組織情報

代表理事 理事長
井内 善臣(兵庫県立大学名誉教授)

　「大学生協(大学生活協同組合)」は、キャンパスの学生・院生、教職員が組合員となり、「みんなで出資する」「みんなで運営する」「みんなで利用する」組織であり、「つながる元気、ときめきキャンパス」を目指し、食サービス、生活支援サービス、教育・研究支援サービスなどを行っています。こうした大学生協は、全国213の大学や高等専門学校(高専)などで設立され、組合員総数は157万人（2023年9月時点）に及びます。
　こうしたサービスの提供を支える基盤組織として「事業連合(大学生協事業連合)」が2018年11月に発足しました。現在、事業連合は189会員生協、150万人（2024年5月時点）の組合員のキャンパスライフを支える全国規模の組織となっています。会員生協の2023年度1年間の総供給高は、前年度より3％ほど伸張しましたが、コロナ禍前の8割程度（対2019年度比では77%)の回復となっています。
 2019年末に世界で初めてコロナ感染症が報告され、2020年初頭には日本でも緊急事態宣言が行われ、3年超の長きにわたって、新型コロナウイルス感染禍に見舞われ、組合員の行動や活動が大きく制限され、大学・高専でのキャンパスライフにも大きな影響を受けました。
　さらに少子化による18歳人口の減少、大学の定員割れ（半数の大学）、授業料無償化、大学・学部の統廃合、留学生や社会人入学の増加、オンライン授業と対面授業との併用によるハイブリッド型での教育、電子教材の導入、BYODなど、大学や教育を取り巻く環境においても大きく変わりつつあります。
　また、このコロナ禍中に発生したロシアのウクライナへの軍事侵攻の影響によるエネルギー価格の高騰を始め、物流課題（2024年問題）、気候変動による農作物の不作等による食材の価格高騰、システムトラブルによる生産活動の停止や停滞、最低賃金のアップなど、社会経済生活でも大きな変化があり、コロナ禍を経験した学生の価値観も多様化してきております。
　最近では生成型AIが出現し、入学試験や成績評価などはAI技術の進展により、これまでとは様変わりする可能性もあります。近い将来、入学試験も不要な大学全入時代の到来も予想されます。今後10年～20年のうちには「多様な学生」が「多様で個性的な学習」を求めてキャンパスに一同に集うことになるでしょう。
　コロナ禍下では「withコロナ、その後はafterコロナ」といった言葉がもてはやされましたが、果たしてコロナ禍前の活気あふれる状況に戻ることができるのでしょうか？かつて1950年代半ばに、戦前のGDP（国内総生産）の水準を上回り「もはや戦後ではない」と言われ、その後の神武景気、岩戸景気、いざなぎ景気など高度経済成長時代へと至る歴史がありました。事業連合も「もはやafterコロナではない」といえる時代が来ることを願っております。
　事業連合は、大学生協の「協力・協同・自立・参加」という4つの理念のもと「一人ひとりの声」と「人と人とのつながり」を大切に、そして「だれ一人取り残さない個々人に真摯に対応した学びと成長」に資するべく事業活動を行って参りました。また大学生協はキャンパスには不可欠である福利厚生の役割を担っている唯一無二の組織であるとの自負心も持っています。
　今後も大学生協とともに事業連合は、大学・高専の信頼と信用を寄せて頂ける「パートナー組織」として、さらなる発展を目指して参ります。
関係各位の方々のさらなるご支援とご協力をお願い申しあげます。