れいきゃく‐ざい【冷却材】
冷却材
冷却材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 02:03 UTC 版)
冷却材(れいきゃくざい)とは、核分裂によって放出される熱を、原子炉から取り出す役割を果たす流体のこと。
- ^ 文部科学省 研究計画・評価分科会資料 各国の高速増殖炉における冷却材の使用状況(PDF)[リンク切れ]
- ^ 高速増殖炉(FBR)の技術的見通し-ナトリウム技術-,動力炉・核燃料開発事業団/内閣府原子力委員会
- ^ 高速増殖炉研究開発センター 高速増殖炉もんじゅ もんじゅのあゆみ[リンク切れ]
- ^ 原子力百科事典ATOMICA 開発中の原子炉および研究炉等 高速増殖炉 高速増殖炉の安全性 海外諸国の高速炉における事故・故障・トラブル(ナトリウム漏えいを除く) (03-01-03-10)
- ^ 原子力百科事典ATOMICA 開発中の原子炉および研究炉等 高速増殖炉 高速増殖炉の安全性 海外諸国の高速炉におけるナトリウム漏えい事故 (03-01-03-08)
- 1 冷却材とは
- 2 冷却材の概要
- 3 主な原子炉冷却材
冷却材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 11:05 UTC 版)
軽水炉では、炉心の熱エネルギーを外部に取り出すための冷却材や中性子の減速材、反射体などを兼ねて軽水を利用するのに対し、高速増殖炉では高速中性子を減速させないように加熱溶融した金属ナトリウムのような液体金属を使用する。 高速増殖炉の冷却材は、平均速度が秒速1万km程の高速中性子に対して減速効果が小さくその運動を衰えさせないものでなければならず、また単位体積当たりの出力密度が軽水炉よりもかなり大きくなるため、熱伝導率の良いものでなければならない。高速中性子に対する減速効果は水素や重水素のように核の原子量ができるだけ少ない元素が大きくなる。 これらの条件を満たすものとして、金属ナトリウムが使われている計画が多いが、鉛・ビスマスやヘリウムガス冷却も一定の経済性を持つと言われる。ナトリウムは発火性が、鉛・ビスマスは腐食性が問題である。過去には水銀、ビスマス、鉛、カリウム、NaK(ナトリウムカリウム合金)などが考えられた。ナトリウムを採用するメリットとして、以下のような点も挙げられる。 水と違って、圧力をかけなくても800度以上にならないと沸騰しないので扱いやすい。 比重が水と同程度なので、水と同様にポンプで循環できる。 金属ナトリウムとして存在している安定同位体の23Naは、炉内で中性子を吸収し放射化され22Na(半減期 2.6年)と24Na(半減期 15時間)に変化するが、半減期が短いため炉停止後の作業者の被爆量を増加させない。 また熱伝導率の高さから「もんじゅ」においては3系統ある冷却系のうち、2系統が故障してしまった場合でも1系統のみで炉心の崩壊熱を除去し冷却する事ができる。また循環ポンプなどの電源を全て失う、全電源喪失が起きて循環ポンプが全て停止しても3系統の冷却系にてナトリウムの自然循環と空気冷却器により崩壊熱の除去が可能である。これらの安全性も評価されているため、ナトリウム冷却高速増殖炉は国際的な第四世代原子炉の一つとして位置づけられている。 なお、もんじゅ事故後、フィジビリティスタディからやり直して、冷却材として鉛ビスマス、ヘリウム、軽水、ナトリウム等の検討が進められた事実があり、その上で実績や国際協力の可能性(鉛ビスマスは実績が少ないのが否めない)が評価されてもんじゅの再起動、そして次期ナトリウム冷却高速増殖炉の開発へ進んでいた。
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