「熱意を持って挑戦する」を、実践できる人にぜひ来てほしい
就職活動において、採用側はどのような人材を求め、学生のどこに注目しているのか? また、実際に入社した人は、会社に対してどのような感想を抱いているのか? 多くの学生が気になるところでしょう。そこで今回は、早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)が「NEC(日本電気株式会社)」の人事採用担当者と若手社員に、就職に関する疑問を伺いました。
大手電機メーカーの一つであるNECは、ネットワーク技術を生かしてさまざまな事業を展開しており、早大生の就職先として根強い人気を誇ります。SJC学生スタッフの田邊紗彩さん(文化構想学部2年)は、NECの働きやすさや求める人物像を知り、今後の就職活動で大切なのは自分の強みを把握することだと感じたようです。
NEC(日本電気株式会社)
人材組織開発部(採用グループ) 主任
星野 理恵(ほしの・りえ)さん
第一リテールソリューション統括部 第一インテグレーショングループ
柳田 理沙(やなぎだ・りさ)さん(2020年文化構想学部卒業)
働きやすさ抜群の、一人一人が挑戦しやすい環境です
田邊:「NEC」という社名は多くの早大生が日常的に耳にしていると思いますが、御社の事業内容をあらためて教えてください。
星野さん:企業説明会などでNECについて紹介する際、3つの特徴についてお伝えしています。1つ目は「海底から宇宙まで」。例えば、皆さんがよくご覧になるYouTubeなどの動画サービスや、海外とのデータ通信に欠かせない海底ケーブル事業から、「はやぶさ」など人工衛星に関わる衛星事業まで、事業領域が非常に広い点が特徴の一つです。
もっとも、事業領域が広い“だけ”では強みとは言い切れません。そこで鍵になるのが、2つ目の特徴「世界No.1の技術、オンリーワンの技術」を数多く持っていること。NECは技術に裏付けされた上での幅広い事業領域を展開しているんです。
3つ目は「挑戦する社風」です。NECには120年以上の歴史があり、“古くてお堅い会社”というイメージもあるかもしれません。でも実際は、歴史ある会社でありながらベンチャー気質もあり、挑戦する人を応援する風土があります。
また、多様性を重視していて、新卒採用でも文系・理系関係なく全職種チャレンジできる「ジョブマッチング採用」を取り入れています。さまざまな人が混じり合うことで起きる化学反応を大切にする、そんな会社です。
田邊:御社はワークライフバランスを取りやすいと聞いたことがあります。会社全体で具体的に取り組んでいることはありますか?
星野さん:時間、場所、服装の3つの点で自由に働ける会社を目指しています。まずは「時間」。NECではコアタイムのない「スーパーフレックス制」を採用しています。最低限9時〜15時は必ず勤務する、といったルールもありませんので、子どもの送迎がある、朝型が働きやすいなど、一人一人のライフスタイルに合わせた働き方ができます。
2つ目は「場所」です。NECは基本的にテレワーク環境で業務に当たることができます。各地にサテライトオフィスを用意していますので、家だと家族がいて会議がしにくいなど、それぞれの都合に合わせてテレワーク環境を選ぶことが可能です。
そして、自分が働きやすい服装で働くのが一番という考え方で、ドレスコードフリーを採用しています。
NEC本社内には、コワーキングスペース「BASE」や社員食堂として使用できる共創空間「FIELD」などがあり、快適に働きやすい環境が整備されている
テレワークには、ONとOFFの切り替えがうまくいかず残業が多くなったり、チーム内でコミュニケーションが取りづらいといった弊害もあります。その点でも、NECでは「時間」「場所」「服装」の3つの自由を徹底することでこれらの弊害を防ぎ、働きやすい会社を目指しています。もちろん、社員からの反響も良好です!
また、入社直後の新入社員に対しては、同じ部署の先輩社員が業務指導やメンタル面でのフォローをする「ブラザー&シスター制度」を用意。新人でもすぐにスタートダッシュが切れるように全力でサポートする制度が整っています。
田邊:今後の事業展開や会社の目指す姿を教えてください。また、その中で求めるのはどんな人材でしょうか?
星野さん:今後、NECで注力したいのはやはりDX(デジタルトランスフォーメーション)事業です。ICT業界はもちろん、他業界でもDXはよく話題に上がると思います。生体認証技術やネットワーク技術など、先ほどもお伝えした「世界No.1の技術、オンリーワンの技術」を強みとして、このDX事業に注力していきたいと考えています。
DXは世の中をガラッと変えるものですから、そういった変化に対応できる人材として3つの点に注目しています。1つ目は、見たことがない世界でも楽しんでチャレンジできる人。2つ目は、そういった変化の中でお客さまが何を求めているか、相手に寄り添って考え方を変えることができる“柔軟性”も大事な点だと思っています。3つ目は、「海底から宇宙まで」、幅広い事業を通して社会を支えている点にやりがいや熱意を持てる人です。こういった方々とわれわれは一緒に働きたいですね。
田邊:御社を志望する学生に向けてのメッセージやアドバイスをお願いします。
星野さん:先ほど“柔軟性”が大事とお伝えしましたが、私の上司がインターンの学生に以前語っていた、「キャリアは決め過ぎなくていい」という話を紹介させてください。
私自身の学生時代を振り返っても、就職活動においては志望動機を含め、「5年後、10年後はこうなっていたい」とガチガチに固めて考えてしまいがちです。でも、結婚したり、子どもが生まれたり、仕事を通してキャリアを重ねていくと、やりたいこと・できることはどんどん変わっていきます。
そこでその上司は、キャリアを「旅」に例えてこう言いました。「旅行をするとき、ガチガチにプランを立てますか? 緩くプランを立てた方が面白かったりしますよね。それと一緒で、キャリアも決め過ぎなくていいんじゃないですか」と。私自身、この話を聞いてすごく共感したことを覚えています。
田邊:その「キャリアを決め過ぎない」という点で、キャリアの広げ方や選択肢の幅を広げる社内制度などがあれば教えてください。
星野さん:NECには「NEC Growth Careers」という社内転職制度があります。普通、キャリアに悩んだとき、他の会社に転職する選択肢が思い浮かびます。でも、会社自体は好きだし愛着もある…その場合、自分ができることを履歴書として登録し、社内の他部署とのマッチングに成立すれば異動することができるんです。
私自身、最初はSEとしてNECに入社しましたが、入社3、4年目の頃、学生時代に考えていたことと、そのときやりたかったこと、キャリアを積んで見えてきたことに違いが生まれ、広報の部署にキャリアチェンジしました。私だけでなく、全社的にもとても活用されている制度です。「自分のキャリアは自分でつくっていく」という自立的なキャリア形成を実現することができるんです。
大事なことは、悩んだときに行動できる力や決断力。そういったパワーを歓迎する風土があるのがNECの強みです。ぜひ興味を持ってもらえればうれしいですね。
若手でも責任ある仕事を任せてもらえました
田邊:柳田さんが御社を志望したきっかけを教えてください。
柳田さん:私は文化構想学部出身なので、ICT業界は縁がないかなと思っていた時期もありました。でも、複数社が集まる企業説明会を通して、むしろこの業界ではさまざまなことができると感じたことが興味を持ったきっかけです。その中でもNECは事業の幅が広いこと、また、説明会や面接でお話した社員の皆さんの雰囲気がすごくいいなと感じて志望しました。
田邊:現在の仕事内容を教えてください。
柳田さん:大手小売店向けの営業を担当しています。小売店では、店舗ごとの商品管理や売上情報などをデータ化する「POSシステム」など、さまざまなシステムが採用されています。そういった製品の販売や改修、お客さまからの「こんなことができないか」といった相談に対し、SEの方と一緒に対応する日々です。
ゆくゆくは特定のお客さまだけでなく、小売業全体を幅広くカバーできる製品を担当できればと考えています。
田邊:学生時代の経験で仕事に生きていることはありますか?
柳田さん:そもそも私が小売業に関わるシステムを担当したいと思ったのは、学生時代の飲食店でのアルバイトがきっかけです。大きなチェーン店と、個人経営店の両方でアルバイトを経験しましたが、シフト管理も日報管理も、同じ飲食業でこんなにも違うのかと驚きつつ、ITを活用すればもっと楽にできるのにと興味を持ちました。そのことから入社後に配属希望を出し、希望がかなった形です。
田邊:仕事を通してやりがいを感じるのはどんなときでしょうか?
柳田さん:大手商業施設の顔認証システムを刷新するプロジェクトで、リーダー的な役割を務めたことがあります。自分も個人的によく利用する場所だったこともあり、「これは私が担当したんですよ!」と言いたくなるような達成感を得ることができました。
そういった身近な仕事がある一方で、「こんなこともやっているの!?」と社内の技術発表会で初めて知るような大きなプロジェクトもあります。社員になって3年目ですが、まだまだ把握しきれないほどNECの業務の幅は本当に広い、と感じる毎日です。
取材・文:オグマナオト(2002年第二文学部卒業)
撮影:小野 奈那子
自分が挑戦したいことを見極めて就活に臨みたい
文化構想学部 2年 田邊 紗彩(たなべ・さや)
「海底から宇宙まで」をコンセプトに多方面に事業を展開するNECは、メインとなるIT事業からインフラまで幅広く私たちの生活を支えているのだと知り、驚きと共にその仕事のやりがいに強く引かれました。
また、文理を問わない採用体制や、部門異動の柔軟さ、サテライトオフィスやテレワークの導入によっておのおのの生活スタイルに合わせた働き方ができるという点などから、社員の働きやすさを追求する姿勢を感じ、だからこそ自分の強みを遺憾なく発揮できる企業であると感じました。
今回、NECの社員の方からお話を伺うことで、自分のやりたいことや強みを理解し、働きたい理由を明確にすることが大事なのだと感じました。自分の軸を持つことで将来へのビジョンを明確にし、これからの就職活動に向き合いたいと思います。
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