ポルフィリン‐しょう〔‐シヤウ〕【ポルフィリン症】
ポルフィリン症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/11 14:28 UTC 版)
ポルフィリン症(ポルフィリンしょう、porphyria)は、ヘム合成回路(ポルフィリン合成回路)の酵素が機能しない、先天的または後天的な疾患である。ヘム合成系酵素の異常によって、中間代謝物のウロポルフィリノーゲンなどの、尿中あるいは糞便中の排泄量が増加していることが、診断の決め手となる。ポルフィリンの名前は「紫色の色素」を意味するギリシャ語に由来する。患者の大便や尿が紫色になるからである。
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- 1 ポルフィリン症とは
- 2 ポルフィリン症の概要
- 3 病原性
- 4 文化及び歴史
ポルフィリン症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:12 UTC 版)
ポルフィリン症はヘム合成酵素の欠損によって起こる遺伝性疾患の総称である。常染色体優性遺伝である。ヘムはいくつかのポルフィリン体を経て合成される。ヘム合成系の酵素のいずれかに異常を生じるとヘム生産量の減少と同時に体内のポルフィリンまたはその前駆体が大量に生産、蓄積されることにより多彩な症状を呈する。これがポルフィリン症である。ポルフィリン症には急性ポルフィリン症4病型と皮膚型ポルフィリン症4病型が知られているが神経障害を起こすのは急性ポルフィリン症のみである。急性ポルフィリン症は急性間欠性ポルフィリン症、ALAD欠損性ポルフィリン症、異型ポルフィリン症、遺伝性コプロポルフィリン症がある。光線過敏は急性間欠性ポルフィリン症、ALAD欠損性ポルフィリン症では認められない以外、急性の神経症状は類似している。ポルフィリン症の発作はある種の薬物(通常P450で代謝される薬物、バルビツール酸系、フェニトイン)、ホルモンの変化(妊娠、月経周期、経口避妊薬、エストロゲン製剤)、食事制限によって誘発される。ポルフィリン症の急性発作は疝痛で始まることがある。腹痛、嘔吐などで急性腹症と診断されることが多い。続いて興奮、幻覚、痙攣などが起こる。数日経過した後に背中と四肢の痛みと筋力低下が起こりギラン・バレー症候群に似た症状になる。筋力低下は顔面筋や球麻痺症状を呈するだけでなく腕と脚に広がり、その分布は非対称性のことや近位と遠位に広がることもある。自律神経異常症と交感神経系の活動亢進(瞳孔散大、頻脈、高血圧)はよくみられる。便秘、尿閉、失禁も起こることがある。グルコースとヘマチンの静注が治療では有効である。急性期の死亡率は1 - 10%である。
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