マーキュリー7号
名称:マーキュリー7号/オーロラ7(Mercury 7 /Aurora 7)
小分類:マーキュリー計画
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1962年5月24日
帰還年月日:1962年5月24日
打ち上げロケット:アトラス−107D
宇宙飛行士:M・スコット・カーペンター
飛行時間:4時間56分
マーキュリー7号は地球周回飛行を行ない、軌道上を3周しました。飛行士のスコット・カーペンターは飛行中にたくさんの写真を撮影し、宇宙船から気球を放つなど、さまざまな科学プログラムをこなしました。
大気圏に再突入するとき、逆推進ロケットの点火が3秒遅れ、また姿勢制御にも失敗したため、マーキュリー7号は大西洋の予定されていた地点から約275kmもずれて着水しました。そのせいで無線のとどく範囲から外れてしまい、管制センターはマーキュリー7号の行方を見失いましたが、回収チームの航空機が宇宙船のラジオビーコンをキャッチして、スコット・カーペンターは無事に救出されました。
1.宇宙船はどんな形をして、どのような性能を持っているの?
マーキュリー宇宙船(オーロラ7)は円錐形のカプセルで、全長7.9m(非常脱出ロケットをふくむ)、底辺の直径1.9m、打ち上げ重量1.93t。チタン製の外殻でおおわれていました。
2.ロケットはどんな形をして、どのような性能を持っているの?
アトラス−107Dは、3基の主エンジンと2基の補助エンジン、逆推進ロケット6基がついていました。全長29m、直径3.1m、打ち上げ重量は118tです。
3.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
3基の主エンジンと2基の補助エンジンで打ち上げられ、発射後に主エンジンのうち2基が切り離されました。高度160km以上に達した時点で燃料がつきてエンジンが停止すると、3基の逆推進ロケットが噴射してマーキュリー宇宙船はブースターロケットから離れました。大気圏再突入のときには逆推進ロケットの残り3基が5秒間隔で発火して宇宙船の飛行速度を減速させました。
5.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
写真撮影や科学プログラムのチェックを行ないました。また偶然に船内の壁に頭をぶつけたことから「宇宙蛍」の正体をつきとめました。「宇宙蛍」とはマーキュリー6号のジョン・グレンが報告していたもので、宇宙船の周囲に現れてキラキラ光るものの群れです。スコット・カーペンターは「宇宙蛍」が宇宙船から発散される蒸気が宇宙空間で凍りついた霜や氷の微粒子であることを解き明かしました。
※参考文献:アラン・シェパード,ディーク・スレイトン著/ムーンショット(集英社)、竹内均・監修/Newton Collction II 宇宙開発(教育社)、松井孝典・著/宇宙誌(徳間書店)
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