ハーロックと40人の海賊たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 08:08 UTC 版)
「SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK」の記事における「ハーロックと40人の海賊たち」の解説
ハーロック 声 - 山寺宏一 マゾーンとの戦いで地球を救った大海賊。しかしマゾーン戦の一切については宇宙保安局の意図により徹底的に秘匿・改竄されている為に関係者以外でそのことについて知る者はいない。地球を離れた後に消息不明となっており世間では死亡説すら流れていた。 かつて命を救った台羽博士との「約束」を守るために「はきだめの星」を訪れた際に「ヌー」と名乗る4人の亡者と台羽正に遭遇。正の命を救い、「真の漢になりたければ、俺の艦に乗れ」と言い残しその場を立ち去る。また、来るべき「ヌー」との戦いに備え、元乗員達の下を訪れるなどの行動をとる一方、ある理由により作中では再び彼らと別れ最終決戦に臨む。 『宇宙海賊キャプテンハーロック』より後の話であるため、前作でミーメの話す通り「『親友』がいなくなってから滅多に笑わなくなり、心を閉ざしてしまった」という彼の普段の様子に相応しい空虚で荒涼とした彼の精神世界が描写される場面が作中にある一方、旧乗組員達との再開の時は少しばかり表情を緩める場面もたびたび存在する。また、非常に強靭な精神力の持ち主であり、恐怖で人を支配しようとする「ヌー」に対し、逆に「恐怖」を植え付けるほどの激しい怒りを胸の内に秘めている。 台羽正 声 - 関智一 「はきだめの星」に住む青年。しかし徹底した管理社会と偉大な父親に対する己の未熟さへの苛立ち、そして「はきだめの星」に住む、生きるための努力も夢も持たず過去の栄光に縋り続けている人々との関係に嫌悪感を抱いていた為に非常に荒れた生活を送っていた。 ある夜、「ヌー」と名乗る亡者の一団と殺害された父の亡骸を目の当たりにする。その際に「ヌー」の一人によって命を狙われるもハーロックによって救われる。そしてハーロックの下に「父の仇を討つために船に乗る」と言う覚悟をしてアルカディア号乗員となる。最初の頃は無鉄砲で自分の未熟さへの苛立ちから誰彼かまわず噛みつく危なげな性格かつ真の恐怖と言うものに出会ったことがない青さが目立っていたが、自身の行動によって有紀螢が負傷した際に自分の行動に責任を持つようになり、その後自分の失態の責任をとることで死の淵にあった螢を救い出した。 父である台羽博士の遺品整理の際に父のデータベースのある「大宇宙図書館」内で父の助手をしていた波野静香より、生前に父が研究していた古代文明の石版のデータを渡される。後にこのデータによってアルカディア号はヌーの対抗策や地球を元に戻す手段を得ることになる。 有紀螢 声 - 佐久間レイ アルカディア号のレーダー観測手であり非常に美しい容姿をした女性。地球でハーロックと別れた後にハーロック捜索と腐敗した社会への反抗として新たに自分を頭目とした宇宙海賊を結成し、自身が設計した「フローライト号」にて「最後の海賊」として宇宙保安局や特権階級の趣向品を積んだ輸送船等を襲撃していた。 ある時、部下共々保安局の罠に嵌められ、拘束されそのままハーロックをおびき出す餌として監獄惑星にて死刑執行を待つ身となるもハーロックと副長ヤッタランの行動により無事に脱獄に成功。再びアルカディア号乗員となる。 アルカディア号復員後は正の青さをからかう「大人」の女性としての立場で関わりを持っていたものの、ある時正の暴走により生じた彼の生命の危機に身を挺して彼を救うも自身は意識不明の重傷を負う。その後、意識のない体を「ヌー」の一人に利用されるもののハーロックの作戦と正の覚悟によって無事に体内に巣食うヌーを取り除かれ意識を取り戻す。その後は正を一人前の「漢」として見做す様になった。 死の淵にある頃、精神は体を離れ宇宙空間から消え去ったはずの地球にて後述する四博士に出会いこの事件の原因と告解を聞く。またその後「少女」と邂逅することでヌーの下に精神が堕ちることを食い止められていた。 ドクターゼロ 声 - 野沢那智 アルカディア号の船医で大の酒好き。愛猫のミーくんと共に地球でハーロックと別れた後は紆余曲折を経て「はきだめの星」と流れ着く。 流れ着いた「はきだめの星」ではBAR「あるかでぃあ」の経営者として自分同様に流れ着いた元宇宙船乗りの相手をしながらも、かつての栄光に縋り付く彼らと自身の境遇に苛立ちを感じていたところにハーロックと再開、再びアルカディア号船医として乗船する。 ミーメ 声 - 皆口裕子 アルコールを主食とする星の最後の1人であり、よくハープを爪弾いている。自身のことを「ハーロックに命を捧げた女」と述べており、どんな時でもアルカディア号やハーロックとの同行を許されている。アルコールを主食としていると言っても「酔う」ことはあるようでその際にはしゃっくりと共に体が金色に発光する。 非常に高い情報処理スキルを有し、アルカディア号の中枢大コンピュータと協力することで最重要機密であるはずのパノプティコン及び監獄惑星の設計図や秘匿映像のハッキングを行う場面がある。 ヤッタラン 声 - 龍田直樹 アルカディア号副長、小柄で肥満体の体型ゆえに保安局や一般民衆の多くの者から無能な男と見做されるものの監獄惑星に収容されていた時は牢名主として囚人たちの面倒を見ていた。脱獄の際、限られた手段しかない監獄惑星内で保安局側を手玉にとる、台羽博士の石版のデータよりヌーの用いる復元能力の秘密に気付き対策をとるなど数多くの功績を上げている。 本作においてもプラモデル作りが三度の飯よりも大好きであり、作戦の為に頭では理解していてもプラモが壊れていく様には涙を流す。 魔地機関長 声 - 茶風林 アルカディア号機関長。ミーメ曰く「アルカディア号の次元振動流体重力エンジンを誰よりも理解している」男であり、作中の描写においてエンジン出力のロスを著しく低下させる一方、艦の恒星間航行速度は上昇させているなどその手腕を十二分に発揮している。 ハーロックと別れた後はアルカディア号の食堂責任者であったマスさんと共に鉱山のある開拓星に住み、鉱山の現場監督をしていた。中でも「タケマツ」と言う名の若者をかわいがっており彼の成長を楽しみにしていた。 ある時、鉱山の奥より正体不明の鳴動現象が発生。怯えるタケマツの成長を願い調査に送り出すも坑道が崩落したため単身タケマツを救うべく鉱山に出向いていた所、地震と共に地中より遺跡が出現。その際に「ヌー」の一人に捕まりハーロックが来るまでの余興として正との殺し合い、そして地中より出現した怪物との決闘を強いられる。正と協力して怪物の相手をするものの、直後怪物の正体が自身が探していたタケマツであると知り戦意を喪失する。己の理性のほとんどを恐怖とヌーへの服従で塗りつぶされていたタケマツはその爪を魔地に向けるも駆けつけたハーロックによって気絶させられる。紆余曲折を経て「ヌー」を撃退した後、ハーロックよりタケマツを(怪物としてではなく人として)「救ってやれ」と諭される。その際に戦士の銃を手渡され、涙ながらに大切なタケマツを「救う」為に引き金を引く。 マス 声 - 鈴木れい子 アルカディア号の食堂管理責任者で、ハーロックや正をはじめ40人のアルカディア号乗員の食事を一手に賄う老婆。ハーロックと別れた後は魔地機関長と共に鉱山惑星に渡り食堂を経営していた。 魔地がタケマツ救助に赴いた際、自身に出来ることが何もないことから魔地の出立を見送った後はハーロックが訪れるまで自棄酒をしていた。 ドクターゼロの愛猫ミーくんとは日夜盗み食いの攻防戦をする関係である。 サブ、ヤス 声 - 江川央生、中嶋聡彦 サブ・ヤス共に有紀螢の下で「最後の海賊」として宇宙保安局に反抗していた宇宙海賊の男達、螢を「姉御」と慕う。フローライト号にいた時分よりアルカディア号の乗員になることを夢見ており螢と共に監獄惑星を脱獄した際に晴れてその願いは叶うことになる。航海中に両者共「ヌー」の精神攻撃により筆舌に尽くしがたい「恐怖」を与えられるものの、アルカディア号乗組員として、漢として見事克服する。正の失態で螢が負傷し生死の境を彷徨うことになった際には正を殴りつけはしたが、「それで遺恨の清算は済んだ」と正を労り、彼の成長を見守っていた。
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