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ピーブイシーとは? わかりやすく解説

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PVC

別表記:ピーブイシー

「PVC」とは・「PVC」の意味

PVCとは、合成プラスチック樹脂のひとつである、ポリ塩化ビニルだ。塩化ビニル素材とし、付加重合という化学反応起こすことで作られる。「PVC」は、「polyvinyl chloride」を略した形だ。そして、五大汎用樹脂ひとつとして数えられ幅広い場面で使用されている。

PVCは、加工しやすい点がひとつのメリットである。熱可塑性樹脂であるため、高温環境に置くことで簡単に形が変えられる。よって、様々な加工方法対応しやすい。また、可塑剤加えることで、柔らかい状態で仕上げることも可能だ。さらに、付加重合度合い調整することで、半液体状の接着剤にもなる。そのようにプラスチック樹脂中でも加工材質の幅が広いのが特徴である。したがって日常生活使用する袋や、建物の建材など、様々な形となり、あらゆる場所で使用されている。

そして、耐久性が高いというメリットもある。PVCは加工方法次第で、金属に近い強度仕上げることができる。それでいてプラスチックであるので、金属のように錆びてしまうことがない。よって、長期間触れるような環境であっても劣化しにくい。そのため、液体を流すためのパイプとして使用されることが非常に多いまた、耐薬品性もあり、酸性アルカリ性のどちらにも対応可能だ。したがって化学薬品を流すパイプとしても利用される

さらに、絶縁性もあり、電気を通す金属では対応できない場面で使用することができる。その上プラスチック樹脂の中では、燃えにくい性質をしている。一度火が付いたとしても、燃え広がるリスク少ない。よって、安全性重視される場所でも、PVCが使用されることが多い。

ただ、PVCは、どのような環境でも対応できるわけではない温度変化弱く耐熱温度60度から80程度比較的低い。さらに、常に熱を与え続けると、簡単に変形してしまう。また、5度以下の環境だと、メリットである耐久性なくなり簡単に割れてしまう。したがって温度安定している場所での使用適している。

PVCは、1990年代には、環境対す問題点浮かび上がった燃焼による廃棄行った場合有害物質であるダイオキシン発生するという問題だ。そのダイオキシン発生量は、焼却設備高性能になり、完全燃焼ができるようになったことで減少した。しかし、ダイオキシン発生を完全に抑えることはできず、一部では問題視され続けている。

また、PVCを柔らかくするために使用する可塑剤の、人体への影響という問題点もある。フタル酸エステルフタル酸ビスといった可塑剤は、生殖異常やアレルギー引き起こす恐れがあるという理由で、EU圏内では禁止物質となっている。そして、フタル酸系ではない可塑剤使用されるPVC製品も多い。そういったPVCは、「非フタル酸塩ビ」や、「atbc-PVCacetyl tributyl citrate-polyvinyl chloride)」と呼ばれる

また、PVCは、医療分野では、不整脈一種である「心室性期外収縮」という意味の言葉として扱われる。「premature ventricular contraction」を略して「PVC」となる形だ。本来人心臓は、定期的な脈動行っている。しかし、何らかの原因によって、心臓の下部心室部分電気刺激生まれ必要のない脈動発生する。それを心室性期外収縮と呼ぶ。原因としては、体質的な高血圧や、飲酒喫煙などが考えられる心室性期外収縮は、心電図では通常の脈動とは異な波形となるため、確認自体は容易である。医療分野におけるPVCは、「vpc」と呼ばれることもある。ただ、これは単語入れ替えただけであり、PVCとvpcのどちらを使用したとしても、心室性期外収縮を指す点は変わらない

「PVC」の熟語・言い回し

PVCレザーとは


PVCレザーとは、人工皮革一種である。PVCを薄く延ばし表面動物皮膚モチーフとしたデザインを施す形で作られる。そして、土台にはポリエステルなどの繊維作った布が使用されることが多い。PVCレザーは、天然皮革よりも安価作ることができるのが特徴だ。そのため、ソファ財布など、レザー調製品で、コスト抑えるために使用されるまた、PVC自体加工が容易であり、顔料によって色を自由に変えられる。よって、天然皮革では実現難し形状や色の製品作る際にも、PVCレザー選ばれる

PVCシートとは


PVCシートとは、PVC素材薄く延ばしシート状にしたものである。基本的には他の素材用いことなく、PVCのみが使用される。PVCシートは、天井からぶら下げて仕切りにしたり、小さく切って装飾にしたりと、使い道が豊富である。また、濡れた衣類入れておく鞄など、耐水性必要なもの生地として使用されることも多い。無色透明なPVCシートであればガラス代用品にもなる。PVCは弾力性があり、ガラスのように割れてしまうこともない。そのため、安全性重視される場所では、ガラスではなくPVCシート選ばれることもある。

PVCフリーとは


PVCフリーとは、PVCを使用していないことを意味する言葉である。PVCは、焼却する際にダイオキシン発生する。その上リサイクルしにくいため、環境保護重視する国や地域では規制されることがある。その規制に従って、PVCを使用していないことを証明する際に、PVCフリーという言葉使用される

また、医療現場では、点滴使用するカテーテルなどの輸液セットで、PVCが使用されていないことを確認するために、PVCフリーという言葉使用される。PVCを加工する際に使用されるフタル酸可塑剤には、dehpという種類がある。そのdehp人体悪影響を及ぼすが、点滴輸液溶け込むことで、人体内に入り込んでしまう恐れがある。そのリスクをなくすために、可塑剤種類に関係なく、PVC製の輸液セットではなく、PVCフリー輸液セット選ばれる

PVCフィギュアとは


PVCフィギュアとは、PVCを素材として作られフィギュアのことである。他の素材併用していたとしても、大部分がPVC素材であれば、PVCフィギュアとして扱われるフィギュアは、人物動物など、モチーフが複雑であることが多い。その複雑なデザインを、立体的なフィギュアとして忠実に再現するためには、加工しやすい素材が必要となる。そのため、柔らかく加工容易なPVCが選ばれるまた、フィギュアは、きれいな状態を維持することが重要であるため、劣化しにくいPVCが適している。さらに、フィギュア中には関節設けられ一部動かせるようになっているものもある。その関節部分に、弾力性があって耐久性が高いPVCが使用される場合も多い。

PVC加工とは


PVC加工とは、水に弱い繊維でできた布に、PVC素材コーティングを施す加工のことである。PVCは、プラスチック樹脂中でも比較柔軟性が高い。そのため、布へのコーティング剤として使用したとしても、布の柔軟性失われにくい。そして、PVC加工を施すと、布に水分染み込んでしまうのを防げる。さらに、PVCが接着剤役割果たし繊維ほつれたり破けたりすることの防止にも繋がる。よって、布の耐水性耐久性高めるために、PVC加工用いられるまた、布へのコーティングとは別に、PVC素材何らかの構造物作り上げることを、PVC加工と呼ぶ場合もある。

軟質PVCとは


軟質PVCとは、柔らかい性質持ったPVCのことである。PVCは、強度が高い硬質PVCと、低い軟質PVCに分かれるそれぞれ比重や、引っ張った際の伸び率などが異なる。そして、比重低く伸び率が高いものが軟質PVCである。軟質PVCは、柔軟性が高いため、PVCレザーやPVCシートなどに使用されることが多い。また、PVCフィギュアでも、主な素材硬質PVCでありながら衣類など柔軟性必要なパーツには、軟質PVCが使用される場合がある。

ピー‐ブイ‐シー【PVC】

読み方:ぴーぶいしー

polyvinyl chlorideポリ塩化ビニル塩化ビニル重合体シート容器パイプなど広い用途がある。



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