2023年モデルのトライアンフ ボンネビルT100を試乗インプレッション!いつまでも乗りたいトゥルークラシック 試乗インプレッション  | バージントライアンフ

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2023年モデルのトライアンフ ボンネビルT100を試乗インプレッション!いつまでも乗りたいトゥルークラシック

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TRIUMPH BONNEVILLE T100 (2023)
長きに渡り世界中のライダーに親しまれているトライアンフのモダンクラシックシリーズ。2023年モデルのボンネビルT100は最新技術を用いた高い精度を誇り、クラシカルな乗り味が上手く残されている。

創業から120年の歴史を持つトライアンフ
その一翼を担ってきた看板モデル

1902年に設立したトライアンフモーターサイクルズは、今年120周年を迎えた。その歴史には紆余曲折があったが、ヒンクレーに拠点を移してから現在までの約30年間で、見事なまでの復活成長を遂げてきた。高性能トリプルエンジンを搭載したモダンスポーツが時代の最先端を突き進む一方で、ツインエンジンを採用しヴィンテージスタイルで纏められたモダンクラシックシリーズは、長きに渡り世界中のライダーに親しまれている。今回はその中でも特にオーソドックスな一台と言えるボンネビルT100の最新モデルに触れ感触を探っていきたいと思う。

トライアンフ ボンネビル T100 特徴

ネオクラシックの波に流されず
独自路線で成熟を進める

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トライアンフの歴史を遡ると、1908年の第二回マン島TTレースでの優勝にはじまり、イギリススーパースポーツ選手権での輝かしい戦歴、最近ではロードレース世界選手権Moto2クラスでのエンジンサプライヤーとなるなど、レースの世界とも深い関係を持っていることが分かる。

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その中でボンネビル・ソルトフラッツで行われる最高速チャレンジ「ボンネビル・スピードウェイ」にて、1956年にトライアンフが世界最速記録を樹立したことにその名を由来するトライアンフ・ボンネビル。初代ボンネビルが発表されたのは1958年のアールズコートバイクショーでのことで、それも今から60年以上前のことだ。

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今でこそクラシックモデルとして高い人気を誇るボンネビルだが、当時は最新のスーパーバイクであり、スポーツライダーたちの憧れの一台となっていた。特に当時のイギリスにおいて社会現象ともなっていたバイク乗り「ロッカーズ」の間では、カフェからカフェへ移動するタイムを競い合うカフェレーサーとしても支持されていた。

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現在ボンネビルには排気量900ccのT100と1200ccのT120が用意されており、今回はT100をピックアップすることにした。

トライアンフ ボンネビル T100 試乗インプレッション

最新技術を用いた高い精度に
クラシカルな乗り味を上手く残す

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ボンネビルシリーズは全車2021年にユーロ5に適合させる形でブラッシュアップが図られた。今回取り上げるのはボンネビルT100の最新モデルとなる2023年仕様だが、基本的にはカラースキームの変更のみということになっている。

実車を目の前にしてまず懐かしいボディカラーにうっとり見惚れてしまった。それというのも、初代ボンネビルのカラーリングをモチーフとし、2008年にボンネビル誕生50周年を記念して650台が限定生産された50thアニバーサリーエディションを連想させる水色とオレンジのツートーンカラーで纏められているからだ。

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感傷に浸りながらキーを回しエンジンを始動する。伝統のバーチカルツインエンジンは、ドッドッドッドッと歯切れの良い低音を奏でるが不快な振動は伝わってこない。握りの軽いクラッチレバーを操作して発進する。

出だしの加速感は想像以上にゆったり。ただトルクは太く、あえてスロットル操作に対してダルなレスポンスというセッティングが施されている。これがどこを走らせていても心地よく感じさせるポイントとなっており、攻めるような走りを掻き立てずに、坦々と我が道を突き進んでゆくことができる。

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旧モデルと比べ最高出力で10馬力引き上げられた65馬力、最大トルクは3750回転で80Nmを発生させる。このバランスが絶妙であり、スポーティかつクルーズライクなキャラクターも併せ持っている。

ハンドリングにしても”軽い”という印象で、それは軽快という部類ではなく、ハンドルがパタパタと左右に切れこむというイメージだ。ノーマルでも問題は無いが、もしかするとステアリングダンパーを装着すると扱いやすくなるかもしれない。

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メーターベゼルをはじめとしたディテールの質感が高く、クラシカルなデザインとされたスイッチボックスの操作性も良い。最近のバイクではウインカースイッチの感触がイマイチ馴染めないことがあるのだが、カチッとした入力ができ気持ちよい。

サスペンションはゆったりとした動きを見せるし、シングルディスクブレーキは最新スポーツモデルに乗り慣れていると制動力に物足りなさを感じるかもしれないが、必要にして十分な性能と効きであるし、何よりもコントローラブルなので、ワインディングやハイウェイでやや飛ばし気味に走らせても、しっかりと許容してくれる。楽しく、気持ちよく、そして総じてちょうど良い緩さを備えているのだ。

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ネオクラシックモデルがブームとなって久しいが、ボンネビルT100は、それとも違う場所に立っており、それはトゥルークラシックだと私は考えている。クラシック特有のテイスティな走りをもたらしてくれながら、時折ラジエーターファンの作動音が聞こえてくると、これは長い年月をしっかりと歩んできた本物のクラシックだと思わせてくれるからだ。

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購入を検討する際に、排気量1200ccのエンジンを搭載しライディングモードなども備えるボンネビルT120と比較される場合もあるだろうが、私的には900ccエンジンで十分であり、むしろバランスが良くより一層懐が深いのはボンネビルT100の方だと考えている。

コンパクトでフレンドリー、そして高級感もあるボンネビルT100。もし手に入れることができたならば、長く付き合える一台となることだろう。

トライアンフ ボンネビル T100 詳細写真

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排気量900ccの水冷SOHC270度クランク並列2気筒エンジン。キャブレタースタイルのインジェクションや空冷フィンなどクラシカルなデザインを残しつつ、ラジエーターを装備するなど進化を遂げてきた。トルクフルなセッティングで扱いやすい。
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φ41mmのカートリッジ式フロントフォークにワイヤースポークホイールをセットし、100/90-18サイズのタイヤを履かせる。ブレンボの片押し2ピストンキャリパーは過度な性能でない分、しっかりとした操作が求められるがコントロールしやすい。
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最初期時代のボンネビルを彷彿させるメリデンブルーとタンジェリンオレンジのツートーンカラーが追加された。その境目にあしらわれているシルバーのコーチラインは手描きとされている。このカラーリングだけでも魅力的だ。
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ここ最近新車販売されているバイクを見回してみると、オーソドックスな丸型ヘッドライトを用いたモデルがほとんど存在していないことが分かる。その中でボンネビルT100のクラシカルなフロントマスクは何か心を優しくさせてくれる印象だ。
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クロームメッキ仕上げのベゼルと、中央にトライアンフのブランドマークをレイアウトし、ヘアライン仕上げとされたステーを組み合わせたツインメーター。質感が良く、高級感のあるメーター周りとなっている。
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トランスミッションは5速とされている。トルクのあるエンジン特性とロング気味のギア比は、高速道路をハイスピードで突き進むというよりも、ある程度のスピードで坦々と走り続けるというキャラクターだ。
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スイッチボックスもクラシカルなデザインとされている。インフォメーションボタンで、メーター内に備わるLCDマルチファンクションディスプレイの表示を変更させることができる。ウインカースイッチのしっかりとした操作感が手に馴染む。
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シートはライダーとパッセンジャー側がほぼフラットなこともあり、タンデムもしやすい。シート高は790mmとなっているが、数値以上に足つき性が良い印象。厚みがありクッション性も良いので、長時間乗車も苦にならない。
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スタンダードなツインショックリアサスペンション。プリロード調整が可能となっており、タンデムや荷物を多く積載した際などは、数段締めこむと乗りやすいだろう。ストローク量も多めで、ゆったりとした乗り味をもたらす。
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テールランプ、ウインカー、ナンバーステーは、リアフェンダー上に備えられている。テールランプ周囲のクロームメッキや、渦巻状のウインカーレンズがノスタルジックなスタイルを助長する。
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リアタイヤのサイズは150/70R17。フロントの18インチとの組み合わせは古き時代のスポーツセットであり、タイヤ幅のバランスも良くサイドまでしっかりと使うことができる。左右2本出しサイレンサーからの排気音も心地よいものだ。
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シート下にはバッテリーやコンピューターなど電装関係が収められており、ユーティリティスペースというものは設けられていない。ただし、かろうじてETC車載器は収めることができる。

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