マイケルソンモーリー‐の‐じっけん【マイケルソンモーリーの実験】
マイケルソン・モーリーの実験
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マイケルソン・モーリーの実験(マイケルソン・モーリーのじっけん、英: Michelson-Morley experiment)とは、1887年にアルバート・マイケルソンとエドワード・モーリーによって行なわれた光速に対する地球の速さの比 (β = v/c) の二乗 β2 を検出することを目的とした実験である[1][注釈 1]。
注釈
- ^ なお、この実験は現在のケース・ウェスタン・リザーブ大学で行なわれた。
- ^ この実験は、エーテル理論を初めて否定した物理学史における重要な役割を果たしたものとして知られている。同時に、「第二次科学革命の理論面の端緒」ともされている。
Earl R. Hoover, Cradle of Greatness: National and World Achievements of Ohio’s Western Reserve (Cleveland: Shaker Savings Association, 1977). - ^ 水面を波が伝わるには水が、音が伝わるためには空気などといった媒質が必要であることが知られており、光は真空であっても伝播することから、真空中でもなにか光を伝える媒質、すなわち「エーテル」が存在すると考えられていた。
- ^ この測定実験は、静止エーテル中の理論としての初期マクスウェル方程式の正当性を示す意味もあることがわかる。
- ^ これは、マクスウェルがデイヴィッド・ペック・トッドに宛てた手紙の Even if we were sure of the theory of aberration, we can only get differences of position of stars, and in the terrestrial methods of determining the velocity of light, the light comes back along the same path again, so that the velocity of the earth with respect to the ether would alter the time of the double passage by a quantity depending on the square of the ratio of the earth’s velocity to that of light, and this is quite too small to be observed. というくだりのことだと思われる。
- ^ 手紙の中のくだりからわかるように、その測定の困難さからマクスウェル自身はそのような実験を全く仮想的なものだと考えていたようである。
出典
- ^ 講談社(1972) 第6章
- ^ 講談社(1972) p.139
- ^ James Clerk Maxwell (1865), “A Dynamical Theory of the Electromagnetic Field”, Philosophical Transactions of the Royal Society of London 155: 459–512
- ^ 小出(1997) p.143
- ^ 講談社(1972) p.141
- ^ A. A. Michelson et al., Conference on the Michelson-Morley Experiment, Astrophysical Journal 68, 341 (1928).
- ^ Robert S. Shankland et al., New Analysis of the Interferometer Observations of Dayton C. Miller, Reviews of Modern Physics, 27(2):167-178, (1955).
- 1 マイケルソン・モーリーの実験とは
- 2 マイケルソン・モーリーの実験の概要
- 3 失敗したことで有名な実験
- 4 副産物
- 5 重力波の検出への応用
- 6 外部リンク
マイケルソン・モーリーの実験
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「特殊相対性理論」の記事における「マイケルソン・モーリーの実験」の解説
しかしながらその後、エーテル仮説に対する重大な反証が得られた(マイケルソン・モーリーの実験、Michelson–Morley experiment)。エーテル仮説が正しいとすれば、地球はその公転によりエーテルに対して動いているので、地球上では公転方向に「エーテルの風」が感じられ、その影響により公転方向とそれ以外では光の速度が異なるはずであるが、実験によりそのような速度差は生じず、「エーテルの風」の風速はほぼ0であることが結論付けられたのである。 これをうけてヘルツ、フィッツジェラルド、ローレンツ、ポアンカレなどの学者がいくつかの理論を提唱したが、いずれもエーテル仮説の域を出ず、既存のエーテル仮説にアド・ホックな仮定を加えることで整合性を取ろうとする内容だった。 例えばローレンツはローレンツのエーテル理論(英語版)で、運動する物体が「エーテルの風」を受けて収縮する(フィッツジェラルド=ローレンツ収縮)をフィッツジェラルドと独立に提案し、これが原因で、マイケルソン・モーリーの実験の実験では「エーテルの風」の効果がキャンセルされたのだと説明し、収縮度合いを記述した変換式(ローレンツ変換、Lorentz transformation)を定式化したが、検証可能性を欠いていた。またローレンツとポアンカレは時間の流れが観測者によって異なるとするとする「局所時間」という相対性理論の萌芽ともいうべき考えを提案し、Wilson や Röntgen–Eichenwald の実験に合致する電磁場の方程式を導出した。 彼らはアインシュタインの重要な先駆者であり、彼らの理論は数式上は相対性理論のそれと一致している。しかし彼らの理論はあくまでエーテル仮説に基づいており、エーテル仮説の立場を取らない相対性理論とはその物理的解釈が根本的に異なり、下記のような大きな不満が残るものであった。 運動する物体が実際に縮む 局所時間の物理的解釈ができない
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