医学部付属病院が復職支援室「ラウンジシーガル」を設置し、医師のキャリア支援に取り組んでいます

医学部付属病院に今年4月に設立した復職支援室では、医師のキャリア支援に取り組んでいます。医師が多様な働き方を選択できるよう、労働条件や環境の現状を把握して整備するとともに、就労の継続や離職・休職後の復職をサポートすることで、地域医療のさらなる充実を目指しています。年齢や性別を問わず、在職者や学生をはじめ休職予定者、離職者、復職希望者らを対象としたキャリア形成に関する相談・支援を行うとともに、近隣医療機関とのネットワークの構築に取り組んでいます。

本支援室には、子育て中、子育て後の医師や、復職を経験した医師3名とコンシェルジュを務める事務職員1名がスタッフとして在籍。必要に応じて医師やカウンセラーと共に相談に応じ、一人ひとりのキャリアやスキル、体力などに合わせて長期的な支援策を提案します。伊勢原キャンパス1号館の「ラウンジシーガル」には、ロッカーや授乳・搾乳スペース、キッズスペースを設け、安心して相談できる環境を整備。また、復職した医師の体験談や他大学の復職支援の取り組み、介護をテーマに講演会を開くなど、多様なキャリア支援セミナーを展開しているほか、臨床検査科と連携した超音波検査研修会を実施し、臨床に役立つ研修会も企画します。

スタッフの大貫優子医師は、「仕事の継続や復職を希望する人を取りこぼさないことが重要。仕事も生活も大切にして、誰もが幸せな人生が送れるよう支援したい」と語り、渥美治世医師は、「復職者が困ったときの相談窓口として、より多くの医師らに復職支援室の存在を知ってもらいたい」とコメント。コンシェルジュの門向かおるさんは、「迷ったり困ったりしたときは、遠慮なく問い合わせてほしい」と語ります。

室長の寺尾まやこ医師は、「本病院においても、出産や育児をきっかけに離職する女性医師が多いのが実情です。“子育てに専念したい”“他の仕事につきたい”といった人を応援する一方で、医師として仕事に戻りたい人をスムーズに迎えられるよう、体制や環境を整えておく必要があると考えています。自分が大切にしたいことを優先しながら、納得できる働き方、生き方をしてほしい。それを一緒に考え、サポートします」と話しています。