ブラッシュアップ
「ブラッシュアップ」とは、「磨き上げる・磨きをかける」ことであり「知識や技術を更に向上させる」や「企画や構想をさらに洗練させる」の意味で用いられる表現である。ブラシをかけて磨いて、現状よりも洗練させ、完成度を高める、ということである。
「ブラッシュアップ(brushup / brush up)」はもともと英語で「ブラシをかける(=磨く・身繕いする)」という意味の表現である。これが日本語でも(主にビジネスジャーゴンとして)用いられているわけである。
英語の「ブラッシュアップ」は、「再勉強」「勉強して学力を取り戻す」いう意味であり、「能力を向上させる」という意味合いは特にない。
日本語では、「ブラッシュアップ」は、基本的に「磨き上げる」か「磨きをかける」と言い換え可能な意味で用いられている。「ブラッシュアップする対象」は知識・技能・文章表現・デザイン・アイデア・等々、と幅広い。
ビジネスシーンでのブラッシュアップの使い方
ブラッシュアップはビジネスシーンにおいて使われることが多い言葉である。資料や企画の内容および詳細を詰めていく段階で、さらなる改良の余地がある場合などにブラッシュアップという言葉が用いられ、より高度な企画の立案や業務の効率化に役立てられている。知識や技術に関しても使われるため、語学力・営業スキルといった仕事に必要な様々な能力の向上を目指すことや、専門分野に関するセンスを磨くことなどもブラッシュアップのひとつである。このように、状況によって様々な使い方と意味合いを持つのが、ブラッシュアップという言葉の特徴といえる。ブラッシュアップの類語・言い換え表現
ブラッシュアップの類語に「スキルアップ」「リファイメント」が挙げられる。スキルアップとは、訓練や学習によって身につけた技術力や能力を高めることを意味する言葉で、特にビジネスシーンではブラッシュアップとほぼ同様の意味合いで使われることが多い。ただし、ブラッシュアップが人の能力だけでなく仕事の内容などを含め幅広く使われるのに対し、スキルアップはその言葉通り技術や能力に関してのみ使われるという違いがある。また、スキルアップには、ブラッシュアップと異なるニュアンスとして、能力の向上のために資格を取得することも含むのが特徴である。工夫や検討を繰り返してより良いもの洗練にするという意味を持つ「リファイン」という言葉も、ブラッシュアップの類語のひとつである。「洗練」や「リファイン」は、無駄がないことを表現する言葉として使われることもあり、その対象は人やもの、技術など広範囲に及ぶ。洗練が意味するより良いものの定義には、優雅で磨きがかかった、品位のあるものあるいは垢抜けたものという意味合いを含み、その点でブラッシュアップと異なっている。
また、その他「練磨」や「琢磨」は鍛えて磨くことを意味するという点でブラッシュアップの類語といえるが、その対象は主に美術・工芸などの技芸や学問とされている。そのため、技芸や学問の分野で感性や技術力の向上を目指す意味では、ブラッシュアップの言い換えに使うことができるが、ビジネスシーンには適さないため使い分けが必要である。
ブラッシュアップの例文、使い方
ブラッシュアップという言葉の使い方については、次の3つの例文で示すことができる。ブラッシュアップを使って能力の向上を表す場合は、「仕事で海外に行く機会が増えたので、現地でよりスムーズな交渉ができるよう英語力やコミュニケーション能力をブラッシュアップしたい。」といった文となる。この場合、すでに現在の業務において困らない程度の英語は使えるものの、今後は機会が増え求められる語学力も高くなるため、英語の知識や会話力を向上させたいという意味でブラッシュアップが使われている。
まだないものを形作っていくという意味でもブラッシュアップを使うことができる。例えば、「その考え方をブラッシュアップすれば、きっと良い企画ができるはずだ。」といった文の場合、アイデアから企画の内容までを練り上げていくという過程が必要であり、それをブラッシュアップという言葉で表現している。
ビジネスシーンにおいて、取引先との間でこのような会話となった場合は、考え方は良いが企画としては不十分で、もっと具体的かつ現実的にする必要があるといったニュアンスも含んでいるといえる。このように、ブラッシュアップは様々なビジネスの場で使われ、例えば社員に向けた研修などについて「社員全体の営業スキルの向上を図るためブラッシュアップ研修を行う。」といった使い方をすることもある。この場合のブラッシュアップとは、社員個人個人の今ある能力に磨きをかけ営業力アップを目指すことを意味するが、併せて会社で定めた営業手法やマニュアルなどを見直し改良するといったニュアンスを含めることもできる。
ブラッシュアップは英語圏では解釈が異なる
日本で使われるブラッシュアップは英語の「brush up」がもととなった外来語である。しかし、その意味は少し違い日本語のブラッシュアップと比べて限定されているため、同じニュアンスで「brush up」を使うことはできない。英語圏で使われる brush up の意味は3つあり、そのまま動詞として使うと、こすって磨くという意味の「brush」を強調して「しっかり綺麗にする、しっかり掃除する」といった意味を表す。また、「身支度をする、出かける前の身なりを整える」という意味でも日常的に使われている。一方、自動詞として前置詞 on と一緒に使うと「一度習得していたが忘れてしまった知識や技術について勉強し直す、錆びついた能力を磨き直す」という意味となる。あくまでも一度学んだものが目的語となり、初めて勉強することなどには使えない。この使い方については、日本で使われているブラッシュアップと混同されがちだが、日本語のブラッシュアップが今あるものに磨きをかけさらに良くするというニュアンスで使われるのに対し、英語圏の brush up は、持っていたが失ってしまった能力などに限って使われるという違いがあるため、注意が必要である。日本で使われるブラッシュアップと同じニュアンスで使うことのできる言葉としては、「洗練する、改良する」という意味の「refine」や、「手直しする、少し修正して仕上げる」という意味の「touch up」、「練って完成させる、能力を磨く、洗練させる」といった意味を持つ「polish」などが挙げられる。ブラッシュアップ
ブラッシュアップとは、何らかの技能や知識、能力を磨き、向上させることである。主に自己改善やスキルの向上を目指す際に用いられる言葉で、個人や組織の成長に寄与する。具体的な方法としては、練習や勉強、経験の積み重ね、フィードバックの受け取りや反省を通じて、自己の限界を超えて新たなステージへと進むことが挙げられる。
ブラッシュアップは、ビジネスやスポーツ、芸術など、あらゆる分野で活用される概念である。例えば、ビジネスの現場では、社員のスキル向上を目指して研修やセミナーが実施されることが多く、これらの取り組みがブラッシュアップに繋がる。スポーツの世界では、選手が日々の練習を通じて技術や体力を向上させることで、競技力を高めることが求められる。芸術の分野でも、作品のクオリティを高めるために、技法や表現力の向上が不可欠である。
また、ブラッシュアップは個人だけでなく、組織やチーム全体の成長にも寄与する。組織内でのコミュニケーションや協力を促進し、メンバー同士のスキルや知識を共有することで、全体の力を向上させることができる。これにより、組織の競争力や生産性が高まり、目標達成に繋がる。
ブラッシュアップ
「ブラッシュアップ」とは・「ブラッシュアップ」の意味
「ブラッシュアップ」とは、完成度を上げるために磨きをかけるという意味である。ビジネスシーンで用いられることが多い言葉で、スキルや制作物などを改善し、より良い状態にすることを指す。「グローバルなビジネス展開に向けて語学力をブラッシュアップする」、「プレゼンで企画を通すために企画書をブラッシュアップする」などの使い方をする。ビジネスにおいてブラッシュアップは漠然とした企画をより具体的な形に変えることができる、作業効率を高めることができるなどのメリットがある。ビジネスシーンだけでなく、日常生活においても「ブラッシュアップ」を用いることもある。習い事などにおいてスキルや知識の向上を目指す場合は、「料理教室に通い、料理の腕をブラッシュアップした」、「大会に出場するために、ジムでボディのブラッシュアップを行った」などと表現できる。また、まれに「ブラシアップ」という言葉を目にすることがあるが、そのような日本語は存在しない。読み方は似ているが、「ブラッシュアップ」を間違って覚え、「ブラシアップ」という言葉を使っているだけである。
そのほかにも、「ブラッシュアップ」は新しい知識やスキルを身につけるという意味では用いることができないので注意が必要だ。一定のレベルに達している知識やスキルに、磨きをかけるという意味で用いられる言葉である。「ブラッシュアップ」自体に否定的な意味はないが、伝え方によっては批判と捉えられることもあるので気をつけなければいけない。企画や製品が不十分であったり、欠陥があったりするから指摘しているのではなく、より良いものを作るための指摘であることが分かる伝え方をする必要がある。
「ブラッシュアップ」の語源・由来
「ブラッシュアップ」は、英語の「Brush Up(ブラッシュアップ)」を語源とするカタカナ語である。ただし、「Brush Up(ブラッシュアップ)」には身なりを整える、錆びついたものを磨くという意味があり、カタカナ語の「ブラッシュアップ」のように「完成度を上げるために磨きをかける」という意味はない。カタカナ語は「一定レベルの製品やサービス、能力などを向上させる」というニュアンスで用いられているのに対し、英語の「Brush Up」は修復・原状回復をするというニュアンスで用いられている。根本的に意味合いが違っているため、英会話で「Brush Up」というフレーズを用いる時は、カタカナ語の「ブラッシュアップ」の意味と混同しないように注意する必要がある。カタカナ語の「ブラッシュアップ」と同等の意味を持つ英語は、「refine(改良する)」である。
「ブラッシュアップ」の熟語・言い回し
ブラッシュアップを重ねるとは
「ブラッシュアップを重ねる」とは、何度も改善を繰り返し完成度の高い状態へ仕上げることを意味する。何度もアイデアを練り直してよりニーズの高いものに仕上げたり、検討を重ね非の打ち所がない規格を考案したり、研修や講習を定期的に受け知識が錆びつかないようにアップデートしたりすることを指す。ビジネスにおいて、商品や企画のブラッシュアップを重ねることは成功に不可欠だとされている。
内容のブラッシュアップとは
「内容のブラッシュアップ」とは、フレームワークが決まった企画の内容を具体的に落とし込んでいくことである。企画やプロジェクトの内容を見直したり、アイデアを練り直したりすることも「内容のブラッシュアップ」である。ただし、内容が決まった企画や作品などを改良していくことであり、ゼロから新しい企画を立ち上げたり、一から作品を作り上げたりすることではない。「内容のブラッシュアップ」の具体的な方法としては、ターゲットやソリューションを見直す、複数の人の評価してもらう、色々なアイデアを組み合わせるなどがある。
製品のブラッシュアップとは
「製品のブラッシュアップ」とは、製品を開発・改良することである。一から製品を作り出すのは時間やコストもかかるため、すでにある製品に改良を加え売れる商品を作り出していく手法である。多くの企業が採用しているビジネスモデルであり、商品開発のための時間の削減やコストカットを実現している。また、アプリにおいて、「製品のブラッシュアップ」はバージョンアップを意味する。アプリを利用している時に画面上にブラッシュアップをしたという通知が表示された場合は、最新バージョンがインストール可能である、もしくはインストールされたということである。
「ブラッシュアップ」の使い方・例文
・学校を卒業してからは英語に触れていないので、海外赴任に行くまでに英語力をブラッシュアップするつもりだ。・この企画はまだまだ修正の余地があるため、来週の会議までにブラッシュアップして欲しい。
・試作品の評判が芳しくなかったため、プロジェクトチームにブラッシュアップするよう指示が出された。
・視聴者を惹きつける作品にするためには、脚本をもう少しブラッシュアップする必要がある。
・コンセプトをブラッシュアップしたことで、よりターゲットを絞った商品を展開することができた。
・サービス全般をブラッシュアップしたことが、上半期の売上アップに繋がった。
・彼が作成した企画書は完成度が高く、これ以上ブラッシュアップの必要はない。
・ブラッシュアップを重ねることで、多くの人に愛される作品に仕上がった。
・せっかく身につけたスキルも使わないと錆びついてしまうため、定期的にブラッシュアップしなければならない。
・多くの人の意見に耳を傾け性能をブラッシュアップしたからといって、売上に直結するとは限らない。
「ブラッシュアップ」の類語
スキルアップ
スキルアップには能力を上げるという意味があるため、「ブラッシュアップ」の類語として用いられることがある。ただし、スキルアップは能力の向上のみに使用できる表現で、「ブラッシュアップ」のように製品や企画を改良するというニュアンスでは使うことはできない。また、スキルアップは新たに資格を取得したり、訓練したりすることを指すため、既存のスキルや製品を改良するという「ブラッシュアップ」の意味からは少し外れてしまう。
洗練
洗練には、文章や作品をより良いものにする、ファッションをスタイリッシュにするなど、既存のものを改良するという意味があるため「ブラッシュアップ」の類語として用いられる。ただし、ニュアンスは似ているものの、「ブラッシュアップ」が「○○をブラッシュアップする」、「○○にブラッシュアップを重ねる」などの使い方をするのに対し、洗練は「洗練された○○」と後続の言葉を説明することが多い。
推敲する
推敲するは、より良い文章にするために何度も書き直すという意味である。既存の文章をより良い形に書き換えることから、「ブラッシュアップ」の類語として用いられることがある。ただし、推敲するは文章のみを対象とした改良であり、「ブラッシュアップ」のように能力や製品、企画などを対象とした言い回しではない。
練り上げる
練り上げるは、企画や文章などを手直しして素晴らしいものに仕上げるという意味がある。現状を維持するのではなくより良いものを目指すというニュアンスがあり、「ブラッシュアップ」の意味と重なるところが多い。類語の中でも、「ブラッシュアップ」と置き換えがしやすい言葉である。
品質改善
品質改善は、品質を改善させるという意味を持つため、「ブラッシュアップ」の類語として用いられている。製品やサービスなど幅広いものを対象としているため、「ブラッシュアップ」の代替として使用しやすい。
ブラッシュアップ
ブラッシュアップとは
ブラッシュアップ(brush up)とは、磨き上げることを意味する言葉。brush upのbrushは、名詞では「ブラシ」の意味だが、動詞では「綺麗にする、磨く」「軽く触れる、かする」などの意味をもつ。brush upは「brush sth up」もしくは「brush up on sth」の形で用いる。意味は「以前に持っていたがすでに失ってしまった知識や技術などを取り戻すために、勉強もしくは練習すること」である。「He took a course to brush up his French.(彼はフランス語の知識及び技術を再び手に入れようと、講義に通った。)」のように用いる。日本語のブラッシュアップ
日本語のブラッシュアップは、英語のbrush upとは使い方が異なる。ブラッシュアップは「現状の完成度をより良くする、さらに高める」という意味である。「英語の作文力をブラッシュアップする」や「あの計画はもう少しブラッシュアップすべきだ」のように使う。英語のbrush upは、放っておいたら埃をかぶってしまった玉を磨いて再び光らせるというイメージである。一方で、ブラッシュアップは採掘してきた荒い鉱石の塊を磨いて光る玉にするというイメージで使うことが多い。brush upと同様の文脈で用いることも可能である。先の例の「英語の作文力をブラッシュアップする」のは受験生などが想定される。今はない英語の作文力をこれから磨き上げていくというニュアンスである。発言者として昔アメリカの企業で働いていた人などを考えることも可能である。その場合は錆びついてしまった作文力を磨き直すという意味のブラッシュアップになる。
「あの計画はもう少しブラッシュアップすべきだ」の例文に関しても同様である。完成度の低い考えを磨き上げるという場合を想定することもできれば、時代に合わなくなった過去の計画を磨き直すという場合も想定できる。日本語のブラッシュアップは、単に「磨き上げる」という意味しか持たない。そのためさまざまな場面で使用することができる。
ビジネスシーンにおけるブラッシュアップ
ブラッシュアップの語は、ビジネスシーンでもよく使われる。主な使用方法は2パターンある。1つは個人の能力について使用する場合で、もう1つが企画など仕事の内容の完成度に言及する場合である。1つ目の例では「営業能力をブラッシュアップしたい」や「もう少し全体的にブラッシュアップを図りましょう」のように用いる。新人や中堅の社員に対して使う場合が多い。ブラッシュアップは、荒削りのものを磨き上げるというニュアンスで使うことが多いからである。能力的に未熟な人間に対し技術の向上を促すように使用する。能力的に成熟した人間に対しては使用しにくい。転職者に向けた「ブラッシュアップ研修」というものも存在し、これもライバルに差をつけるための能力向上を宣伝文句にしている。一方で、企画など仕事の完成度についてブラッシュアップを用いることもできる。例としては「この企画をもう少しブラッシュアップすれば可能性が見えてくる」や「あの資料はブラッシュアップの余地がある」のように用いる。内容の完成度に満足していないことが全ての場合で含意される。仕事の完成度に言及する場合でも、荒削りなものを磨き上げるという意味で使うことが多い。
ブラッシュアップの類義語
ブラッシュアップの類義語として「スキルアップ」が挙げられる。スキルアップも磨き上げることを意味する。しかしスキルアップは、能力や技術にしか言及できない。ビジネスシーンでは、個人の能力について言及する場合に使用可能であるが、仕事内容の完成度に関してスキルアップを使うことはできない。ブラッシュアップがビジネスシーンでよく利用される理由がここにある。ブラッシュアップはあらゆるものに対して言及できる。また「磨き上げる」という意味しか持たないので、様々なニュアンスで使用可能だ。技術を磨き上げることもできれば、出来栄えを磨き直すこともできる。ブラッシュアップ【brushup】
ブラッシュアップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/14 04:53 UTC 版)
ブラッシュアップ(英: brush up)は、企画やアイデアなどを再考し、より良いものにするために磨きをかけることである。
- 1 ブラッシュアップとは
- 2 ブラッシュアップの概要
ブラッシュアップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/06 15:08 UTC 版)
※この「ブラッシュアップ」の解説は、「アイデアソン」の解説の一部です。
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「ブラッシュアップ」の例文・使い方・用例・文例
- ブラッシュアップという髪型
ブラッシュアップと同じ種類の言葉
ブラッシュに関連する言葉 | ブラッシュ ブラッシュアップ ブラッシュ&トーン |
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