倒産までの経緯とその影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 13:48 UTC 版)
「てるみくらぶ」の記事における「倒産までの経緯とその影響」の解説
2016年春ごろより、信用調査会社である東京商工リサーチに、てるみくらぶの信用情報に対する問い合わせが増加していた。東京商工リサーチは2017年3月23日から取材活動を開始。3月24日の時点で、本社、福岡支社、名古屋支社、大阪サロンが営業を停止していることを確認。本社の従業員は非常用階段を使って出入りしていた。さらに東京商工リサーチと同じ信用調査会社である帝国データバンクの取材において、てるみくらぶのツアーの航空券が発券できなくなったり(てるみくらぶは全日本空輸のシステムから発券を受けており、国際航空運送協会への支払いが一度でも滞ると発券されない)、ツアー催行が中止されたりするなどのトラブルが発覚した。てるみくらぶは金融機関に緊急融資を要請し、同年3月15日分の国際航空運送協会に対する決済分は決済出来たものの、翌3月22日決済分の決済が不可能となった。 観光庁も、この件の調査を開始し、同26日に立ち入り検査を行った。観光庁によると、ハワイのホノルルでは日本総領事館に「てるみくらぶを通して、支払い済みのホテル代を請求された」との相談が計3件あり、観光庁は安全確保を理由に、追加の支払いに応じることを勧め、費用が足りない場合は、日本からの送金方法を現地の在外公館大使館または領事館に聞くよう呼び掛けていた。海外旅行保険では旅行先で旅行会社が経営破綻した際、航空券やホテルの代金の入金が確認されず、現地で請求されて支払ったホテル代や航空券代は一切補償されない(航空券代やホテル代の補償は、航空券の代金の支払いが確認され、かつ搭乗予定便が欠航となった場合のみ補償される)。 3月27日、てるみくらぶは東京地方裁判所に自己破産を申請し倒産(=経営破綻)。同日地裁より破産手続き開始決定を受けた。破産申請時の負債は約151億円。東京商工リサーチが算出している「リスクスコア」(向こう12ヶ月における倒産確率を統計的手法を用いて100から1まで数値化した客観的な指標)は2016年9月以降は、最高リスクである「1」(倒産確率は19.84%)であった。 同時に自己破産を申請した自由自在、てるみくらぶホールディングスと合わせて負債総額は約217億7,795万円となり、旅行業として過去3番目の倒産規模となった。 てるみくらぶにおける旅行者の最高被害額は364万3600円で、最低被害額は5948円であった。ぶっちゃあ、矢部美穂、栗山夢衣などの著名人も被害に遭っている。2017年4月23日には、「てるみくらぶ」の経営破綻で旅行に行けなくなった被害者らが東京都墨田区押上にある WALLOP で初会合を開き、「被害者の会」を正式に発足させた。被害者の1人が発起人となった初会合には、弁護士やTwitterの呼び掛けで参加した15人が会場に集まった。 アイ・トランスポートは2018年5月16日に解散を決議し、代表清算人にてるみくらぶの破産管財人が就任した。アイ・トランスポートも債務超過が判明したため、破産手続へ移行する予定である。 自由自在は2019年4月16日に、アイ・トランスポートは同年4月24日に、てるみくらぶホールディングスは同年6月6日にそれぞれ法人格が消滅した。 てるみくらぶは、2019年9月上旬に最終配当が完了。同年9月26日に東京地方裁判所から破産手続終結の決定を受け、法人格が消滅した。
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