一般利用での真空
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:44 UTC 版)
日本産業規格 (JIS)では「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態」とされている。 真空の状態は真空ポンプを用いて容器内部の気体を排気することで得ることができる。真空度は対象の空間に存在する気体原子・分子が外壁に及ぼす圧力で表される。単位はTorr(トル)が用いられてきたが、国際単位系への統一に伴いPa(パスカル)に移行しつつある。1 atm=1.01325×105 Pa=760 Torrである。真空度は言葉のイメージと表現が逆になるので注意が必要である(例:真空度が高い(高いレベルの真空度である)=圧力が低い)。 一般的な圧力と同じくゲージ圧と絶対真空度があり、それぞれ所謂ゲージ圧と絶対圧に対応している。丁度摂氏温度(℃)と絶対温度(K)のように、大気圧を0Paとしてそこからの変位量を示したものがゲージ圧。絶対真空を0Paとしてそこからの積算を示したものが絶対真空度である。 但しゲージ圧真空度の場合、所謂ゲージ圧として真空状態を「ゲージ圧−100kPa」のように負の値で表す場合と、別の単位として扱って「ゲージ圧真空度100kPa」のように正の値で表す場合、更に「ゲージ圧真空度−100kPa」のように表す場合があるので、仕様確認時に絶対真空度かどうかと合わせて確認する必要がある。尚、絶対真空度の場合は「1.33×10-7kPa(abs)」のように注記が入ることがある。 ISOにおける真空の領域の区分 ISO 3529-1では真空を圧力領域により次のように区分している。 領域英語名圧力範囲地球大気での同等の気圧の地点の地上からの距離低真空 Low Vacuum 100 kPa~100 Pa 地上~約60 km 中真空 Medium Vacuum 100 Pa~0.1 Pa 約60 km~約90 km 高真空 High Vacuum 0.1 Pa~10−5 Pa 約90 km~約250 km 超高真空 Ultra-high Vacuum 10−5 Pa以下 約250 km~ 尚この超高真空より真空度の高い領域(主に10−8または10−9 Pa以下)として極高真空 (Extreme High Vacuum、XHV) という用語も使用されることがあるが、ISOでは定められていない。
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