フォント例外条項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/14 02:34 UTC 版)
「GPLフォント例外」の記事における「フォント例外条項」の解説
GPLフォント例外は、デジタル・フォントのライセンスのベースとしてGPLを採用し、デジタル・フォントをPDFファイルなどのドキュメントファイルに埋め込んだ際に、GPLのコピーレフト制約を例外的に回避することを許諾する条項である。 フォント例外条項をGPLに提示するには、デジタル・フォントの著作者が、頒布するフォントに添付のGPL条文テキストの末端に次の文言を追加する。 As a special exception, if you create a document which uses this font, and embed this font or unaltered portions of this font into the document, this font does not by itself cause the resulting document to be covered by the GNU General Public License. This exception does not however invalidate any other reasons why the document might be covered by the GNU General Public License. If you modify this font, you may extend this exception to your version of the font, but you are not obligated to do so. If you do not wish to do so, delete this exception statement from your version. 以下は試訳である。 特別な例外として、あなた(注: ライセンシー)がこのフォントを利用する文書を作成し、かつこのフォントまたはこのフォントの未改変部分を当該文書に埋め込む場合、このフォントは最終的に生成される文書をGNU 一般公衆利用許諾書の保護下に自発的におく事はない。しかしながら、この例外は、当該文書をGNU 一般公衆利用許諾書の保護下におく可能性があるという他如何なる理由を無効化するものではない。あなたがこのフォントを改変する場合、あなたは、あなたにより改変された当該フォントのバージョン(版)にまでこの例外条項を拡大適用することができるが、あなたはそうする義務はない。あなたがそうすることを望まないならば、あなたの版からこの例外条項を削除せよ。 これは、フォント例外条項が「例外的に」GPLの保護対象から埋め込み先ドキュメントを外すものであるに過ぎず、「ドキュメントがコピーレフトの影響を決して受けない」という訳ではないということを再確認するものである。またドキュメントをコピーレフトの庇護下におくことを望む場合、フォントのライセンシーがこの例外条項を削除できる。これはフォント例外条項がGPLの追加的許可条項であり、規定によりライセンシーはフォント著作者に無断で任意に追加的許可条項を削除できるためである(GPLv3では第7項に規定されている)。 GPL+FEはコピーレフトによるオープンソース・デジタル・フォントの共有のための戦略的手法であり、SIL Open Font License(SIL OFL, OFL)に対抗するものである。
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