早稲田大学大学総合研究センターは、2014年2月1日に設置され、本学の教育、研究、経営の質的向上に資する自律的・持続的な大学改革を推進するために、大学の理念に基づき、高等教育に関する研究および授業方法の企画・開発・普及促進とその実践を支援することをミッションとして掲げています。
センターは、ミッションを達成するため、以下の活動を行っていきます。
大学総合研究センターは、高等教育研究部門ならびに教育方法研究開発部門の2つの部門を設置し、以下の活動を行っていきます。また、年度ごとに事業計画を策定し、各種活動を行っていきます。
1. 高等教育研究
・ 各学部・研究科における学修成果の可視化の支援、可視化後の取組を支援することにより、プログラムレベルのPDCAサイクルの定着を支援する。
・学術院長補佐(自己点検・評価担当)および箇所担当者への業務支援を通じて、大学の点検・評価体制の円滑な運営に寄与する。
・公益財団法人大学基準協会による第4期認証評価を見据え、主として点検・評価に必要な教学に関する情報提供を行っていく。
2. 教学IRの推進
教学マネジメントにおける一連の意思決定の根拠を提供することにより、本学の教育の質向上、さらには内部質保証の実質化に貢献することを目的に教学IRを推進する。
・ 各学部・研究科および本部箇所等がそれぞれの課題を見出すための「情報の可視化」、またはその支援を行う。具体的には、BI*ツールの学内利用を促進し、各箇所と問題・課題を共有して学内データや各種調査結果等の可視化を推進する。
・ 各学部・研究科および本部箇所等のエビデンスベースドな課題解決に向けた方策策定のための「情報提供・分析」またはその支援を行う。これまで実施している学生生活・学修行動調査、卒業生調査を実施しつつ、学部・大学院新入生を対象とした新入生調査と、卒業・修了直前の学生を対象とした卒業時調査を新たに実施する。現在実施している両調査については設問等を再設計した上で、一貫性のある調査とデータの学内共有の体制を構築する。また、各箇所と問題・課題を共有し、調査データの統計分析等を活用して、解決に向けた支援等を推進する。
・ 前述の取り組みを推進するIR担当者等の育成を目的として、必要に応じて外部研修やセミナー等を受講させる。
*BI:Business Intelligence の略称。日々蓄積されていく膨大なデータを分析し、その分析結果を意思決定に役立てる手法や技術のこと。
3. 研究プロジェクト推進および新たな教育手法の研究開発および普及促進(Waseda Vision 150核心戦略4関連)
・ 大総研研究プロジェクト(以下、PJ)(学術・研究公正PJ、VRの教育への展開研究PJ)を研究計画に沿って進める。
・ 対話型、問題発見・解決型教育の手法を導入する際の参考になるGood PracticeやTipsをソフト・ハード両面から共有するにあたって、学内外の各種媒体を積極的に活用する。
・ Waseda Moodleの全学利用を引き続き推進し、対話型、問題発見・解決型教育実現のためのGood Practiceの共有を図っていく。
・ これまでのスタジオ収録における動画制作支援のみならず、教員自身が動画を制作する際のサポートができるよう、新たな支援体制の構築を検討する。
・ 高度授業TA育成プログラム(TA Workshop)を対面もしくはオンデマンドで実施する。また、高度授業TAへのアンケートやインタビューを通じて、高度授業TA向けの研修コンテンツ整理を検討する。
・ DCC*会員企業と第9次プロジェクトの骨子に沿って活動を推進し、教育DXの推進に寄与する。
*DCC:Digital Campus Consortium の略称。21 世紀型大学モデルの実現に向けた教育分野における産学連携共同体。当センターが事務局を務めている。
4. 教育効果の測定と改善
・ 学生授業アンケートの実施形態をWeb方式のみに変更したことによる回答率が低下していることから、回答率向上に向けた取り組みを行う。
・ 学生授業アンケートを活用した高度授業TA制度の効果測定を継続的に実施し、効果的な高度授業TAの活用方法の提案や制度、および審査方法の見直しを検討する。
・ 学生授業アンケートの結果を箇所で活用するよう働きかけを強化する。また、学生授業アンケートのデータを当センターでの分析(学修成果の可視化への活用、新たな教育施策による効果の評価分析など)に活用することを検討する。
5. FDに関する事業の企画および推進(Waseda Vision 150核心戦略4関連)
・ FDやICT利用相談に関するサービスを提供するCTLTの活動を推進し、EduカウンターとTechカウンターの連携を深め、CTLT部門事業の一層の充実を図る。また、CTLTが主催する全学FDセミナー(CTLTセミナー、Faculty Café、Edu Lunch等)を継続的に実施する。
・ 2024年度設置科目より、新たな教員表彰制度の運用を開始する。引き続き、対話型、問題発見・解決型教育への移行、ICT活用による教員負担の軽減実現のため、優れた教育を実践した教員を顕彰し、その教育方法や創意工夫の共有・普及展開を促進する。
・ 相互授業見学について、受け入れ科目数や見学申請数の増加を図りつつ、円滑な運営を実現するためのシステム・体制を整備する。
・ 海外派遣型および講師招聘型FDを複数実施し、オンライン形式のプログラムについても、参加の柔軟さや研修効果の観点から継続して開催する。特に着任5年以内の専任教員・テニュアトラック教員の参加を促進できるよう、新任教員セミナーの受講教員への広報活動を引き続き行う。また、海外派遣型FDの効果を最大化するための事前研修プログラムやワークショップを充実させ、体系的なプログラムを推進する。
・ 各学部・研究科におけるFD活動の実態を把握するとともに、箇所の要請に応じて個別にセミナーを実施する等、独自のFD実施を支援する。
・ 主として大学院博士後期課程在籍の学生を対象としたプレFDプログラムを企画・実施し、将来大学教員を目指す大学院生に向けた支援を新たに推進する。
6. 教育と学修内容の公開(Waseda Vision 150核心戦略3関連)
・ 本学の特徴的な講座をMOOCs(大規模オンライン講座:edX、JMOOC)コンテンツとして国内外に配信し、本学の優れた教育・研究内容をアピールするとともに、留学生を対象とした事前学習など学内での利活用を含めた新しい展開を検討する。また、MOOCsプラットフォームから得られる学習履歴データの分析結果を学内施策に反映する。
・ 改正著作権法施行に伴う学内教職員への情報提供ならびにコンテンツ制作時における適切な利用を引き続き支援する。
・ 昨年度に引き続きMyPortfoiloを活用して学生生活・学修行動調査の回答結果の一部をフィードバックする。
7. センターの諸活動、成果の社会への発信・広報
・ 当センターの活動ならびに研究成果を適宜情報発信する。
Vol.10_早稲田大学におけるオンライン統計教育教材を活用したデータリテラシー養成の取り組み(大学教育研究フォーラム)
Vol.8_実施報告:Faculty Cafe「グローバルエデュケーションセンターにおけるフルオンデマンド授業の事例紹介」
Vol.7_実施報告:Faculty Cafe「グローバル化を背景とした学生の海外体験の支援」
Vol.6_実施報告:2016ワシントン大学との提携FD Summer Program (半日プログラム)
Vol.5_実施報告:Faculty Cafe「情報コミュニケーション技術(ICT)の活用」
Vol.4_実施報告: JMOOC講座「しあわせに生きるための心理学〜アドラー心理学入門〜」反転講座
Vol.3_調査報告:edXの最新動向〜Open edX Conference 2016への参加〜
Vol.1_研究:早稲田大学におけるアクティブラーニングの展開―「対話型,問題発見・解決型教育の手引き」の開発―