パンデミックの苦難を経ていよいよ“完全復活”。早稲田祭を存分に楽しもう!
11月4日(土)、5日(日)に開催を迎える「早稲田祭2023」。新型コロナウイルス感染症拡大以降、さまざまな制限の中で歴史を紡いできましたが、今年は4年ぶりに制限のない“完全復活”の形での早稲田祭となります。その開催に向けて日々尽力しているのが、約650人の早大生で構成される早稲田祭運営スタッフです。開催にかける思い、注目の企画やキャンパスの上手な巡り方といった“攻略法”を、「早稲田祭2023」運営スタッフの代表と広報担当の二人に聞きました。
「早稲田祭2023」運営スタッフ
代表 政治経済学部 3年 佐溝 眞行(さみぞ・まさゆき)
広報制作局 政治経済学部 3年 佐藤 知穂(さとう・ちほ)
“完全復活”の早稲田祭へ。未知の苦労を乗り越えて
――4年ぶりの「制限のない早稲田祭」。完全復活に向け、特に大変だったことは?
佐溝:やはり、現役の運営スタッフに「完全対面の早稲田祭」を経験した人間がいないことです。もちろん、引き継ぎ資料や写真を見る、先輩方に聞くなど、可能な限りの情報収集をして計画を進めています。ただ、想像だけではどうにもできない部分も多く、「当日はどうなるんだ!?」といった心配事は正直あります。
それでも、参加団体の皆さんには全力のパフォーマンスをしていただきたいですし、来場者の方が目いっぱい楽しめるような早稲田祭を目指すことには変わりません。
むしろ、パンデミックの最中の早稲田祭でもさまざまな未知の苦労がありました。2020年は「完全オンライン開催」、2021年はキャンパスでの開催を一部復活し、オンライン配信も併用した「ハイブリッド開催」、2022年が「完全チケット制でのキャンパス開催」と形を変えながらも、それは決して後退したわけではなく、さまざまな挑戦を続けてきた3年間でした。そこで培われた“新しい早稲田祭の形”を目指すことも強く意識しています。
写真左:佐溝さんが選んだ、2020年の早稲田祭を象徴する一枚。舞台パフォーマンスをオンラインで配信している様子
写真右:2021年を象徴する写真。ハイブリッド開催ではあるものの、人はまばら
――“新しい早稲田祭”として、昨年との違いや特徴は何でしょうか?
佐藤:大きくは、対面で楽しめる企画・施策が増えたことです。飲食屋台の数が昨年の17店から約85店、企画数も300から約450と大幅に増加。また、ステージ発表では来場者の声出し応援を解禁した点も今年の大きな特徴です。
多種多様な企画を巡りつつ、さまざまな早稲田文化を楽しんでほしいですし、早大生が出店する飲食屋台や、地域の飲食店とのコラボメニューなども充実しています。ここでしか楽しめない・味わえないものも対面ならではの魅力だと思っています。
佐溝:対面企画を重視していますが、一方で、去年までのオンライン配信の方が参加しやすい、という方もいらっしゃると思います。そこで、大隈記念講堂前ステージと戸山キャンパスのカフェテリア前ステージに関してはライブ配信でも展開します。また、当日の雰囲気を伝えるような動画も早稲田祭公式YouTubeチャンネルに投稿しますので、遠方の方や校友(卒業生)の方など、どうしても来場できない早稲田ファンの皆さんにも楽しんでいただけるものを目指しています。
来場見込みは20万人。“学園祭”の枠を超え、“早稲田地域の祭”へ
――約85店の出店に、約450の企画。まさに、日本最大規模の学園祭です。だからこそ、どう回ればいいのか迷う人も多いと思います。上手に回るポイントは?
佐藤:ここでは3つのポイントを紹介させてください。一つ目は、早稲田キャンパスと戸山キャンパスにあるインフォメーションで無料のガチャガチャを回せる企画です。ガチャガチャの中身はさまざまなお勧め企画を紹介していますので、その偶然の出合いをきっかけに、「行ってみたい」「面白そうだな」と思ってもらえる仕掛けになっています。
二つ目に、来場者全員にお渡しする「公式パンフレット」。早稲田祭の各キャンパスの歩き方、全企画の情報が網羅されていますので、来場時のお供にしていただけるとうれしいです。
三つ目に、ターゲットを絞った企画も用意しています。例えば、受験生向けには模擬授業を実際に体験できる「早稲田一受けたい授業」を実施。また、校友の皆さまには憩いの場所としてのサロンを用意したり、早稲田の地域の皆さまや初めて来校する方に向けて、運営スタッフと早稲田祭を一緒に巡るようなツアーも企画したりしています。自分の属性、自分にマッチした企画を見つけて回るのも楽しいと思います。
――早稲田祭運営スタッフでもさまざまな企画を用意していると聞きました。中でも、注目企画といえば?
佐藤:まずは「WASEDA PARADE 2023」。“早稲田大学の学園祭”という枠を超え、“早稲田地域の祭”として、街を巻き込んだパフォーマンスなども楽しめる対面ならではの企画で、応援部なども参加し、早稲田の街を練り歩きます。
二つめは、「エコキャンドル企画」(※)です。地域の飲食店や飲食屋台で出た廃油を用いて来場者の皆さんにキャンドルを作っていただき、最後に展示するSDGs関連企画です。実際に自分の手で作ったものが発表されるという点が、シンプルに楽しいと思いますので、ぜひ体験していただきたいです。
(※)エコキャンドル企画の詳細
【場所】早稲田キャンパス 8号館313教室
【時間】製作日時:11/4(土)10:30〜14:00、11/5(日)10:30〜14:00 展示日時:11/4(土)16:30〜17:30、11/5(日)16:30〜17:30
【参加方法】予約不要
写真右:「WASEDA PARADE 2022」の様子
写真左:早稲田祭2023を楽しむための必須アイテム「公式パンフレット」
――ちなみに、来場者数の見込みは? また、来場にあたり注意点があれば教えてください。
佐溝:昨年は6万人分のチケットを用意し、かなり早い段階で定員数に到達。早稲田祭を楽しみに待っている方がいかに多いかを実感できました。その意味で、一つの目安はコロナ以前の「早稲田祭2019」で記録した、2日間開催で延べ20万人動員、という数字です。
ただ、夏に各地で開催された花火大会でも、数年ぶりの復活ということで「久しぶりに行ってみよう」という人で溢(あふ)れかえる様子がニュースになっていました。お祭りに限らず、今年の早稲田のオープンキャンパス来場者数は、過去最多だったそうです。
もちろん、来場者が多いのは楽しいし、うれしいこと。ただ、その中で起きる事態も多岐にわたります。バリアフリーに関しての取り組みや来場者のための休憩所の設置、動線管理や誘導、非常時の対応など、皆さんが安全に快適に早稲田祭を楽しめるように準備を進めています。来場される皆さんも、東京メトロ早稲田駅は混雑が予想されますので、高田馬場駅や都電荒川線の早稲田駅もご利用いただければ、混雑を回避しながら早稲田祭に来場することができると思います。また、他の学園祭ではあまり見られない取り組みとして、来場される方の荷物をお預かりするクロークも用意しましたので、是非ご利用ください。
「これが今の早稲田です」と誇れる早稲田祭に
――今年のキャッチコピー『ユメヒビケ』に込めた思いを教えてください。
佐溝:キャッチコピーを作る前に、私たち早稲田祭実行委員ではその年のテーマを作成します。今年のテーマは「夢が咲く 明日に芽吹く。」。早稲田はサークル活動が活発だったり、熱心に何かに打ち込んでいる人、自分のやりたいことを追い続けている人が多い。多様性という面では日本で1番のレベルだと思うんです。
その“追い続けるもの”を「夢」という言葉で表現し、一つの成果発表の場としての早稲田祭になってほしい。早大生一人一人の夢が早稲田祭で花開き、来場された方々の心に響くものになってほしい。そんな意味を込めて『ユメヒビケ』というキャッチコピーにしました。
そのキャッチコピーの下、意識しているのは“今の早稲田”を見てもらうこと。大学創設以来変わらぬ“早稲田らしさ”と、パンデミックの3年間を乗り越えて変わったこと。それらを融合して「これが今の早稲田です」と誇れる「早稲田祭2023」であることを意識しています。
――“変わらぬ早稲田らしさ”とは?
佐溝:実は私の父親も早稲田大学の出身で、小さい頃から学生時代のエピソードを聞いていました。結局、大事なのは「早稲田が好きで、早稲田に誇りを持っていること」。その早稲田好き同士がつながり、校友ともつながっていく。そこに“早稲田らしさ”がつまっていると思います。
つながり、という意味では「街とのつながり」もありますよね。商店街が大学の周りに7つもある。これってすごいことだと思うんです。商店街との連携も私たち運営スタッフの大切な役目ですが、そのやり取りの中ではよく「街と大学がこんなにも一体になった学園祭は他にない」という話をいただきます。それもまた、一つの“早稲田らしさ”なんだと思います。
――では、この3年を乗り越えた“今の早稲田らしさ”とは?
佐溝:「文化は人が担うもの」…これは、私が入学した当時の早稲田祭運営スタッフ代表の言葉ですが、学生一人一人が“今の早稲田を体現する存在”なんだと思っています。この3年間を経て、さまざまな経験を積んだ学生たちで作り上げる“今の早稲田文化”の景色を体感し、楽しんでいただければ何よりです。
「早稲田祭2023」概要
日時:2023年11月4日(土)、5日(日)10:00~17:00
場所:早稲田大学 早稲田キャンパス、戸山キャンパス、周辺地域
◆公式Webサイト:早稲田祭2023 (wasedasai.net)
◆公式X(旧Twitter):@wasedasai
◆公式Instagram:@wasedasai
◆公式YouTube:Wasedasaiofficial
◆公式TikTok:@wasedasai
◆公式マスコットキャラクター「わせだサイくん」公式X(旧Twitter):@wasedasai_kun
また、早稲田祭開催に先立ち、カウントダウンイベントと前夜祭が開催されます。
【カウントダウンイベント】
◆10/30(月)12:20~13:00(戸山キャンパス 戸山の丘)
◆10/31(火)12:20~13:00(早稲田キャンパス 11-14号館の間)
◆11/1(水)12:20~13:00(早稲田キャンパス 3号館前)
◆11/2(木)12:20~13:00(早稲田キャンパス 大隈記念講堂前)
【前夜祭】
◆11/3(金)17:30~19:00(早稲田キャンパス大隈記念講堂)
取材・文:オグマナオト(2002年、第二文学部卒業)
撮影:布川 航太
早稲田祭だけが学祭じゃない! 科学の学園祭「理工展」に足を運ぼう
早稲田祭と同じ日程(11月4日、5日)に西早稲田キャンパスで開催される、理工3学部による学園祭「第70回理工展」も見逃せません。理工展連絡会代表に今年の見どころと意気込みを聞きました。
理工展連絡会 代表 先進理工学部 3年 額田 真統(ぬかた・まなと)
第70回理工展は対面開催を主軸として、研究発表や講演会から来場者参加型の実験体験企画まで幅広い企画を用意し、科学が持ついろいろな側面を皆さまに見て、感じて、 楽しんでいただけることを目指しています。また、オンラインでも理工展を楽しんでいただけるように、Webサイトやアプリといったコンテンツも取りそろえています。
中でも理工展の企画でお勧めなのは、教育系You Tuberヨビノリたくみさんを招いての講演会。理学や工学の魅力や奥深さについて、ご自身の半生を振り返りながらお話いただきます。将来に悩んでいたり、勉強のモチベーションを上げたい早大生は是非いらしてください。
今年の理工展のテーマ「Spark」は「火花」や「一瞬の輝き」を表す英単語で、「活気、元気」「きっかけ」などの意味もあります。理工展に関わる全ての人々が輝き、活気あふれる一瞬の特別な日となり、理工展が新しい発見やアイデアのきっかけとなるよう、さまざまな方の協力とともに理工展連絡会で一丸となって作り上げました! 早稲田祭で味わえない楽しさを堪能してもらえたらうれしいです。
「第70回理工展」概要
日時:2023年11月4日(土)10:00~17:00、5日(日)10:00~16:00
場所:早稲田大学 西早稲田キャンパス
◆公式Webサイト:https://rikoten.com/
◆公式X(旧Twitter):@rikoten_waseda
◆公式Instagram:@waseda_rikoten
◆公式YouTube:早稲田大学理工展公式アカウント
◆矢口くん公式X(旧Twitter):@RikotenYaguchi
◆矢口つむぎ公式X(旧Twitter):@waseda_tsumugi
◆「バーチャル理工展」、理工展パンフレットアプリ「アプリコ」のダウンロードはこちら
【次回フォーカス予告】11月6日(月)公開「カーボンニュートラル特集」