医学部看護学科では12月6日に、デンマークのVIAユニバーシティカレッジ看護学科とのオンライン研修会「Virtual visit – Tokai University and VIA University College」を初めて実施しました。同カレッジは東海大学医療技術短期大学と、短大が開学した1974年から学生や教員が相互に訪問するなどの交流を続けてきました。本学科と同カレッジでは、医療短大が2020年度以降の学生募集を停止したことを受け、長期わたるその関係を引き継ぐため21年2月に学術交流協定を締結。本研修はこれを受けて企画したものです。当日は、双方の学生と教員、東海大学ヨーロッパ学術センターのスタッフら約20名が参加し、学生の英語によるプレゼンテーションに続いて意見交換を行いました。
参加者全員の自己紹介に続き、本学科の西脇ありすさん(2年次生)が、伊勢原キャンパス内の施設や学生生活、医学部付属病院をはじめ、日本の伝統文化について紹介。室井優貴子さん(同)は、本学科のカリキュラムや日本の看護制度などについて説明しました。その後、同カレッジの学生3名が動画でキャンパスを紹介し、Q&A方式でデンマークの看護教育や医療制度の特徴について説明。終了後には活発な質疑応答や意見交換を行いました。
西脇さんは、「授業でデンマークの文化や医療・福祉制度について調べたことで興味を持ち、日本とデンマークの看護学生の学習方法や看護教育の実際について詳しく知りたいと考えて参加しました。学生たちの自主的な学習態度や、日本に比べてより実践的なインターンシップの実情を聞き、大きな刺激を受けました。海外の医療・看護制度に興味があるので、デンマークを訪問したり看護学科のアメリカ・メイヨクリニック研修に参加したりして、学びを深めたいと考えています。発展途上国で看護師として貢献するという目標に向かって勉学に励むとともに、さまざまな経験を積みたい」と意欲を語っていました。
指導する庄村雅子教授は、「新型コロナウイルスの影響でデンマーク訪問はかないませんでしたが、双方の学生や教職員、ヨーロッパ学術センターのスタッフの協力により、オンラインでも実り多い研修会になりました。デンマークの先進的な福祉制度や充実した在宅ケアシステム、臨床現場に即した看護教育は大変興味深く、現地を訪れて理解を深めたいという思いが強くなりました。一方、カレッジの教員や学生は付属病院の高度な救命救急医療に関心を寄せていることがわかり、これから双方が協力しながら学び合い、研究し合えるテーマも見えてきました。初めて顔を合わせたとは思えないほど議論が盛り上がったのは、医療短大の教職員や学生たちが培ってきた信頼関係があったからだと思います。その絆を引き継ぐとともにさらに連携を深め、学術交流を発展させていきたい」と話していました。