ミラクルキャンディー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 09:14 UTC 版)
「ふしぎなメルモ」の記事における「ミラクルキャンディー」の解説
メルモに与えられたキャンディーには不思議な力があり、赤いキャンディーを食べると10歳若返り、青いキャンディーを食べると10歳年をとる。 ここでは、主人公である小学生(3年生、9歳)のメルモを基準に、キャンディーを食べた際の効果について記述する。 青いキャンディー1つ 子供から一気に19歳の大人の女性になる。姿が変わるのは身体のみで、普段着ている青色のブラウスに黄色いスカートのままキャンディーを食べると、大きく膨らんだ胸や、スカートからはみ出た下着が著しく目立つ格好になる。同じ青いキャンディーを複数食べると中年女性になり、大量に食べると老女になってしまう。 キャンデーを食べると光に包まれながら大人へと変身していく。 姿が変わるのは身体のみなので、大人の姿でも老女でも心は子供のままである。衣類はやや伸びるものの基本的には子供サイズのまま。声は艶のある大人の女性のものである。 大人のメルモ(19歳)は八頭身で、スーパーモデル並みのプロポーションを持つ絶世の美女である。 大人変身時の運動神経は抜群で、大人の男たちを相手に格闘しても勝負は互角である。崖の上から海へと車もろとも転落しそうになった時は、手錠でつながれた男とともに、間一髪で脱出に成功した。 40代の女性に変身したときは中年太りをしていた。 老女のメルモは美しかった面影はない。白髪で皺だらけ、腰は曲がり、ガラガラ声で、豊かだった胸は垂れたおばあさんである。 大人になっても着ているのは子供の服のまま、外見は美しいが中身は子供なので実際の大人の女性に比べてかなりの違和感があり、酒を飲んだり、タバコを吸ったりしない。 中身は子供だが、第2話「ブラ子どこへ行く」で航空会社の客室乗務員の採用試験に合格したり、第11話「あの子をにがすな!」で密輸の証拠の書類を見分け、第19話「メルモの初恋」では自分の担任の教師にメルモの姉と名乗ってデートをしても怪しまれなかったなど、ある程度大人並に知性は向上する。 赤いキャンディー1つ 風船がしぼむように体が縮み、髪の色が薄くなり、最終的には産毛がわずかしかない生後数ヶ月の赤ん坊になる。中身は小学生のメルモだが、いくら力を振り絞っても言葉を喋ることができず、さらに全身の筋肉が殆ど育っていない状態になっているので、二足歩行もできない。普段着ている服よりも小さな体になるため、簡単に服が脱げて、青いキャンディーで再び成長する際、裸のまま子供や大人の姿になってしまうこともある。 赤いキャンディー2つ以上 食べた瞬間、急速に体が縮んで、赤ん坊どころか誕生前の胎児でも若返りは停まらず、頭や手足が全て引っ込んで受精卵まで小さくなってしまい、誰かが青いキャンディー1つを溶かした水の中にその卵を浸さない限り、元の女の子の姿に戻れなくなる。本編では、第1話「ミラクルキャンディーをどうぞ」でメルモの下の弟であるタッチが、ドサクサにまぎれて自ら青いキャンディーを複数食べ、おむつを付けたまま大人になり、メルモから渡された複数の赤いキャンディーで受精卵になってしまった経緯がある。メルモがタッチの受精卵を水の入ったコップに浸し、青いキャンディーを溶かして元の姿に戻した。 受精卵ないし卵の状態で傷付いた生物を青いキャンディーで成長させると、やや不完全な姿に成長してしまう。本編では、第12話「ひん死の白鳥さん」で白鳥を卵に戻した際には卵に穴が空いたため、穴に青いキャンディーを溶かした水を注いで白鳥に戻したが、白鳥の全身の羽毛のうち三か所に青い模様ができてしまった。 赤と青のキャンディー同時に1つずつ 赤いキャンディーの力で受精卵まで小さくなったあと、青いキャンディーの力で卵から再び成長を始め、胎児〜赤ん坊〜幼児を経て元の姿に戻れる。本編では第11話でメルモが悪の組織から逃れるために一時的に受精卵の状態になって姿を隠した。 赤いキャンディー1つと少し形を削った青いキャンディー まず赤いキャンディーの力で受精卵まで小さくなる。そのあと青いキャンディーの力で卵から再び成長が始まるが、赤と青の比率が1:1ではないため、人間以外の別の動物(ネコや犬など)としてある程度の年齢まで成長する。しかし基が人間であるため、特に哺乳類の動物に変身した時は、顔の一部に本来の姿の面影が残る。とは言え受精卵の状態からの完全な変身であるため、DNAレベルで人間だった時の痕跡はなく、メルモの記憶だけがその証しである。当然ながら人間の言葉を話すことはできないが、変身した姿と同等の動物と会話をすることができる。変身時間が長くなれば、徐々に行動が本能に制約されるようになるので危険である。変身前の青いキャンディーと同じレベルに削った赤いキャンディーと、青いキャンディー1つを同時に食べれば、元の人間の姿(小学生のメルモ)に戻ることができる。第5話「もえる無人島」でメスウサギから人間に戻った時は、青いキャンディーを二つ食べていないのに成長が止まらず大人にまでなった。 どんな動物に変身するかは、キャンディーを食べたときのメルモの意思やキャンディーの削り具合、周囲の環境で決まると思われる。魚・イルカに変身した時は、キャンディーを食べて船から海の中に飛び込んだ。 第7話「トカゲ館の一夜」で、メルモの弟であるトトオが青いキャンディーの削り方に失敗し、両生類のカエル(へそが付いているので、厳密には架空の生物である「ヘソガエル」)になってしまう。カエルの姿では固体や液体を口に入れることができなかったトトオは、医者であるワレガラスが気体を使った方法を見つけるまでの数ヶ月間、元の人間の男の子の姿に戻れなかった。気体を使って小動物から人間になる場合は一旦受精卵になるようなこともなく、気体となったキャンディーを吸うと体が元の姿の半分ぐらいまで大きくなり、人間の姿に変わりながら元の大きさに戻る。第13話「クリスマス・メルモ」では、少年・タダオの家を探そうと犬に変身しようとしたメルモがキャンディーの削り具合を間違え、前半分が三毛猫で後半分が犬の奇妙な姿になった。 第15話「メルモと魔術師」ではキャンディーの乱用に怒った天国の神様によってキャンディーの力を停止され、赤毛の犬に変身したメルモがしばらく元の女の子の姿に戻れなくなった。メルモは犬の姿で、家事や弟たちの世話を健気にし続けた。 動物に変身したメルモはなぜか成熟した雌として扱われることが多い。第4話「もえる無人島」でウサギに変身したときは雄のウサギから「子供を作ろう!」と迫られた。第10話「ビリ犬まかりとおる」で犬に変身したときも、野良犬のビリ犬から求愛された。第16話「ぼくは人間だ!!」で、家出したカエルのトトオを探そうと猫に変身したメルモは、猫のカップルに近寄るが 雄猫はメルモに一目惚れし、嫉妬した雌猫に追い払われた。 このほかにも本編ではないが、オープニング映像では美しい牝鹿に変身したメルモがたくましい牡鹿に駆寄り、見つめあったあと彼とキスをするシーンがある。 魚に変身した時は、漁船の網にかかり、冷凍にされそうになったが同じく捕まったタコにキャンディーを飲ませてもらい、冷凍室に入れられる寸前で人間に戻ることができた。魚には手足がなく、ヒレではキャンディーを触れないため。 メルモが変身した動物は、ネズミ、ウサギ、犬、魚、鳩、猫、鹿、イルカなど。 ミラクルキャンディーの瓶 ミラクルキャンディーは赤い蓋のついた瓶に入っていて、メルモはいつも持ち歩いている。キャンディーは減った分がすぐに増えるようになっている。しかし、第18話で神様が、半年経つと元の数に戻る能力が無くなると言っている。物語が進むに連れて、キャンディーは増えないようになる。 キャンディーの瓶はメルモがどんな危機になっても無くなることはない。キャンディーの力が神様によって止められたことはあったが、キャンディーが瓶ごと無くなったエピソードは無い。ただし、メルモがある事情でキャンディーを一時的に手放したことはあった。16話で猫になったときは、15話で人間に戻れなくなったことを教訓にしたのか、尻尾で瓶をつかんで走りまわっている。それ以外は、瓶も服も変身した場所に放置することが多い。それらが他の人間に見つかれば大騒ぎになるし、キャンディー自体を紛失すれば、ずっと動物の姿でいなければならなくなる。 その他 ミラクルキャンディーは天国から姿を現したメルモの母親ひろみによって届けられた。ひろみはキャンディーの使い方をメルモに教えると天国へと去っていった。 動物への変身方法は最初からメルモが知っていたのではなく、ワレガラスが思いつき、メルモが試したもの。チッチャイナ国で追っ手から逃れるためにネズミに姿を変えたのが初めての動物への変身である。 コミックスでは青いキャンディーを食べて、女性警察官や客室乗務員などなりたい職業の大人に変身できる。また、卵生の生物の卵の中身に塗料を混ぜてから成長させると、その色が体色に反映される。 第1話・第14話・第18話でタッチは青いキャンディーを食べて大人や少年に変身したが、言葉は話さず中身は赤ん坊のままだった。第13話でメルモは駅に捨てられた赤ん坊をキャンディーの力で少年にしたが、メルモと会話をすることができた。第19話でメルモの担任の野沢先生が赤いキャンディーの力で受精卵を経て子供になった時は大人の時の記憶を無くしており、その時の記憶は少年時代の記憶として刷り込まれていた。これらのことからキャンディーの効果には個人差があることが分かる。
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