エアバッグ特有のエネルギー吸収特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 03:43 UTC 版)
「エアバッグ」の記事における「エアバッグ特有のエネルギー吸収特性」の解説
ところで、上記のエネルギー吸収(以下EA:Energy Absorption)メカニズムは、エアバッグ内の圧力が充分高まった後にもたらされる作用で、移動体の接触直後には一定程度、空走が必要であることが知られている(右図赤線参照)。つまり、移動体がエアバッグに接触し、押し潰して容量が減少することにより、圧力が上昇するというプロセスが必要ということである。 これは同じくEAを目的とするショックアブソーバーと大きく異なる点で、ショックアブソーバーは「定型の容器」と内容物にはオイル等の非圧縮体を用いることが出来るので、荷重が加わると即時に内圧が高まり、最小限のストロークで抗力が立ち上がることが出来る。またその後一定の効力を保つことも容易で、効率的なEAとすることが可能である。 対してエアバッグは、形が定まっていない「不定形の袋体」と可圧縮体のガスを用いるので、接触初期には空走距離が構造的に必要で、ストロークの後半にやっと抗力が発生してEA効果を発揮することになるため、理想的なEAには程遠いものとなる。これは通常使用時に、コンパクトに収納できることとの相反で「エアバッグ」の宿命である(右図:エアバッグとショックアブソーバーのGS波形比較。面積がエネルギー)。
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