総合知による3つのGlobal推進戦略で日本社会の変革を牽引
早稲田大学創立150周年に向けて
【ポイント】
- 早稲田大学は、創立150周年を迎える2032年以降を見据えた150周年記念事業を推進し、2050年までに早稲田大学を「世界人類に貢献する大学」に進化させ、日本社会の変革を牽引します。
- 創立者大隈重信の「建学の精神」に立ち返り、Global Research推進・Global Education推進・Global Citizenship推進を記念事業の中心に据えて、総合知による人類への貢献を果たします。
- 150周年記念事業推進委員会では、委員長の中田誠司氏(株式会社大和証券グループ本社 取締役会長)を中心に、150周年事業への共感や積極的な事業の発信を行います。
早稲田大学創立150周年となる2032年は、その先の2050年までに早稲田大学が「世界人類に貢献する大学」となるための大きな節目となります。2050年のあるべき姿に向かうため、総合知による研究・教育・貢献推進活動を通じて、日本社会の変革を牽引する150周年記念事業を推進します。
早稲田大学の創立150周年記念事業の概要
創立150周年記念事業では、創立者大隈重信が唱えた「一身一家一国の為のみならず、進んで世界に貢献する抱負が無ければならぬ」の理念のもと、「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」の建学の精神に改めて立ち返ります。「研究の早稲田」「教育の早稲田」「貢献の早稲田」の3つの柱を掲げ、図1の通り「Global Research推進事業」「Global Education推進事業」「Global Citizenship推進事業」を展開します。総合知による人類への貢献を通じて、人類と自然の共生を図り人類が直面する課題の解決策を指し示し、日本が世界の中で意義を持つ存在となるよう日本を牽引します。
世界人類への貢献に寄与するために計画・実行中のプロジェクトの一例
科学技術による被災地・被災者支援研究プロジェクト
被災地・被災者支援に関する現場のニーズや取り組みを掴み、研究に反映させ、日頃の活動成果を研究と人材育成(教育)の場に共有します。例えば、ロボットやAIの開発技術、ボランティアセンターの被災地支援の知見、文理融合の医理工連携による救急救命を発展的に組み合わせることで、災害時にいち早く必要なリソースを必要な場所へ提供します。
平和の科学的研究と社会実装プロジェクト
実証・実行型の平和科学の研究プロジェクトとして、過去の200年以上の戦争や紛争に関するビッグデータをAIで解析し、科学的エビデンスに基づきその原因を特定します。そして、その実証データをもとに未然に戦争・紛争を防ぐための政策提言を行います。
カーボンニュートラル社会研究プロジェクト
地球の気候変動を止めるために必須のCO2排出を最小限にし、再生エネルギーの効果的効率的利用を実現します。ゼロカーボンエネルギー、気候変動科学、人間社会の変革など、日本社会・地球社会全体を変革する文理融合の研究を推進し、国際的に貢献する人材の育成を行います。
記念事業を支える取り組み
「Global Research」「Global Education」「Global Citizenship」の推進事業は、以下の横断的な取り組みにより支えられます。
グローバルエンゲージメントの強化
世界に開かれ、自由に出入りが可能な国際的インターフェイスを持つ大学となるため、学部生の全員留学の実現、海外の優秀な研究者との共同研究の支援強化、国内外の企業との産学連携の仕組みの強化、ベンチマーク大学との緊密な連携など、国際頭脳循環を促進します。今後も積極的に世界中の各分野の優れた研究者を招き国際共同研究を推進し、さらなる教員構成の国際化を見据え、全学部・研究科において国際公募を実施します。
また、学外の有識者から国際的競争力のある大学になるための助言を得るために、戦略方針委員会(Strategic Policy Committee)を立ち上げます。
新・教育研究環境の整備
まちと融合した大学を目指し、早稲田キャンパスE棟(仮)建設、西早稲田キャンパス52・53・54・59号館建て替え、早稲田大学高等学院第III期工事などを進め、教育・研究環境を拡充します。
記念事業の普及活動
現在の早稲田大学の姿と取り組み、またその未来の姿をご理解いただくため、2025年10月に、これまで積極的に本学を応援いただいている校友や経済界などで活躍する卒業生等で構成される150周年記念事業推進委員会を発足します。
中田 誠司氏 挨拶
150周年記念事業を通してぜひ実現したいことがあります。それは、この早稲田大学で成長した卒業生同士が、地域や年代を超えて「つながる」ことです。いかに素晴らしい人材が輩出されたとしても、素晴らしい技術が生み出されたとしても、有機的に繋がれなければ真価は発揮されません。そして有機的に繋がることができたなら、想像を超える価値がある化学変化を起こせるでしょう。
ぜひ、卒業生たちが早稲田大学の取り組みを知り、そしてどのような形でも関わり、誇りに思っていただきたいと思います。現在、田中総長と共に、これらの核となる推進委員会の構成について検討を進めておりますので、確定次第あらためてご紹介させていただきます。
早稲田大学の150周年記念事業は、単なる過去の栄光を祝うものではありません。むしろ、世界中の卒業生一人ひとりの叡智を結集して現代の社会課題に取り組むための、新たなネットワークと機会を創出するものと考えています。
どうか、皆さまお一人おひとりのご支援とご参加をお願い申し上げます。皆さまと共に、新たな時代を切り拓くことを心から楽しみにしております。