔犬伝説について、シャーロックが「ジョンと賭けをした」として聞き出すのは、『青い紅玉』中の記述に基づくシーンである。 バスカヴィル研究所で、ジョンが「第五ノーサンバランド・フュージリアーズ連隊の大尉」と退役時の所属と階級を明言する。ジョンの述べる所属は、『緋色の研究』冒頭でワトスンが述べる所属と等しい。 原案『バスカヴィル家の犬』では、ヘンリー卿の友人モーティマー医師が、ホームズの元へ事件を持ち込む。今作では、モーティマーという名前が、ヘンリーの女性カウンセラーの名字として使われている。同様に、バスカヴィル家の執事バリモアの名前は、研究所に勤めている少佐の名字に使われている。バリモア少佐を演じたサイモン・ペイズリー・デイ(英語版)があご髭を生やしているのは、原典の執事にならったものである。脚本のマーク・ゲイティスによると、あごひげは英国海軍なら可能だが、陸軍では御法度であり、コメンタリーでは「でも彼の所属は正規の陸軍では無いから(構わないだろう)」と発言している。また、原典で登場する植物学者のステープルトンは女性遺伝子学者、訴訟好きのフランクランド老人はアメリカ帰りのウイルス学者にそれぞれ置き換えられている。 ジョンが気付く、ハイビームを発している車の主はセルデンという名前だが、これは原典『バスカヴィル家の犬』で登場する脱獄犯の名前である。彼はバリモア夫人(バスカヴィル家の執事夫人)の弟であったが、結局事件には関係しなかった。ドラマでもセルデンの発しているハイビームは、モールス信号とは無関係であり、物語上のミスリードである点も共通している。 ダートムーアにやってきたレストレードへ、「ナッツみたいに茶色い」とシャーロックがコメントするが、この台詞は元々『緋色の研究』でスタンフォードがワトスンにかける言葉である。 シャーロックがジョンを使って、薬剤の効果実験をするシーンは、原典『悪魔の足』中のシーンに由来する。但し原典では、ホームズとワトスンが一緒に実験を行い、中毒になる寸前でワトスンがホームズを伴って逃げ出している。 劇中フランクランドは、誤って地雷原に侵入し地雷の爆発で死亡するが、これは『バスカヴィル家の犬』で、犯人のステープルトンが、底なし沼に踏み入って死亡するのと対比されている。
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原作との対比
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/21 06:27 UTC 版)
原案は『踊る人形』"The Adventure of the Dancing Men"(1903年)及び『恐怖の谷』"The Valley of Fear"(1914年)である。 お金に困ったジョンがシャーロックのカードを借りるシーンは、原典『踊る人形』でワトスンがホームズに小切手を託しているシーンに由来する。また、投資銀行からの帰り、シャーロックは「ヴァン・クーンという名は電話帳には少ない」と返すが、『三人ガリデブ』中には、ガリデブという珍しい名字を電話帳で探すシーンがある。シャーロックはセバスチャンからの手付金を断っているが、この「仕事(事件)こそが報酬」という姿勢は、原典『まだらの紐』『ノーウッドの建築業者』でのホームズの姿勢と合致する。また、ジョンとサラの救出後、シャーロックはこの事件をディモック警部補の手柄にするよう伝えるが、これは『ノーウッドの建築業者』を始め、原典のあちこちで見られるホームズの姿勢である。 シャーロックは大学時代の学友セバスチャンから事件解決を依頼されるが、『五粒のオレンジの種』『マスグレーヴ家の儀式』は、どちらもホームズが大学時代の学友から依頼を受ける作品である。 原典中で暗号が扱われる作品としては『踊る人形』と『恐怖の谷』が有名である。ドラマのように本を使った暗号は、『恐怖の谷』冒頭に出てくる。「誰でも持っているような本」として、原典ではホイッテカー年鑑(英語版)、ドラマでは"LONDON A-Z"(ロンドンのストリート名などを詳細に記した地図 (Geographers' A–Z Street Atlas) )が使われる。また、あちらこちらに謎の暗号が残されている点は、『踊る人形』での暗号と類似している。 バーツにやってきたシャーロックが、モリーに「仕事中は頭が鈍るから食べない」と話す。これは『マザリンの宝石』で、ハドスン夫人へ「あさっての7時半に食事を頼む」と答えるホームズと同様である。 最終シーンでシャン将軍は窓越しに射殺されるが、これは『空き家の冒険』でモラン大佐が使った方法である。
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