医学部付属病院が10月22日に伊勢原キャンパスで、市民公開講座「ピンクリボンフェスティバル特別メイク講座」を開催しました。本病院では、乳がんに関する正しい知識や乳がん検診を啓発する「ピンクリボン運動」に協力し、推進月間の10月に「ピンクリボンフェスティバル」を実施しています。この講座はその活動の一環として、乳腺外科が中心になって企画したものです。当日は、資生堂ジャパン株式会社のスタッフが、がんの治療による肌の色の変化などをケアするアピアランスケア(外見ケア)について紹介し、本病院のがん看護専門看護師が、がんの治療中の留意点を説明。本病院の医療従事者や医学部看護学科の教員、患者の家族ら多数が参加しました。
前半は資生堂美容専門職(ソーシャルエリアパートナー)が、「知ってほしいアピアランスケア~自分らしく安心して過ごせる“化粧のちから”~」をテーマに講演。化粧には、自分らしさの表現や演出といった外に働きかける作用とともに、自分に自信が持てるようになるなど内に働きかける作用もあることを患者のアンケート結果をもとに紹介し、「眉毛やまつ毛の脱毛、肌色の変化といった外見の変化をメイクアップでカバーするアピアランスケアは、患者さんの生活の質を高めます。ぜひ実践し、毎日を心地よく、自分らしく過ごしてほしいと思います」と語りました。続いて、参加者が美容専門職の指導でアピアランスケアを体験しました。
後半は、本病院「がん看護コアナース会」に所属するがん看護専門看護師の大塚敦子主任が、「がんの治療と暮らしの工夫」と題して、医師との面談や手術・薬物・放射線治療の際に気を付けるべき点について説明。本病院のがん相談支援センターや、がん患者に対するケアを専門とする専門看護師、認定看護師の役割も紹介し、「一人ひとりの患者さんにとって最適な治療を目指すとともに、がんになっても自分らしく暮らしていただけるよう、医療チームが支援していきます」と結びました。終了後には乳がんの触診体験コーナーを設け、健診センターの看護師らが触診モデルを使って、参加者に自己触診の方法を説明しました。
参加者からは、「アピランスケアは気なる部分を隠すのではなく、外見も心も整えることだと思いました」「教えていただいたメイクで気持ちが華やぎ、化粧の大切さをあらためて感じました。患者さんのケアやご家族の支援に生かしたい」といった感想が聞かれました。
なお、「ピンクリボンフェスティバル」期間中の16日から21日まで、ピンクリボン運動のシンボルカラーであるピンクに病院をライトアップ。16日と21日には企業の協力を得て、脱毛ケアや補正下着に関する相談会も実施しました。