内宮領・陸曳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 09:00 UTC 版)
例外的に内宮用材を陸曳で奉曳することがある。 一つは、磯町の住民が、内宮扉木を宮川河川敷から外宮・倭姫宮・宇治橋前を経由して内宮宇治工作場まで奉曳するもので、慶光院曳(けいこういんびき)という。奉曳距離は約9kmと群を抜いて長い。 もう一つは、大湊町の住民が、内宮棟持柱を神宮徴古館から宇治橋前を経由して内宮宇治工作場まで奉曳するものである。奉曳距離は約4.5kmである。 以上二つの奉曳内容は、陸曳と同様である。但し、宇治工作場には貯木池はないので、用材の納め方は内宮領の方式である。 これとは別に御木曳初式においては、内宮別宮の月讀四宮・倭姫宮へは陸上を橇で奉曳する。両宮とも、五十鈴川から遠く離れているのでこういう形態になったものである。月讀宮宮地には四つの別宮があるので、御木曳初式で唯一2本の役木を載せた橇2台を奉曳する。 また、同じく瀧原二宮・伊雑宮へは、奉曳車での陸曳を行う。 瀧原二宮へは、2台の奉曳車が大紀町の集落の両端(一つは、宮川河畔のかつての用材集積所。)から約3km・4kmにわたり集落の中の参道を奉曳する。参道が狭いこともあり、奉曳車は伊勢のものに比べ小ぶりである。 伊雑宮へは、磯部川沿いのかつての用材曳き上げ所から約1.5kmを奉曳する。別宮の用材は一宮一本であるが、この宮のみ2本あり、大人用・子供用の2台の奉曳車で曳く。やはり、奉曳車は伊勢のものより小ぶりである。 なお、「内宮領・陸曳」という表現は厳密には大湊町の奉曳のみに該当するが、ここでは説明の都合上このように区分した。
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