タンパク質複合体内の必須タンパク質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 17:54 UTC 版)
「タンパク質複合体」の記事における「タンパク質複合体内の必須タンパク質」の解説
いくつかの初期の研究では、必須性とタンパク質相互作用度の強い相関を示唆したが (「中心性-致死率」則)、その後の研究では、この相関が二種間(binary)または一時的相互作用 (例えば、酵母ツーハイブリッド法) では弱いことが示された。しかし、この相関は、安定した共複合体相互作用のネットワークに対しては強い。実際、不釣り合いな数の必須遺伝子(英語版)がタンパク質複合体に属している。これにより、必須性は個々の構成要素ではなく、分子機械 (すなわち複合体) の特性であるという結論に至った。Wangら (2009) は、より大きなタンパク質複合体ほど必須的である可能性が高く、なぜ必須遺伝子が高い共複合体相互作用度を持つ可能性が高いかを説明した。Ryanら (2013) は、複合体全体が「モジュール必須性」(英語: modular essentiality) として不可欠であるように見えるという観察に言及した。これらの著者らは、複合体はランダムな分布を示すのではなく、必須タンパク質または非必須タンパク質のいずれかで構成される傾向があることも示した (図参照)。ただし、これはオール・オア・ナッシングの現象ではなく、酵母複合体の約26% (105/401) のみが、必須または非必須のサブユニットのみから構成されているに過ぎない。 ヒトでは、タンパク質産物が同じ複合体に属する遺伝子は、同じ疾患の表現型をもたらす可能性が高くなる。
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