わいせつ性をめぐる司法上の判断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:25 UTC 版)
「ヨゼフィーネ・ムッツェンバッヒェル」の記事における「わいせつ性をめぐる司法上の判断」の解説
ドイツでは『ヨゼフィーネ・ムッツェンバッヒェル』はドイツ連邦青少年有害メディア審査会により青少年有害文書リストに登録されている。1978年にローヴォールト出版が、本の賛辞と俗語に関する注釈をつけて新訂版を発行したが、1982年に同書が有害指定されたため行政裁判所に提訴した。連邦行政裁判所が有害指定は合法であるとの判決を下すと、ローヴォールト出版は連邦憲法裁判所に提訴した。連邦憲法裁判所は1990年、いわゆる「ムッツェンバッヒェル判決 (BVerfGE 83,130)」により、審査会の決定はドイツ憲法第5条の芸術の自由に関する基本権についての審理を欠いているとして、これを無効とする判断を下した。 この判決を受け、審査会があらためて審理しなおした結果、『ヨゼフィーネ・ムッツェンバッヒェル』をふたたび青少年有害文書リストに登録した。ローヴォールト出版は再度提訴したが、ミュンスター高等行政裁判所は、『ヨゼフィーネ・ムッツェンバッヒェル』は児童ポルノであり、審査会の審議に対する不服を認めることはできず、決定に問題はないとする判断を示した。この判決に対し、ローヴォールト出版は連邦行政裁判所に上告したが、棄却された。その後2017年11月9日に、審査会は『ヨゼフィーネ・ムッツェンバッヒェル』を青少年有害文書リストから外した。
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