ディラックの理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/18 07:38 UTC 版)
粒子がスピンを持っていると、そのプロパゲーターは一般的には、スピンや偏極のインデックスを持つように少し複雑となる。量子力学の中で電子を表すファインマン図形を使ったディラック場の運動量空間のプロパゲーターは、次の形となる。 S ~ F ( p ) = ( γ μ p μ + m ) p 2 − m 2 + i ϵ {\displaystyle {\tilde {S}}_{F}(p)={(\gamma ^{\mu }p_{\mu }+m) \over p^{2}-m^{2}+i\epsilon }} ここに γ μ {\displaystyle \gamma ^{\mu }} はディラック方程式の共変正を表すガンマ行列である。しばしば、ガンマ行列はファインマンのスラッシュ記号(英語版)を使い、次のように短く書かれる。 S ~ F ( p ) = 1 γ μ p μ − m + i ϵ = 1 p / − m + i ϵ . {\displaystyle {\tilde {S}}_{F}(p)={1 \over \gamma ^{\mu }p_{\mu }-m+i\epsilon }={1 \over p\!\!\!/-m+i\epsilon }.} 位置空間では、 S F ( x − y ) = ∫ d 4 p ( 2 π ) 4 e − i p ⋅ ( x − y ) ( γ μ p μ + m ) p 2 − m 2 + i ϵ = ( γ μ ( x − y ) μ | x − y | 5 + m | x − y | 3 ) J 1 ( m | x − y | ) . {\displaystyle S_{F}(x-y)=\int {{d^{4}p \over (2\pi )^{4}}\,e^{-ip\cdot (x-y)}}\,{(\gamma ^{\mu }p_{\mu }+m) \over p^{2}-m^{2}+i\epsilon }=\left({\gamma ^{\mu }(x-y)_{\mu } \over |x-y|^{5}}+{m \over |x-y|^{3}}\right)J_{1}(m|x-y|).} となる。 これは次の式でファインマンのプロパゲーターに関連付けられている。 S F ( x − y ) = ( i ∂ / + m ) G F ( x − y ) {\displaystyle S_{F}(x-y)=(i\partial \!\!\!/+m)G_{F}(x-y)} ここに ∂ / := γ μ ∂ μ {\displaystyle \partial \!\!\!/:=\gamma ^{\mu }\partial _{\mu }} である。
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