SPECIAL INTERVIEW 岡田奎樹さん – 早稲田大学

SPECIAL INTERVIEW 岡田奎樹さん

岡田奎樹さん

KEIJU OKADA

仲間と一緒に打ち込んだ日々が、自分を成長させた

パリ2024オリンピック、8月8日のマルセイユ・マリーナ。セーリング混合470級の最終レースで、日本チームが銀メダルを獲得した。スキッパーとしてヨットの舵を取ったのは、本学スポーツ科学部の卒業生・岡田奎樹選手だ。日本勢がセーリングでメダルを獲得するのは、20年ぶりの快挙となる。

混合470級のメダルレースで艇を操る岡田奎樹選手(手前)と吉岡美帆選手組(共同通信)

「3位で臨んだ最終レース。『ベストを尽くそう』と決め、自分らしく風を捉えられたことが、追い上げにつながりました。ペアとして自分を信じてくれた吉岡美帆選手には、感謝の気持ちでいっぱいです。ただし目標は金メダルだったので、悔しい思いも残りました」

波の形状を見ながら、風向きや風速を予測し、ヨットを進めるセーリングは、極めて繊細な競技だ。5歳の時に地元・九州で競技を始めた岡田選手は、自然の中で洞察力を養っていった。

「父の影響でセーリングを始め、最初は競技として意識していませんでした。別府湾を流れる風を受けて進み、海上から美しい高崎山を眺めるのが好きで、自然と戯れることを楽しんでいたんです」

小学校3年生で出場した全日本OP級選手権大会では、年上の選手を抑えて優勝。中学・高校でもトップクラスの戦績を残し、徐々に頭角を現していった岡田選手。早稲田大学に入学したのは、ヨット部のOB・原田龍之介選手への敬意があったからだ。

「ロンドンオリンピックに出場した原田さんが、卒業後も部を出入りしていると聞き、入部を志しました。集団行動が重視されたヨット部では、コミュニケーションやチームビルディングの面において、成長できたと感じます」

メダル獲得を目指し初めて臨んだ東京2020オリンピックでは、悔しい思いも経験した。7位(男子470級)という結果を、岡田選手は「経験不足」と受け止め、さらなる飛躍につなげていった。

「初出場にコロナ禍が重なり、コンディションを調整できなかったのは、経験不足以外の何ものでもありません。以後3年間、船や風の勉強、道具の調整、ペア間の連携強化を重ね、パリでは、開幕の時点でメダル獲得を確信していました」

激闘を終えた岡田選手は現在、所属会社のある東北地方で幼稚園を訪問するなど、地域貢献活動にも携わっている。

「故郷の福岡で子どもたちにセーリングを教える予定もあり、今から楽しみです。セーリングに限らず、屋外で遊ぶことを好きになって、体や感性を育んでほしいですね。自然の恵みや人と関わる素晴らしさは、若い自分を成長させてくれました。早稲田の後輩たちもぜひ、仲間と一緒に全力で何かに打ち込んでほしいです」

混合470級で銀メダルを獲得し笑顔の岡田奎樹選手(左)、吉岡美帆選手組(共同通信)

PROFILE

1995年福岡県生まれ。5歳からセーリング競技を始める。2018年早稲田大学スポーツ科学部卒業。在学中はヨット部に所属。2021年東京2020オリンピックでは外薗潤平選手と組んだ男子470級で7位。2023年世界選手権混合470級優勝、杭州アジア大会混合470級金メダル。2024年パリ2024オリンピックでは吉岡美帆選手とのペアで470級銀メダル獲得。トヨタ自動車東日本株式会社所属。

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