メイ政権 (2016年–2019年)
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「ジェイコブ・リース=モグ」の記事における「メイ政権 (2016年–2019年)」の解説
国民投票の結果を受けてキャメロンが辞意を表明した後、保守党が党首選挙を行った際、リース=モグは当初ボリス・ジョンソンを支持していた。ジョンソンが出馬を見送った後、リース=モグはマイケル・ゴーヴを支持し、ゴーヴが脱落した後はアンドレア・レッドサムを支持した。その後、レッドサムは選挙戦から撤退し、テリーザ・メイが保守党党首と首相に就任した。 リース=モグは2016年アメリカ合衆国大統領選挙の際、共和党のドナルド・トランプ候補を支持していた。 2016年10月、ドナルド・トランプのアクセス・ハリウッド・テープ(英語版)が表面化した際に、Twitterは「根本的にくだらない」と述べて、トランプのTwitter投稿から距離を置いた。 2018年5月、彼はタイムズに「ブレグジット後はトランプが最大の同盟相手になる。」と題した論考を寄稿し、「大都会のエリートに取り残された有権者にアピールし、自国に対する自信と衰退を防ぐという決意を示しており、それはブレグジット支持者をも鼓舞している」と述べている。 2017年11月、リース=モグは、トランプの元ホワイトハウス首席戦略官でブライトバート・ニュースのスティーブン・バノン執行委員長と面会し、右派の動きがイギリスとアメリカで成功する方法について話し合った。後にリース=モグはインタビューでこの会合について聞かれた際、「私は、自分と考えを共有していない、あるいは完全に支持していない政治的見解を持つ人々といくらでも話をしてきました... 政治家は必然的に他の政治家と出会うものです。バノン氏はトランプ大統領の首席補佐官であり、共和党の幹部でもあります」と述べた。 2017年、彼は保守党と民主統一党(DUP)の間で結ばれた閣外協力の合意(英語版)を支持した。 その後、彼はDUPの資金調達イベントで演説を行い、北アイルランド保守党(英語版)から批判を受けた。 リース=モグは、次期党首候補になる可能性があると広く見られ、2017年には党首選への出馬を検討していると報じられた。しかし、2017年8月13日、リース=モグは、そのような憶測は「メディアの愚かな季節の一部」であると述べた。 2人の保守党議員、ハイディ・アレン(英語版)とアンナ・ソーブリー(英語版)は、彼が党首になったら、離党すると表明した もう1人の保守党議員であるジャスティン・グリーニングは、自分も同じ事をする可能性を示唆した。 しかし、ジェシー・ノーマン(英語版)やダニエル・カチンスキー(英語版)などの他の保守党議員は、リース=モグの立候補を支持する事を表明している。イギリス独立党(UKIP)の元党首であるナイジェル・ファラージもリース=モグの立候補を支持している。 2017年イギリス総選挙の後、庶民院で過半数を獲得できなかったテリーザ・メイが、首相と保守党党首の辞任を求められた。これを受けて、報道機関はメイの後継者を推測し始め、ボリス・ジョンソンがブックメーカーのお気に入りとされ、リース=モグには50/1のオッズが与えられていた。選挙翌日の6月9日には、リース=モグに保守党党首選への出馬を求める「Ready for Rees-Mogg」と題したオンライン署名活動が始まった。 親コービン派の活動家グループ「モメンタム(英語版)」の成功にあやかる事を期待して、モグメンタム(英語版)(Moggmentum)という「言葉遊び」のハッシュタグが作られた。このキャンペーンは、2017年7月8日までに13,000以上の署名や2,000ポンドの寄付金を集め、オッズは16/1に引き下げられ、デイヴィッド・マイケル・デイヴィスに次ぐ2番手の人気となった。8月14日、Ready for Rees-Moggの共同設立者であるサム・フロストは、その前日にリース=モグがこのような憶測は「メディアの愚かな季節の一部」であり、「誰も真剣に」自分が候補者であると考えていないと述べていたにもかかわらず、請願書が22,000人の登録支持者、700人のボランティア、7,000ポンドの寄付金を集めたと発表した。2017年9月5日、ConservativeHomeが実施した世論調査では、1,309人の調査に基づく23%の票を得て、リース=モグが次期党首の有力候補とされた。 2018年1月、彼は保守党内の欧州懐疑論者の圧力団体である欧州研究会の議長に選出された。インデペンデント紙の報道によれば、この役職の就任は彼に対する約50人の保守党議員の直接的な支持をもたらす事を意味し、党首選出馬に十分な数であるとされた。それ以来、リース=モグは、メイとフィリップ・ハモンド財相のリーダーシップを直接批判し、党首選に立候補するつもりだという噂をさらに煽ったが、表向きは出馬するつもりはないと繰り返した。2月、リース=モグが西イングランド大学(英語版)で行っていた演説は、左翼の抗議者たちが彼を人種差別主義者や偏屈者だと非難したため中断され、抗議者とモグの支持者の間で暴力的な衝突が発生した。 ハード・ブレグジットの支持者(ただし彼は「クリーン・ブレグジット」という言葉を好んでいる)であるリース=モグは、政府のブレグジット交渉(英語版)への対応、特にテリーザ・メイの「チェッカーズ・ディール(英語版)」を強く批判し、「投票もなしにEUに残留しようとしている」と評した。 首相は、自分が言った事、約束した事、前回の選挙公約を見て、それがチェッカーズと矛盾してないかどうか確認する必要があります。もし彼女がチェッカーズに固執するなら、庶民院で反対票が集まっている事に気づくでしょう...もちろん、議会における欧州懐疑主義者が、すべての問題で多数派である訳ではありませんが、いくつかの問題では必然的に多数派になるでしょうし、チェッカーズをもとにした法案であれば、立法は非常に困難な物になるでしょう。 彼は妥協案としてカナダ・プラス案を支持した。この案は、イギリスが単一市場や関税同盟に留まる事なく、関税なしの貿易を可能にする物であった。 2018年、サンデー・タイムズ紙が、ボリス・ジョンソンの物議を醸したニカブ(英語版)についての発言や、保守党内のイスラム恐怖症疑惑(英語版)へのメディアの注目を受けて行ったインターネット上の迷惑行為に関する調査の結果、リース=モグやジョンソンを支持する多数のFacebookグループのメンバー(その中には保守党の評議員や関係者も含まれていた)が、ジョンソンのFacebookページに「広範囲にわたって」イスラム恐怖症や人種差別的な書き込みをしていた事が報じられた。 これに対してリース=モグは、労働党のルーシー・パウエル(英語版)議員が提出したソーシャルメディアを規制する議員提出法案(英語版)を支持すると述べた上で、「この種の見解を持っている人々は、この対処法を取る口実に(ジョンソンの)発言を持ち出す事で安堵すべきではありません。」と付け加えた。リース=モグは、イスラム恐怖症の非難からジョンソンを擁護、ジョンソンに対する懲戒処分を行った党を批判し、ジョンソンを政治的に弱体化させるための「低俗な権力の乱用」、「見せしめ裁判」、「魔女狩り」と評した。 2018年11月15日、リース=モグは、首相のブレグジット案を受けて、不信任状を提出する可能性を示唆した。 その日のうちに、彼は保守党のバックベンチャー(英語版)の議員で構成される1922年委員会(英語版)委員長のグレアム・ブレイディ(英語版)卿に同趣旨の書簡を提出し、記者団に「もはや、テリーザ・メイは言う事とやる事が一致していない」と述べた上で、「...これは個人的な野心とは関係ない」と付け加えた。メイが、彼女のブレグジット案に対する批判の広がりを受けて、庶民院での採決を中止すると発表した後、リース=モグは次のような声明を出した。 「テリーザ・メイがブレグジットに取り組んできたこの2年間は一体何だったのか?もし、首相が庶民院での審議を許可する勇気があるならば、議会は実現不能な取引を完全に拒否するでしょう。これは統治の名に値する物ではなく、ブレグジットを実現できない事によってジェレミー・コービンを政権の座につける結果になる危険性があります。このような状態を続ける訳にはいきません。首相は進退を決めなければならない。」2018年11月、リース=モグは、ボリス・ジョンソンを保守党の新党首に選出する事を提案した。 リース=モグは、12月12日に議会保守党が採決し、不成立に終わったテリーザ・メイへの党首不信任案提出の中心人物とみなされた。投票には敗れたものの、翌日もリース=モグは首相が「明らかに保守党のバックベンチャーの支持を失った」として、メイに党首を辞任するよう求め続けた。リース=モグは、この件における彼の役割について、トバイアス・エルウッド(英語版)から、「破壊的」「分裂的」「利己的」と批判された。 12月18日、リース=モグは、「トーリー党では、首相の勝利が、来年の信任となる決まりです。だから私は彼女を全面的に支持します。私は先週の投票で敗れました。」と述べた。その後、彼は、2019年1月16日に労働党提出の不信任案に反対票を投じ、その日の内にポリティックス・ライブ(英語版)で首相を支持すると述べた。 2019年2月22日、リース=モグは、ベスナル・グリーン・トリオ(英語版)のひとりであるシャミマ・ベグム(英語版)が、バングラデシュの市民権(英語版)を所持していたため、彼女のイギリス市民権を取り消すというサジド・ジャヴィド内務大臣の決定に反対すると発言した。金曜夜のLBC(英語版)の番組で、彼は、「イギリス国民は、基本的に平等であり、もし(彼の)パスポートを取り上げられないなら、他の誰からも取り上げる事はできないはずです。」「本質的に我々の問題である案件を、なぜバングラデシュ人が拾い上げなければならないのでしょう。我々は隣人の庭にゴミを置こうとしています。」と主張した。
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