倍音とインハーモニシティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 03:22 UTC 版)
「ピアノ調律」の記事における「倍音とインハーモニシティ」の解説
ピアノの音には倍音が含まれる。どの鍵盤も弾いて出るその音は、基音とその倍音が多数(理論上は無限)含まれる。ただし、現実の音の倍音は必ずしも厳密な整数倍ではなく、実際にうなりを聴いて調律した時、1オクターブ上の音をうなりが消える高さに合わせると、理論上の2倍の周波数よりも高めになる。これを繰り返して全体の調律を行うと特にピアノの場合、高音域は理論値よりも高く、低音域はより低くなる(この平均律からのずれを示すグラフはレイルズバック曲線と呼ばれる)。この基音に対して整数倍で発生するはずの倍音が振動数が若干高く現れる現象のことをインハーモニシティという。インハーモニシティはピアノ1台ごとに異なるので、当然調律される各音域の絶対値も厳密には1台ごとに異なる。この現象が起きる要因としていくつかあるが、とりわけピアノは音域が広く、また使用される弦(ミュージックワイヤー)はとても剛性が高いので振動の節になる部分が影響を受け波長が短くなるためと言われている。
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