世界を牽引し、世界に貢献し続けるWASEDAへ —「Waseda Ocean 構想」10年の軌跡
早稲田大学は、創立150周年に向けた本学の中長期計画「Waseda Vision 150」の目標達成を加速化させることを目的に、世界に向けて大学を開放し、ダイナミックな頭脳の国際的流動の中で、教育研究の質と量の飛躍的向上を目指す「Waseda Ocean構想」を策定し、2014年に文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」(SGU 事業)トップ型に採択されました。
本事業期間10年の本学の成果をご紹介します。
本学のSGU事業の軌跡をご覧いただくことで、本学の改革の状況をお伝えするとともに、大学関係者の皆様におかれましては、大学の国際化推進の一助となりますと幸いです。
Accomplishments
WASEDAのSGU事業、10年の成果
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1
地球規模の課題の解決と未来を創造する研究・教育システムの構築
モデル拠点による施策を通じた教育研究システムおよびガバナンス改革の知見の全学への普及、ならびに、世界の大学との教育研究ネットワークを活用した人材育成体制の構築に取り組みました。
- モデル拠点による先行改革の全学への普及・定着
- 地球規模の課題解決に挑む全学プログラムへの発展
- 国際頭脳循環の加速
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2
教育・研究における徹底的な国際化の推進
世界の先導的な大学との国際的インターフェースを持つ教育システムの構築、ならびに、世界中から多様で優れた学生を獲得するための施策および改革に取り組みました。
- 学生の国際流動性の拡大
- 優秀な外国人留学生の獲得
- 卒業生・修了生の国際的な活躍
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3
教員の採用システムと大学運営のガバナンスを抜本的に改革
グローバルスタンダードに合致する教員を世界中から広く採用する仕組みの構築、ならびに、組織における権限と責任を一致させるガバナンスの抜本改革や、事業終了後も教育研究への投資が継続可能な財務体質の確立に取り組みました。
- 世界トップレベルの教員の獲得
- 適切かつ大胆な意思決定の実現
- 改革推進のための財源の確保
Our Seven Global Units
モデル拠点の成果
Waseda Ocean 構想では、国際的競争力を持つ7つの分野をモデル拠点として選定し、先行的かつ戦略的な集中投資を行い、各研究分野における国際的なプレゼンス向上を推進してきました。各モデル拠点の10年の成果をご紹介します。
Data
数値で見る、WASEDAのSGU事業
422校・機関 → 867校・機関
大学間協定校数
大学間協定による学生の派遣および留学生の受け入れを積極的に行ってきました。大学間協定締結校は2014年度時点で79か国・地域422校・機関でしたが、2023年度には91か国・地域867校・機関にまで増加しています。本学の学生にとっては、留学先の選択肢が増えることで学生のニーズに合ったプログラムが提供でき、また、協定先から多くの優秀な外国人留学生を受け入れることで、本学においても多様な学生と切磋琢磨する環境が整えられています。
142人 → 239人
外国籍教員数
多様な教員を獲得できるよう、学内で共通の方針を共有して外国籍教員の採用を積極的に行ってきました。その結果、本事業の最終目標である222人を超える239人の外国籍教員を受け入れることができ、国際通用性の高い教育の展開や世界レベルの研究が促進され、学内に新たな視点や思考がもたらされるなど、国際化推進に係る様々な波及効果をもたらしました。
2,661人→ 4,209人
英語学位プログラム在籍者数
英語学位プログラムの拡大を促進し、プログラム設置学部・研究科は事業開始時に6学部11研究科であったところ、2023年度には7学部16研究科までに拡大し、在籍者数は2,661人(2013年度)から4,209人(2023年度)へと大幅に増加しました。この4,209人の内、3,613人が外国人留学生であり、本学の国際化推進に大きく寄与しました。
24位
QS World University Rankings 2024 Employer Reputation
2023年6月に発表されたQS World University Rankings 2024の構成する指標のうち、卒業生の活躍度を測る「Employer Reputation(雇用者による評価)」において、世界24位の評価を受けました。本指標で毎年継続的に高い評価を得ることができているのは、優秀な学生を獲得し、本学の教育を通じて学生を育て、世界トップレベルの卒業生を輩出している成果と言えます。
0人→300人超
ジョイントアポイントメント制度および訪問教員制度による教員雇用・招聘延べ人数
ジョイントアポイントメント(JA)制度および訪問教員制度を積極的に活用して、世界から各分野の優れた教員を招き、学生への国際共同指導や本学教員との国際共同研究を積極的に推進しました。その結果、この10年間で延べ300人を超えるJA教員および訪問教員を雇用・招聘することができました。JA教員および訪問教員との国際共同教育等を通じて海外機関と信頼関係を構築することで、学部・研究科間の協定プログラム締結へも発展しています。
102億円→ 170億円
外部研究資金受入額
学費によらない研究推進体制整備のために研究基盤となる科学研究費をはじめ、様々な外部研究費の獲得を行い、この10年間で、1年度あたりの外部研究費受入額を、2013年度の102億円から、2023年度には目標額を大きく上回る170億円にまで増加させることができました。これらの外部資金により研究推進体制を整備し、研究の成果を教育に還元しています。
Videos
動画で見る、WASEDAのSGU事業
SGU事業の教育成果を発信するための動画を多数作成しました。これらの動画を、教育動画公開サイト「Waseda Open Learning」で視聴することができます。 「Top Global University(SGU)」で検索してご視聴ください。
Moving Forward
さらに発展する、WASEDAのSGU事業
早稲田大学は、本事業期間終了後も自己財源を確保し、本学の国際的プレゼンス向上へ向けた取り組みを継続していきます。本事業による成果が学内に定着し、7拠点の分野を内包した大学院全学副専攻制度の設置等、発展的な取り組みも生まれてきています。
世界を牽引し、世界に貢献し続ける大学となるべく、本事業を継承し、教育・研究の更なる質の向上、それを支える財務体質とガバナンスの強化を推進していきます。