「地域連携ボランティア」活動報告会を実施しました

児童教育学部児童教育学科の開講科目「地域連携ボランティア」(指導教員=尾里育士教授、金子憲勝非常勤講師)で7月22日に、活動報告会を実施しました。この授業は、湘南キャンパス近隣の地域が抱える課題と向き合い、解決策の考案を通して子どもを取り巻く地域社会への理解を深めることを目的としています。今年度は秦野市役所環境産業部部長の岩渕哲朗氏が非常勤講師として話題提供や指導にあたり、2年次生10名が3グループに分かれて、秦野市における子育て環境の課題抽出と解決策考案に取り組みました。

活動報告会には、秦野市から岩渕氏と同市の子ども健康部、文化スポーツ部の職員も出席。最初に、小学校の学童をテーマにしたグループ「放課後ヒーローズ」が登壇し、5、6月に秦野市立鶴巻小学校第2児童ホームで放課後児童支援員の活動に参加した経験を踏まえて若い世代の支援員が少ないことを課題に挙げ、本学や近隣の大学で学ぶ学生がボランティアに参加する制度設計の必要性を訴えました。続いて、市内回遊型のデジタルスタンプラリーを企画・実施したグループ「いぶんかチーム」が、7月に小田急線・秦野駅と秦野市立図書館、はだの歴史博物館の3カ所で実施したイベントについて報告。小学生以下を対象としたことから子どもでも読みやすいポスターの作成や景品の用意といった工夫、参加者増加に向けた課題などを説明しました。最後に、神奈川県が子育て世帯の外出を応援するため協力施設の優待サービスをまとめているサイト「かながわ子育て応援パスポート」を調査したグループ「crsp(child-rearing support project)」が発表しました。本学科が湘南キャンパス20号館で実施している「あかちゃんひろば『きらり・Tokai』」の利用者向けに近隣の協力施設マップを掲示したほか、協力施設の店舗でインタビューした内容を紹介。自治体ごとに協力施設の数や更新頻度が異なる点を課題に挙げました。発表後は教員や市職員から質疑応答や講評があり、今回の活動から抽出された課題の具体的な解決に向け、活発に議論しました。

「いぶんかチーム」の安西凛乃さんは、「自分たちが住んでいない地域の課題解決は難しいと思っていたけれど、授業の1、2回目に小田急電鉄や秦野市の職員の方たちから講義を受け、具体的な課題が見えたことから今回の企画につながりました。企画立案や中間発表での改善点の指摘、実際の活動と振り返りというPDCAサイクルを回す経験は、今後の学びにも生かせると思います。また、デジタルスタンプラリーは小田急の方から“またやりたい”と言っていただけたので、機会があればぜひ運営側として参加したい」と充実の表情で語っていました。