事前審査(じぜんしんさ)
内閣が国会に提出する政府提出法案は、事前に与党の政策担当者による審査を経て、了解を得たものだけが国会に提出されている。日本独自の政治的な慣行のひとつ。
憲法によると、国会に限らず内閣にも法案を提出できる権限がある。行政府である内閣が法案を出したとしても、議案を審議し法律を成立させるのは国会であるから、立法府としての国会の役割を果たせるわけだ。
しかし、政府提出法案については、事前に与党の了解を得ていなければならないという慣習が制度として出来上がっている。法的な根拠はないものの、与党が反対する法案を内閣が提出することができない仕組みだ。
過去に、内閣が国会に提出した法案をめぐって、与党の一部の反発により法案の審議に入れなかったことがある。そのため、各府省に対応して設置されている与党内の部会で、官僚を交えて政策をすり合わせておき、国会審議をスムーズにするシステムが完成した。
与党の事前審査システムによって、国会における実質的な審議が骨抜きにされるという批判がある。特に、特定の利益を代表する族議員の活動を支える場ともなっており、事前審査による弊害も目立つようになってきている。
(2001.11.21更新)
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