初期の技法と楽器編成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 09:17 UTC 版)
「ジャズドラム」の記事における「初期の技法と楽器編成」の解説
ジャズのライドパターン 今日最も一般的に用いられるライドパターン 反転したライドパターン ベイビー・ドッズが演奏したパターン これらの音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 最初期のジャズドラマーたちは、その幅広い影響に比して、限られた引き出ししか持っていなかった。軍楽のルーディメンツと軍隊式のビートが、基本的に彼らが自由に使えた唯一の技法であった。しかし、演奏される個別の音楽に適応する必要があったので、新しい技法とミュージシャンとしての能力が進化を始めた。用いられる主要な技法にロールがあり、重要なパターンの1つは単純に1つおきのビートをロールにするというものであった。これが最初の「ライドパターン」の1つであり、キューバ音楽でクラーベが果たしていたのと同様の機能を持つビートとなる一連のリズムとなっていった――楽団の他のメンバーにとっての「心のメトロノーム」である。ニューオリンズの第2世代のジャズドラマーの中で最も有名かつ重要な1人であるベイビー・ドッズは、各コーラスの背後でドラマーが何か違ったものを演奏する重要性を強調した。ドッズのスタイルは、バンク・ジョンソン(英語版)のような古い世代のジャズミュージシャンの一部からは慌しすぎるとも見做されていた。 一定のリズム的なインプロヴィゼーションの下で、ドッズは基本的な1/3のロールよりほんの僅かだけ洗練されたパターン、しかしながら、今日のものとは逆であるだけで事実上同一のものであるパターンを演奏していた。このリズムは次のようなものである――2つの「スウィングした」8分音符(8分音符の3連符の1番目と3番目の音符)、4分音符、そして最初の3つのビートの繰り返し(右にある「反転したライドパターン」の音声サンプル参照)。これらのパターンを別にすると、この時代のドラマーは全体としてはバンドの中で極めて小さな役割しか与えられていなかった。当時のバンドはアンサンブルに重きを置いており、最初期のジャズにおける他の全ての楽器と同様に、ドラマーは滅多にソロを取らなかった。ソロを取った時にも、その演奏は個人的な表現というよりは、軍隊のミリタリーケイデンスのように聞こえるようなものであった。例えば付点8分音符の連続といった、他のリズム的なアイデアの大半はラグタイムとその後継者から来ていた。
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