文学部

歴史学科 考古学専攻

教育研究上の目的及び養成する人材像、3つのポリシー

教育研究上の目的及び養成する人材像

文学部歴史学科考古学専攻の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、考古学と周辺諸科学に関する幅広い教養と高度な専門的知識および考古学的な分析法を身につけ、広く人類史を見つめ、その視点から現代社会が抱える多様な諸問題にも向き合い、問題の根幹はどこにあるのかを正しく理解して対処策や解決法を導き出せる創造力と実行力をもった人材を養成することです。

3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

文学部歴史学科考古学専攻では、以下の能力を備えたと認められる者に学位「学士(文学)」を授与します。

知識・理解

考古学を通じて身につけた歴史認識と問題意識に則し、過去はもちろん、現代社会の諸問題をも的確に理解する基礎能力。

汎用的技能

主体的に設定した課題を論理的に分析・考察し、自らの見解を文章・図表など様々な表現形式を用いて説得力のあるものとし、積極的に発信してゆく能力。

態度・志向性

人類史的な視野に立って、激しく変動する現代社会の課題と主体的に向き合い、平和な未来の構築に貢献しようとする姿勢。


2カリキュラム・ポリシー

文学部歴史学科考古学専攻が定めるディプロマ・ポリシーに基づき、以下に示す教育課程を編成し、実施します。

教育課程・学修成果

本専攻の専門教育課程の特色は、科目群として考古学基礎科目・同発展科目・同実践科目を置き、考古学の基礎から幅広く高度な専門知識までを、考古学的方法・技能とともに、初年次から4年次まで時間をかけて学ぶことができる点と、後述する①~③の履修形態を受講者自身が自由に編成できる点にあります。

基礎科目の1つ「入門ゼミナールB」(必修)では、パブリック・アーケオロジーの視点に立ち、考古学が現代社会と無関係な存在ではなく社会へ向けた情報発信が必要であることを、グループワークを通じて学びます。また、考古学という学問が対象とする時間や空間に限定性を設けていないことに鑑み、地域・時代・テーマを幅広く見据えた多様な選択・選択必修科目を基礎科目から発展科目にわたって設置し、それらの中から個々人が自由に選択し、自身の課題を発見し掘り下げることができるようにしています。特に選択必修の発展科目では講義を聴く形式と発表や討論を伴う演習形式により、能動的学修を促し、各科目のテーマや関連する専門知識について一層深い理解に導きます。加えて実践科目では、考古学固有の方法であるフィールドワークの基礎や実践を学び、最終的には「卒業論文」(必修)を自ら発見した課題・問題意識にしたがって執筆することになります。

このように自由度の高い構成を特色としますが、履修形態として①広域教養型、②地域文化探求型、③専門性探究型の大きく3つの型を想定しています。①~③の型とも1年次に基礎科目「入門ゼミナールB」、「日本考古学基礎論」、「外国考古学基礎論」(各必修)を修得し、かつ選択必修(グレードNo.220)の中から興味に応じた4科目を履修することに始まり、2年次に基礎科目「応用考古学概説」(必修)と実践科目「フィールドワーク実習1」(必修)を修得します。この過程で自身の興味の方向性を確認し、①~③のどの型に向かうべきかを個々に判断してもらうことになります。

①②の型に向かう場合には、外国考古学を視野に人類史に関する幅広い教養を身につけるか、日本考古学に重点を置き、身近な地域の歴史・文化・自然環境への理解を深めるか、志向に応じて選択必修の発展科目前期(グレード No.220)を中心に3科目を履修します。③の型に向かう場合には、上記に加えて同-発展科目後期(グレード No.220)からさらに深めたいテーマを1~2科目、同-実践科目「フィールドワーク実習2」、「資料分析法実習」(各グレード No.220-2年次)、「考古学研究法A」(グレード No.320-2年次)の3科目を履修します。これによりさらに高度な専門的知識に基づいて考古資料を観察・研究する技能を獲得し、これらを活かした進路につなげます。

ただし①~③の型は明解な境界を設けたものではありません。①②に向かう場合にも発展科目後期や上記の実践科目の選択的な履修は可能です。重要な点は、個々人が自らを見極め、主体的に選び取っていくという姿勢にあります。そうして3・4年次の「考古学研究法B」(必修、グレード No.320)、「卒業論文基礎1」、「卒業論文基礎2」、「卒業論文」(各必修、グレード No.411~413)において、それまでに培った人類の叡智に対する歴史認識に則り、専門分野の課題を論理的に分析・考察し、自らの見解を積極的に発信する術を論文という形式で結実させるのです。

学修成果の評価方法

本専攻のディプロマ・ポリシーに示されている「知識・理解」「汎用的技能」「態度・志向性」に関して、ルーブリックによる観点別評価、修得単位数・GPAによる分析評価、授業についてのアンケート等を用いた学生による自己評価により、学修成果の評価を行っています。その集計結果は、FD活動等をとおして教育の質向上のためのPDCAサイクルにつなげています。


3アドミッションポリシー

求める学生像

文学部歴史学科考古学専攻の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲をもった人材。及び、ディプロマ・ポリシーで求められている能力を、身に付けられると期待できる基礎学力を十分有する人材。

入学者にもとめる知識・技能・思考力・判断力・表現力・態度
(1) 知識・技能

英語では、高校までに学ぶ基礎的な文法を習得し、そのうえで高校段階までの十分な文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身につけておくことを望みます。

国語では、高校での国語の履修を通して、高校段階までの十分な文章理解力、文章表現力、コミュニケーション能力を身につけておくことを望みます。

社会では、高校での社会(日本史、世界史、地理、政治・経済、倫理、現代社会)の科目の中から数科目を選択し、個々の項目の内容を理解していることを望みます。

数学及び理科は、文系の学問を学ぶ上で必要な自然科学的な知識を幅広く理解していることを望みます。

(2)思考力・判断力・表現力

自らの先入観にとらわれず、知識や思考の幅を広げることに旺盛な意欲を持ち、論理的な思考による問題解決能力の向上に努力を惜しまない人であることを望みます。

(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

人間を理解しようとする広い視野を持ち、他者との対話に積極的であること、また、自己に対しては自省的であり、忍耐力と社会性を兼ね備えること、こうした人材像に共鳴する人であることを望みます。