バービルム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/29 21:18 UTC 版)
物語の舞台となる国(バビロニア)及びその中央に位置する都市(バービルム)。アッカドの地有数の大都市。名前は「神の門(バーブ=イルム)」に由来する。ウルと並ぶ規模の都市になりつつある、人口約20万の商業都市。 ナムル=ナーシル 14歳の少年。宮廷の書記を目指して、エサギラ神殿の書記学校に通う。父が亡くなっており、国からの補償金はあるものの、家は決して裕福でないため、学費や生活費のために市場で商取引の代筆屋として働く。 記憶力が良く、人の顔は一度見たら忘れない。「マルドゥークの1/50」を所持する。考えていることがすぐに表情に出てしまう。 シャズ=フラシュム / ハンムラビ バービルムの王子。スィーン=ムバリットの第一子。均整の取れた体格をした凛々しい青年。四方世界を手に入れることを望んでいる。 市井では書記学校に通う14歳の少女“シャズ=フラシュム”として過ごす。色白で、目は切れ長の三白眼、純黒の瞳と髪をしている。口癖は(主にナムルに対して)「マヌケめ」。強引で自分勝手な性格で、分かりきったことを聞かれると機嫌が悪くなる。シャズとハンムラビ、どちらの姿が本質なのかは明かされていない。 「マルドゥークの1/50」を所持する。自宅は養父が擁する豪邸だが、養子になったのは利用するためだけで、普段は神殿の寮に住み、滅多に帰らない。養父の前では、か弱い少女を演じ、思うままに操る。 イッディンラガマール シャズの養父。60代の貫禄ある男性。父親というより祖父に近い。シャズを溺愛する。バービルム周辺の経済を牛耳る大商人。神殿や王宮に比するほどの豪邸に住んでおり、個人の館としては市内最大の建築物と言われる。 イッディンラガマール一家はならず者の元締め的存在であるが、マルドゥーク門周辺のいざこざを解決したり、喧嘩の仲裁をするのでただのならず者というよりも義侠の一家として住民の信頼も厚かった。 スィーン=ムバリット バービルムの5代目の王。ハンムラビの父。戦争を好む勇猛な王として知られるが、神の威光にすがった、形式を重視するタイプ。 サムスイルナ ハンムラビ王子の護衛の一人。誠実さと有能さを具現化したような青年。他の護衛と異なり、自らの意志で考える力と判断力を持つ。 イルターニ ナムルの母親。街の占い師として生活費を稼いでいる。職業的な勘からか、シャズはナムルを不幸にするから関わらない方が良いとナムルに助言する。 アウェール=ニンウルタ シッパルの知事。文士然とした思慮深い若い男。駆け引きは苦手で、常に眉根を寄せ苦悩しているような顔つきをしている。スィーン=ムバリット王にバービルムの現在の立場を理解させるために蜂起せよと、シャムシ=アダドに示唆され、その率直さに心惹かれ、蜂起を決意する。 アウェール=ニンスンナ シッパル知事副官。10代の女性。女性官吏は珍しいため、無用な面倒を避けるために男性のなりと偽名を使っているが、アウェール=ニンウルタが薄々気づいている以外は、女性であることは気づかれていない。アウェール=ニンウルタとは、他の部下から陰で「どちらがどちらなのかわからなくなる」と言われるほど姿形が似ている。
※この「バービルム」の解説は、「四方世界の王」の解説の一部です。
「バービルム」を含む「四方世界の王」の記事については、「四方世界の王」の概要を参照ください。
- バービルムのページへのリンク