マイノリティ
英語:minority
「マイノリティ」とは・「マイノリティ」の意味
「マイノリティ」または「マイノリティー」は、「少数者」「少数派」などを意味する言葉である。英語の「minority」に由来する語。特に「社会的少数者」を指す意味で用いられることが多い言い方。なお英語圏では「少数グループ(単に人数が少ない集団)」を「minority group(マイノリティーグループ)」と言ったりする。minorityの「o」は英語の発音では「オー」であり、「ァ」や「エア」ではない。したがって日本語でマイナリティーと表記されることは少ない。マイノリティーの対義語として「マジョリティー」がある。英語の「majority」に由来し、「多数者」「多数派」などを意味する。
マイノリティーの例としては、子どもや高齢者、障がい者、外国人、性的少数者などがある。社会の仕組みや設備などは多数者によって多数者向けに作られていることが多い。マイノリティーが抱える問題を社会問題として取り上げ、現在ではユニバーサルデザインの考え方の元、誰でも使いやすいことを目指した設備が増えている。ただし、マイノリティーが持つ事情はそれぞれ異なることもあり、設備を変えるだけで全ての問題を解決することは難しく、ソフト面でも意識を変えていく必要がある。
「マイノリティー」の熟語・言い回し
マイノリティな人とは
マイノリティとは社会的少数者のことを指す。したがって、子どもは全人口に対する割合からいってマイノリティであるといえる。また左利きの人は右利きの人に比べてマイノリティであり、障がいを持つ人をマイノリティと呼ぶこともある。これらのマイノリティに共通するのは、生活に不便を感じる場合があることである。幼い子どもにとっては高すぎる階段、左利きの人には使いづらい駅の改札、車椅子に乗っている人には通りづらい舗装していない道路。多数派にとっては不便なく生活できる部分が、マイノリティにとっては障壁となっていることがある。
自分のマイノリティとは
同一人物であっても、どの視点から見るのかによって、マイノリティになることもあれば、マジョリティになることもある。また、自分が属しているグループが変われば、マイノリティからマジョリティになることもあり、逆もしかりである。マイノリティやマジョリティは人を定義するものではなく、その人の一面であるにすぎず、流動的なものである。
マイノリティリポートとは
2002年に公開されたアメリカのSF映画で、監督はスティーブン・スピルバーグ、主演はトム・クルーズである。舞台は未来。殺人を予知できるシステムが開発され、そのシステムにより殺人事件の発生率は0%となる。トム・クルーズ演じる主人公のジョンは、犯罪予防局の一員として任務を遂行するが、ある日、予知システムによりジョンが殺人を犯すと予知されてしまう。「そんなはずはない」とジョンは犯罪予防局から逃げ出し、予知システムに問題があるのではないかと考える。その中で、マイノリティリポートの存在を知る。予知システムでは3人の予知能力者の波長を合わせて予知を行うが、3人の意見が合わないことがある。その際に、システムの完璧さをアピールしたい運営側は少数意見を却下しており、これがマイノリティリポートであった。
見た目マイノリティとは
病気やケガなどで、外見が人とは異なる場合がある。顔や手足など、目に見える部分に症状が出ている場合、好奇の目にさらされてしまうことも少なくない。2017年公開のアメリカ映画「ワンダー 君は太陽」では、トリーチャーコリンズ症候群により顔の骨の形が変形して生まれた男の子が描かれている。日本でも、同じ病気がテレビ番組で取り上げられるなど、見た目マイノリティを人々が知る機会が増えてきている。
「マイノリティー」の使い方・例文
海外に住めば、誰でもマイノリティーな存在となる。マイノリティーな人々の意見を商品開発に活かす。
マイノリティーについて理解を広げる展示会を催す。
同性愛者はセクシャルマイノリティーの一つである。
SNSの普及で、マイノリティーの意見が世に出やすくなっている。
マイノリティーの意見を、正しく世に伝えることが今後の課題である。
私は、ある視点ではマイノリティーであるし、ある視点ではマジョリティーである。
様々なマイノリティーが存在する。
マイノリティーの問題を解決するには、マジョリティーがその存在を知り、理解することが必要だ。
少数であっても社会的立場が強い場合は、ドミナントマイノリティーと呼ぶ。
マイノリティ
英語:minority
「マイノリティ」とは、主に高齢者・障がい者・外国人などの「社会的少数者」およびLGBTなどの「性的少数者」を指す意味で用いられる表現である。社会的少数者は「マイノリティグループ」ともいい、性的少数者は「セクシャルマイノリティ」ともいう。
いわゆる少数民族は「民族的少数者」あるいは「エスニックマイノリティ(ethnic minority)」ともいう。少数民族も社会的少数者の一種である。
マイノリティの語源
「マイノリティ」は、英語の minority をカタカナ表記した外来語である。基本的な意味は「少数」や「少数派」であり、「少ない方」を指す意味で幅広い場面で使われる語である。英語の minority は、形容詞 minor(少ない)を接尾辞 -ity で抽象名詞化した語であり、「少数-という性質」という意味である。
英語の minority は幅広い意味用法で用いられるが、日本語でカタカナ語として用いられる「マイノリティ」は、たいていは「社会的少数者」や「性的少数者」を指す意味で用いられる。そして、「社会的弱者」「多数派と比べて公平に扱われていない集団」という意味・ニュアンスを少なからず含む言葉として用いられる向きが色濃い。
マイノリティの対義語
マイノリティに対する語は「マジョリティ(majority)」である。少数派に対する「多数派」。形容詞 major(多い)+ ity からなる抽象名詞である。マイノリティの用法
社会におけるマイノリティは「少数民族」を指す語でもある。いわゆるLGBTやLGBTIは「セクシャルマイノリティ」(性的少数者)呼ぶことがある。いずれも「大多数の人とは異なる性質を備えた人々」という意味を含み、マジョリティの存在との対比が前提されている。社会的マイノリティは「弱者」の立場にある集団として位置づけられやすい。(少数派であってもマジョリティより不利な境遇へ追いやられているわけではない人々はマイノリティとは呼ばれにくい)。マジョリティから見れば(相対的に)異質であり異端と捉えられる、そのため差別、迫害、あるいは日常生活を送る上での不平等などが生じやすい。
近年ではマイノリティの声をマジョリティに埋もれさせてしまわず、しっかり尊重しよう、と捉える機運が世界的に高まってきているといえる。
「社会的に立場の弱いマイノリティを尊重するべきだ」という道義的要求を盾にとって自らの主張や要求を声高に訴えるような連中を「ノイジーマイノリティ」という。
少数者(マイノリティー)
人種 1という用語は一般に、遺伝によって伝えられたある共通の身体的特徴を有する人々の集団を意味すると考えられる。人口センサスの方法によっては、この用語は時にやや漠然と用いられ、時には共通の文化や民族的な血統で結ばれている人々の集団、さらには一定の領域に住む人々を指すことさえある。そのほかに、時々用いられる用語で民族 2という表現があり、ここでも定義の違いによって意味するところが同じではない。民族は一般に、文化、言語または宗教的伝統を共有する人々の集団を意味する。一つの民族が一つの人種であることもあり得る。国民 3(305-2を参照)は通常、共通の過去または共通の文化で結ばれる人々の集まりである。一定の領域に住む人々で、人口の過半数とは明らかな違いを示す人々は少数者(マイノリティー) 4と呼ばれる。たとえば少数民族 4、少数国民 4、言語上の少数者 4、宗教上の少数者 4と呼ばれる。
社会的少数者
(マイノリティー から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/31 03:39 UTC 版)
社会的少数者(しゃかいてきしょうすうしゃ)とは、その社会の力関係によって、少数者、少数派もしくは弱者の立場に属する者やその集団を指す。また、そのグループに属することによって社会的な偏見や差別の対象になったり、少数者の事情を考慮していない社会制度の不備から損失や被害を受けることを前提とした呼称。社会的弱者に似た概念。また単に数として少数に属する者や集団を指す。「マイノリティグループ」(英語: minority group)の意味、日本語では「マイノリティ」と略されて呼ばれることが多い。社会的マイノリティ、社会的少数派とも言う[1][2]。
- 1 社会的少数者とは
- 2 社会的少数者の概要
「マイノリティー」の例文・使い方・用例・文例
- マイノリティーのページへのリンク