文学部

歴史学科 日本史専攻

教育研究上の目的及び養成する人材像、3つのポリシー

教育研究上の目的及び養成する人材像

文学部歴史学科日本史専攻の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、史・資料を客観的に分析し、歴史事象を論理的に思考する能力や、分析・思考の成果を他者に的確に伝える能力を鍛え、過去から現在に至る日本史の流れや人々の営みを正しく理解することによって、歴史的な視点で現代社会の課題を認識し、他者を公正に理解しながら、よりよい社会の形成に主体的に関与しようとする人材を養成することです。

3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

文学部歴史学科日本史専攻では、以下の能力を備えたと認められる者に学位「学士(文学)」を授与します。

知識・理解

未来に向かって歴史をつくってきた先人の営みに対する共感を基礎としつつ、現代社会もそのような歴史の過程にあることを念頭におき、日本史上のさまざまな歴史事象を体系的に理解する能力。

汎用的技能

主体的な問題関心に基づいて、先人の営みに関する史・資料の読解、分析、考察を積み重ねることによって、自らの歴史像を構築し、その成果を適切な方法で表現する能力。

態度・志向性

多様な価値観をもつ人々が共存する現代社会の一員であることを自覚しながら、歴史的な視点から現代社会の課題を分析・把握して、よりよい社会の構築に積極的に取り組もうとする姿勢。


2カリキュラム・ポリシー

文学部歴史学科日本史専攻が定めるディプロマ・ポリシーに基づき、以下に示す教育課程を編成し、実施します。

教育課程・学修成果

歴史学科日本史専攻では、史料読解力や論理的思考力を鍛えると共に、日本史の流れや人々の営みを正しく理解することを目標とし、その実現のため、以下の5点を重視しています。

1つめは、日本史全般についての正確な知識と、バランスのとれた歴史認識を身につけ、現代社会を歴史的な流れの中で考察する力を育成することです。そのために、日本史の主要な流れを学ぶ「日本史概説A・B」や、各時代の歴史についてくわしく講義する時代別通史、各時代の歴史事象により深く踏みこんで解説する時代別特講などの講義科目を開設しています。

2つめは、歴史研究の基礎となる史料読解力を身につけた上で、問題を発見し解決する力や、読解・分析・考察の成果を適切な方法で表現できる能力を向上させることです。初年次教育科目のうち、全学共通科目の「入門ゼミナールA・B 」では大学における学修方法や日本史の学び方の基礎を、日本史専攻独自の科目である「日本史基礎講読(漢文)1・2」では史料読解の基礎を、それぞれ修得します。時代別に設けた講読・演習科目群では、少人数教育を徹底して、史料の読解力や問題を発見し解決する力などの修得・向上を図っています。また、卒業論文科目では、こうした能力を基に、学業の集大成として卒業論文の作成に取り組み、自分自身の歴史像を創造する力を鍛えています。

3つめは、近年の新しい研究手法を積極的に取り入れ、事物を多角的に分析・表現する能力を育成することです。そのため、絵画・写真などを活用した研究手法を学ぶ「図像資料を読む」や、地域史研究で登場してきた研究手法を学ぶ「地域史演習」、コンピューター技術を歴史研究に活用するための「日本史情報処理」などの授業科目を設けています。

4つめは、幅広い視点を身につけることです。日本の歴史を世界史との関連で把握する、比較史的な視点を養うために、「東アジア史A・B」「西洋史概説A・B」「考古学概説A・B」や、歴史学科共通科目として設けられている「歴史の見方」の履修を勧めています。

5つめは、学校教員や博物館学芸員の育成です。日本史専攻で学んだことを活かせるよう、教育実習の事前指導と事後指導の充実・徹底を図るとともに、学芸員の実務を学ぶ「史料管理学演習」などの実践的な科目を設けています。

学修成果の評価方法

歴史学科日本史専攻のディプロマ・ポリシーに示されている「知識・理解」「汎用的技能」「態度・志向性」に関して、ルーブリックによる観点別評価、修得単位数・GPAによる分析評価、授業についてのアンケート等を用いた学生による自己評価により、学修成果の評価を行っています。その集計結果は、FD活動等をとおして教育の質向上のためのPDCAサイクルにつなげています。


3アドミッションポリシー

求める学生像

文学部歴史学科日本史専攻の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲をもった人材。及び、ディプロマ・ポリシーで求められている能力を、身に付けられると期待できる基礎学力を十分有する人材。

入学者にもとめる知識・技能・思考力・判断力・表現力・態度
(1) 知識・技能

英語では、高校での英語の科目の履修を通して英語の文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身につけておくことが望ましい。

国語では、高校での国語の履修を通して日本語の文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身につけておくことが望ましい。

社会では、高校での社会(世界史、日本史、地理、政治・経済、倫理、現代社会)の科目の中から数科目を選択し、個々の項目の内容を理解していることが望ましい。

数学及び理科では、文系の学問を学ぶ上で必要な論理的な思考力を身につけるとともに、自然科学的な知識を幅広く理解していることが望ましい。

(2)思考力・判断力・表現力

日本史上のさまざまな歴史事象を体系的に理解し、論理的に思考するために、人文科学や社会科学などの広範な知識を総合的に思考して判断し、その成果を適切な方法で表現する力が期待できること。

(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

歴史的な視点で現代社会の課題を捉え、よりよい社会の構築に関与するために、多様な価値観を尊重し、豊かな人間関係と協調性とを育みながら、学修や社会活動などに主体的に取り組む態度が期待できること。