キティブーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 11:26 UTC 版)
ハローキティは、1977年頃に第一次ブームが、1985年頃に第二次ブームが起こっているが、その間に低迷期が到来している。 実際にキティの人気が最も低迷していたのは1970年代末頃のことである。1979年、二代目デザイナーの米窪節子の退社に伴い、新たなデザイナーに山口裕子が1980年に社内コンペで選ばれ、山口は全国各地でキティの絵を描くサイン会を開く、毎年柄を変える、季節により変える、グッズの対象年齢によってデザインを変えるなどのさまざまな工夫を凝らし、売り上げ上位を保持し続けた。 山口によれば、この時期のキティは人気低迷が著しく「めちゃくちゃ地味な存在だった」といい、後発のリトルツインスターズの人気に大きく差をつけられ、「(キキとララに対して)「誰、そのネコ?」みたいな感じだった」「何をしてもキキララと比較された」という。「キティをサンリオで最も売れるキャラクターに育て上げたい」という目標の元、山口は徹底した顧客リサーチを行うと共に、得られた意見に基づきデザイン修正を繰り返した。そして1983年の第一次テディベアブームに乗って描いた「テディベアを抱いたキティ」の絵のテディベアを、「キティのおともだち」という設定でキャラクター化し、1984年に「タイニーチャム」として独立展開させた。結果として、タイニーチャムは国内のみならずアジアやアメリカでも大ヒットし、それに伴ってキティの人気も急速に向上していったと述懐している。 1996年頃から、女子高生やOL・主婦などの間でハローキティブームが起こった。『プリント倶楽部』のハローキティ版が人気となり、サンリオが1995年頃から強化しはじめた高校生以上向けのキティ商品が相次いでヒットした。小泉今日子・華原朋美・神田うのといった芸能人がテレビや雑誌でキティ好きを公言したことでブームに火が付いたとされる。実際に1990年代後半頃、サンリオの収益の7割近くをハローキティのライセンシング・キャラクターグッズ売上が占めていたというデータもある。1997年、華原朋美の影響による効果をサンリオ社長が認める発言もしていた。ちなみにサンリオは当時、ブームになると後にすたれやすいという理由で、ブームを歓迎しなかった。このキティブームはサンリオの業績アップに大いに貢献した。 1999年9月、シンガポール国立博物館で開催された展示会において、ハローキティの人形が販売したところ、シンガポール国立博物館にはキティファンが殺到し、長蛇の列ができ、2000年にマクドナルドのシンガポール法人がミレニアムを記念してウエディングドレス姿のハローキティを販売したところ、キティファンが殺到する「ハローキティ騒動」が起きており、2013年6月27日、マクドナルドのシンガポール法人がハローキティの布製マスコット人形がおまけとしてついてくる「ハッピーミール」を販売したところ、マクドナルド各店舗前には、発売前日の26日夜からキティファンが店舗に殺到、開店直後にマスコット人形が完売してしまう店舗が出たため混乱が発生、行列に横入りする人が出たり、キティファン同士がもめて警察が呼ばれる騒ぎとなった。2014年4月23日、マクドナルドのシンガポール法人がハローキティの限定マスコットセットをインターネットで1セット=80シンガポールドル(約6500円)で先行販売したところ、ウェブサイトにキティファンのアクセスが殺到、販売開始から1時間20分でサーバーがダウンした。1999年の夏、ハローキティが台湾で大流行し、台湾のマクドナルド各店で「ハローキティ騒動」が勃発した。台湾のマクドナルド各店では、プロモーションのため、ハローキティ人形を、1ヶ月で計4タイプ、マックセットを注文した客には69ニュー台湾ドル、ハローキティ人形だけの場合には119ニュー台湾ドルで販売したところ、台湾のマクドナルド各店では開店前の夜中から長い行列ができ、最初の90分で20万体のハローキティ人形が売り切れるなど50万個用意したハローキティ人形は開店とほぼ同時に売り切れ、台湾のマクドナルド各店は販売を正午に変更するなどして対応したが、その後も毎週販売とほぼ同時に売り切れとなり、行列を待つ人の間での暴力事件も起きた。また、台湾の美術館のアウトレットでは、何千人もの人が並んでいるのに、ハローキティ人形が140体しかなく、大混乱に陥り、美術館はハローキティ人形の販売を中止した。ハローキティは、アジアでの人気が特に高く、香港のマクドナルド各店も1999年7月にハローキティ人形を販売したが、全部で250万個のハローキティ人形は3日で売り切れ、香港のイオンクレジットサービスは、9ヶ月で10万枚のハローキティのマスターカードを発行した。また、ハーモニーランドの1998年の外国人観光客の80%が香港人であり、1999年は70%が台湾人である。
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