~韓国から早稲田へ~開発経済学の研究で途上国の経済発展に貢献したい – 早稲田ウィークリー

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~韓国から早稲田へ~開発経済学の研究で途上国の経済発展に貢献したい

現地に足を運ぶことで、教室の中だけでは分からない問題に気付けた

政治経済学部 4年 張 瑞娟(チャン・ソヨン)

2022年9月、江ノ島旅行で

韓国で生まれ育ち、高校入学まで平仮名すら分からなかった私は現在、早稲田大学政治経済学部で勉強しています。

日本への留学を決心したきっかけは、韓国の高校2年生の時。日本から来た交換留学生たちと出会ったことです。日本のヨーヨー釣りやかるた、すごろくのような韓国の遊び「ユンノリ」などを一緒にすることで互いの国の文化を経験しました。

また、交換留学生が数学の問題を解くときに、自分とは違う視点でアプローチするところを見て「自分の視野が狭かった」と感じたことから、海外に出て視野を広げ、複雑な問題をさまざまな視点から考えられる人になりたいと思いました。

中でも環境問題に関心があり、将来は経済的なメカニズムを基に世界の環境問題を解決できる経済政策を策定することで社会貢献したいと考え、政治経済学部に入学しました。

しかし、夢見た日本での留学生活は簡単に実現できませんでした。新型コロナウイルス感染症の影響により日本に入国できなかったため、授業は全て韓国でオンラインで受け、同じ学部の友達とはオンライン上でしか会えず、すごく悲しくてつらい1年間を過ごしました。2年生でようやく日本に入国することができ、早稲田大学国際学生寮(以下、WISH)で生活しながら積極的に友達を作っていきました。WISHでは、世界中から集まった留学生と一緒に生活しながら、授業でのつながりだけでは得られない深い関係性を築いています。

写真左:WISHでは2023年3月頃からレジデント・アシスタント(以下、RA)として活動し、寮内のイベント企画や留学生の生活のサポートに携わっています。2023年5月、RAの仲間と東京ディズニーシーへ行ったときの一枚
写真右:仲間以上で、家族のような存在のRAのみんなと。WISHにて(2024年2月)

2022年3月、隣部屋の友人と韓国の伝統衣装「ハンボク」を着て、ソウル観光をしました

特に、隣部屋の韓国語を学びたい日本人の友人とは、韓国や日本の料理を一緒に作って食べながら韓国語と日本語でおしゃべりをしていました。また、テストが終わった日には韓国の映画を日本語字幕で見たり、日本の映画を韓国語字幕で見たりしながら分からない単語を教え合い、夏休みにはお互いの実家にホームステイをするぐらい仲良くなりました。

その他、ルームメイトの韓国語の授業の課題を手伝ったり、私が日本語で書いたレポートを見てもらったり、切磋琢磨しながら語学力を高めています。

4年生になった現在、開発経済学の高橋遼先生(政治経済学術院准教授)のゼミで途上国の貧困削減や経済成長について勉強しています。2024年の夏休みには、途上国の健康分野におけるジェンダーギャップの原因をテーマとする卒業論文を書くため、カンボジアを訪問しました。現地に住む先生のご友人にご協力いただき、約400世帯を対象に、鉄分サプリメントの普及に焦点を当ててランダム比較実験を行い、いくらであれば購入するか、支払意思額を聞きました。今後、実験データを用いて計量分析を行う予定です。

また、論文や授業で得た内容以上のことも学ぶことができました。例えば、「学校の出席率」では、先行文献による情報だけではなく、実際に自分の目で見て確かめることの重要性に気付きました。先進国と比べ途上国の学校の出席率が低いことは授業で見たデータから分かっていましたが、その原因までは考えていませんでした。現地の人に聞くと、学費が無料であったとしても、貧困層の家庭は子どもを親と一緒に農業や漁業に従事させてお金を稼ぐ方が教育よりも優先されるというのです。今までは学校の出席率を上げることに焦点を当てて考えていましたが、そもそもなぜ学校に行かないのか、行けないのかを現地の人々の観点から考えることが重要だと感じました。

このように、現地に足を運ぶことで、大学の教室の中だけでは分からない問題に気付けたことは非常に有意義な経験となりました。将来、このような経験を生かして途上国の経済発展や社会問題の解決に貢献できる人になりたいと、改めて考える機会になったと思います。

2024年8月、ゼミでカンボジアでの非政府組織(NGO/AAR Japan)を訪問し、職員の方からリアルな現場の話を聞きました(筆者は前列左端)

~日本に来て驚いたこと~

韓国は厳しい競争社会のためか、相手のことを褒めるのが苦手な人が多いと思います。しかし、日本に来てから、お互いの多様性を受け入れながら褒め合う文化に大きく感動しました。例えば、久しぶりに会った日本の友人と話したら、「ソヨン、日本語上手になったね!」とか、ゼミやRAでチームワークをするとき、留学生である私のアイデアや視点が面白いと褒めてくれます。また、留学生にも関わらず日本のことに詳しくて話しやすいとも、よく言ってくれます。

今日も周りの心からの温かい言葉に支えてもらっています。

2022年6月、友人と海へ行ったときの一枚

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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