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夏休み突入記念! サイン本が当たる! 夏休みに読みたい本No.1『夏休みの空欄探し』フォロー&リポストキャンペーン
対照的な性格の二人の男子高生が、ある姉妹とともに、本に挟まれた暗号を解いていく謎解き青春ミステリー『夏休みの空欄探し』。 夏休みに入ったことを記念して、サイン本があたるフォロー&リポストキャンペーンを行います! あらすじ…
対照的な性格の二人の男子高生が、ある姉妹とともに、本に挟まれた暗号を解いていく謎解き青春ミステリー『夏休みの空欄探し』。 夏休みに入ったことを記念して、サイン本があたるフォロー&リポストキャンペーンを行います! あらすじ…
今更の話ではあるが、雨音あまねさんは姉馬鹿なところがあるというか、本人がいないところで妹の自慢をよくする。いわく「七輝ななきは記憶力がカバ並み(←ゾウの間違い?)だから」「七輝は虹色の脳細胞持ってるから(←灰色…
『夏休みの空欄探し』の文庫が、6月5日に発売となります。 本書は、高校生4人が本に挟まれた暗号の謎を解き明かしていく、青春×暗号ミステリーです。 文庫の発売を記念して、似鳥さんによる特別SSを公開いたします。 前半は…
1 カーテンを開けると、空は明るく晴れ渡っていた。オレは思わず「よっしゃ」と呟く。 今日は六月十三日。そろそろ梅雨入りという時期だから天気を心配していたのだが、これなら楽しく外出できるだろう。「おーい、エチカ…
プロローグ 三十年に一度と言われる大寒波は、滅多に雪が降らない九州南部の海岸線にも記録的な降雪をもたらした。 一夜明けてもまだ、湾の上空は分厚い雲に覆われている。 曇天を映した重油のような色の波が、のたりのたりと寄せ…
黒い夏のうたかた③ 五年前のひどく蒸し暑い七月、宇う佐さ見み椎しい奈なは中学二年生だった──。 「はじめまして。わたしは雪ゆき代しろ宗そう司じといいます」 子ども相手にもかかわらず、そのひとは丁寧な口調で話しかけてき…
こう来たか、と思わず膝を打った。 何がどう来たのかは後述するとして、まずは紹介を。 「緒方洪庵 浪華の事件帳」シリーズや「浪華疾風伝あかね」シリーズなど、大坂が舞台の時代小説を書き続けてきた築山桂。最新作の舞台は元…
築山桂といえば、NHK土時代劇の原作となった『緒方洪庵 浪華の事件帳』シリーズから、伝奇小説の快作『未来記の番人』まで、守備範囲の広い作家として知られている。 本書『近松よろず始末処』は、前者のように、歴史上の人物が…
第一幕 ブランコ乗りのサン=テグジュペリ 拍手は雨のようだった。 羽衣の薄さをした幕が割れると、スポットライトが身体に降り注いだ。伸縮性が高く薄い生地しかまとわない肌に感じたのは、刺すような熱だった。その一方で身体の…
一回りして、ものすごく本格的。 倉知淳『大雑把かつあやふやな怪盗の予告状 警察庁特殊例外事案専従捜査課事件ファイル』の特徴を言い表すには、そういう表現が最もふさわしいと思う。それにしてもなんという長い題名なんだ。 ぱっと…
プロローグ 運命の出会いは、時に驚くようなあじわいがあるものだ。 たとえるなら……唐突に渡されたホカホカの肉まんのように。 * 雨の夕暮れ。 倉庫整理のアルバイトを終えた俺は、トボトボと中華街を歩いていた。 その日…
* とりあえず別荘内に戻った。 紅林刑事と二人、階段をどんどん降りる。 茫然としてばかりはいられない。白瀬くんを冤罪から救わなくてはならないのだ。 このままでは熊谷警部達が、寄ってたかって白瀬くんを犯人…
* リビングから一階分上がった地下一階。その中央の部屋が目指す部屋だった。 ドアをノックすると、入り口を細く開けて顔を出したのは熊谷警部だった。捜査責任者の、堂々たる恰幅の刑事である。 熊谷警…
龍神湖には龍神様がおわします 龍神様は水と天候を司る神様です ある日、龍神様が云いました 「人間の姫君を贄として差し出せ」 その命令にお殿様は大いに腹を立て 「神と雖いえども我が娘を人身供儀じんしんくぎにせよとは…
* 「ところで、もう六時半を回ったね。親父、腹は減らないかい」 鷹志がそう云い、大浜社長もうなずき、 「うむ、そう云われれば時分時じぶんどきだな」 三戸部刑事がそれを聞き咎めて、 「社長、飲食物はどうか…
* 午後三時を回った。 いよいよ怪盗の予告タイムに突入した。 鷹志が気を利かせて置き時計を持ってきた。それを金庫の上に置いた。アナログ式の四角い時計だ。クリーム色でプラスチック製の安っぽい物で、…
『大浜富士太殿 貴殿の所有するブルーサファイアを頂きに参上する 怪盗 石川五右衛門之助 尚、期日は次のうちいずれかとする 7月14(水)15:00~20:00 7月21…
* 再び、リビングルームである。 今度は警察側の人数が多い。名和警部が二人の刑事を従えている。事件解決に備えての増員なのか、やけにがっしりした強面の二人である。 木島達がリビングに入って行くと、関係者の…
* 庭へ出た。 刑事達に依頼した枝切り作業が終わったらしい。 相変わらずのいい陽気で、殺人事件や身内同士の醜い罵り合いが嘘みたいだ。のどかな太陽は、さっきより少し傾いている。 早速、館の南側の外壁に向…
* 再び屋敷に入る。 スリッパに履き替え、名和警部の案内で木の廊下を奥へと進んだ。 書斎の隣の応接室の前を通過し、その奥がリビングルームである。さらにダイニングルーム、厨房へと続いてい…
死体は机に突っ伏していた。 椅子に座った姿勢で、そのまま机の上に倒れ込んでいる。 右手には拳銃。オートマティック式の無骨な銃である。 死体の右の側頭部には銃弾を撃ち込まれた跡があり、血塗れの穴が空いている。多…
深い呼吸がなによりも大事だ。手も、足も、指先までしっかりと意識を集中させる。全身で呼吸をする。目の前の相手を見据える。 普段は生意気な瞬しゅんも、組手のときはいつだって真剣だ。猫を思わせる目は、睨にらむような鋭さでオ…