教養学部芸術学科では6月27日に湘南キャンパスで、公開講座「フィンランドと日本の文化融合~作曲家エートゥ・ランタ=アホ氏を迎えて~」を開催しました。本学科では昨年度から著名な音楽家の方を招き、学生や一般の方向けのセミナーを企画しています。今回はフィンランドで注目を集める若手作曲家のランタ=アホ氏を招き、代表作であるオペラ『眠る男』についてご講演いただきました。当日は本学科や文化社会学部北欧学科の学生、北欧文化に興味関心を持つ一般の方など85名が来場しました。
ランタ=アホ氏は2016年に東京音楽大学へ留学し日本文化に興味関心を持ち、「金閣寺」「定歌のうた」など日本を舞台にした作品を多数作曲。留学時代の友人とのつながりから、人気漫画『ベルサイユのばら』の作者であり声楽家でもある池田理代子氏にオペラと漫画のコラボレーションをオファーし、完成した日本語のオペラ『眠る男』は2021年のヘルシンキ現代オペラ芸術祭で披露されました。講座ではオペラの各章を映像で振り返り、歌舞伎の花道に着想を得た長い通路、イラストや日本語の文字を巨大な画面に映す舞台演出などについて解説。作中で使用した音楽について、おどろおどろしい場面など雰囲気を表す和音を実際にピアノで弾いて説明しました。講演後は参加者とのディスカッションも行い、「フィンランド人からの反響はどうでしたか?」「作曲するときに心がけていることを教えてください」「日本らしさを出すために意識したことは?」など多くの質問が挙がり、制作過程などを解説しました。
講演を終えてランタ=アホ氏は、「想像以上に多くの方にお越しいただき、とても貴重な経験になりました。音楽以外の分野を学ぶ学生にも興味を持ってもらえてうれしかった。楽しい時間を過ごすことができました」と振り返りました。