「中庸」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

中庸とは? わかりやすく解説

ちゅう‐よう【中庸】

読み方:ちゅうよう

[名・形動

かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。「—を得た意見」「—な(の)精神

アリストテレス倫理学で、徳の中心になる概念過大過小両極端悪徳とし、徳は正し中間(中庸)を発見してこれを選ぶことにあるとした。


ちゅうよう【中庸】

読み方:ちゅうよう

中国戦国時代思想書1巻子思の著と伝えられる。「礼記(らいき)」中の一編であったが、朱熹(しゅき)が「中庸章句」を作ったことから、四書の一として儒教根本となった天人合一真理説き、中庸の誠の域に達す修養法を述べる。


ちゅうよう 【中庸】

儒教徳目。中は偏らず、庸は平常で、偏らず常に変わらないこと。不偏不倚で過ぎたると及ばざるとのないこと。②(mesotesギリシアアリストテレス徳論中心概念過大過小両極正し中間知見見定めることで、それにより徳として卓越すること。例えば、粗暴と臆病の両極中間正し勇気見定めることであり、それはまた異なった次元の徳である、といった考え方。③『四書』の一つ一巻孔子孫子思の作とされる。もと『礼記』の一編だったが、南宋朱子取り出して四書』の一つ加え、『中庸章句』という註釈書作ってから重視された。天人合一説き、中庸の徳と徳の道とを強調した儒教総合的解説書

中庸〈朱熹章句/〉

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中庸

作者坂口安吾

収載図書オモチャ箱・狂人遺書
出版社講談社
刊行年月1990.2
シリーズ名講談社文芸文庫

収載図書坂口安吾全集 9
出版社筑摩書房
刊行年月1991.3
シリーズ名ちくま文庫

収載図書坂口安吾全集 14
出版社筑摩書房
刊行年月1999.6


中庸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/15 04:51 UTC 版)

中庸(ちゅうよう)とは、儒教において、「四書」の一つであり、またその中心的概念の一つである。

概念としての「中庸」

「中庸」という言葉は、『論語』のなかで、「中庸の徳たるや、それ至れるかな」と孔子に賛嘆されたのが文献初出と言われている。それから儒学の伝統的な中心概念として尊重されてきた。だがその論語の後段には、「民に少なくなって久しい」と言われ、この「過不足なく偏りのない」徳は修得者が少ない高度な概念でもある。

古代ギリシャでは、アリストテレスの「メソテース」という言葉でそれを倫理学上の一つの徳目として尊重している。また、仏教の中道と通じる面があるとも言われる[誰によって?]が、仏教学者[誰?]によれば違う概念であるという。

文献としての『中庸』

現在「四書」の一つとして広く知られている『中庸』は、もともと『礼記』中の一篇、すなわち礼記中庸篇として伝えられてきたものである。司馬遷の『史記』では、中庸は子思の作であるとされており、これが通説となっている。しかし、戦国時代の無名の儒家の著作であるという説や、『大学』同様『子思子』の一篇だったのではないかという説もあり、成立及び作者は諸説が存在している[1]。古くから有名な作品として人々に読まれてきた。初めて『中庸』を重視したのは南朝宋の戴顒(378年 - 441年、戴逵の子)であるとされている。彼が『礼記中庸伝』を書いた。宋代になると、有名な学者、政治家などが次々と『中庸』の注釈を著した。司馬光・范祖禹・蘇軾程顥など、著名な人びとの専著は十指にのぼる。この中で、もっとも知られているのは朱子の『中庸章句』である。朱子学において『大学』が四書の入門であるのに対し、『中庸』は四書の中で最後に読むべきものとされた。

内容

『中庸』では「中庸」の徳をくわしく解説している。しかし、『中庸』は「中庸」以外に、「誠」・「性」・「道」・「慎独」など、多くの概念についても述べている。この中で、「誠」は「中庸」よりも一層重要な概念であることも言われている。

文献『中庸』中での「中庸」概念

「中庸」の『中』とは偏らない。しかし、決して大小や上下の中間を取りさえすればよいという意味ではない。よく「中途半端」や「50対50の真ん中」と混同されている。中間や平均値、足して2で割るというものではない。常にその時々の物事を判断する上でどちらにも偏らず、且つ通常の感覚でも理解できるものである。

『庸』については、朱子は「庸、平常也」として『庸』を「平常」と解釈しており、鄭玄は「…庸猶也言徳常行也言常謹也」として『庸』を「」と解釈している。『庸』が「」という意味を含んでいることは二人とも指摘している。現在、多くの学者たちは、『庸』が「優れた点や変わった点を持たない」(用例:庸才)と「平常」(用例:庸民)との両方の意味を含んでいると見ているほか、『庸』は「」であるという説もある[2]。つまり、中の道を「用いる」という意味だというのである。

中庸の徳を常に発揮することは聖人でも難しい半面、学問をした人間にしか発揮できないものではなく、誰にでも発揮することの出来るものでもある。恒常的にいつも発揮することが難しいことから、中庸は儒教の倫理学的な側面における行為の基準をなす最高概念であるとされる。

脚注

  1. ^ 諸橋轍次『中国古典名言事典』講談社学術文庫、1979年初版、153ページ「中庸」による
  2. ^ 諸橋1979

訳注

外部リンク

関連項目

  • 悠久山 - 中庸の句から命名された新潟県長岡市の山。

中庸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 06:01 UTC 版)

四書」の記事における「中庸」の解説

詳細は「中庸」を参照 『中庸』はもともと『礼記』中の1篇。『史記孔子世家が「子思は「中庸」を作る」とすることから、孔子の孫の子思(紀元前483年 - 紀元前402年)の作とされる唐代韓愈李翺らの道統論によって持ち上げられ北宋二程は「中庸は孔門収授心の法」と称した二程思想継承する南宋朱熹は『中庸』を『礼記』から取り出して、『論語』『孟子』に同列扱って四書一つとした。現在では秦代儒者の手になるとするのが一般的である。

※この「中庸」の解説は、「四書」の解説の一部です。
「中庸」を含む「四書」の記事については、「四書」の概要を参照ください。

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中庸

出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 10:32 UTC 版)

名詞

ちゅうよう

  1. 両端のどちらにも偏っていないこと。儒教における徳目一つ
  2. 変わった点を持たないこと。変わり映えの無いこと。
  3. μεσοτηςの訳)アリストテレス徳論において、徳を知見の下に、両極端中間におくこと。→「w:中庸 (ギリシア哲学)参照

関連語

両端のどちらにも偏っていないこと」を意味する名詞

類義語

対義語

翻訳

語義1

語義2

語義3

形容動詞

活用

ダ型活用
中庸-だ


翻訳

語義1

語義2

固有名詞

  1. 儒教経書一つ。『史記孔子世家根拠として、子思の作であるとされている。元は礼記一部だったが、大学と共に朱子学以降四書一つとして独立した

由来

論語巻第三・雍也第六』より

白文】子曰中庸之爲徳、其至矣乎、民鮮久矣。
訓読】子曰はく、「中庸、これ徳たるや、其れ至れるかな、民に鮮きこと久し。」
現代語先生おっしゃった、「中庸というものの徳が高いことは、最高のものだね民衆稀になってもう久しいいことだが。」

「中庸」の例文・使い方・用例・文例

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