阿蘇くまもと臨空キャンパスが「2024年度グッドデザイン賞」に選出されました

阿蘇くまもと臨空キャンパスがこのほど、「2024年度グッドデザイン賞」に選出されました。同賞は1957年の開始以来、製品や建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、さまざまなものごとを対象に、その質が評価・顕彰されています。今回は5773件が審査の対象となり、国内外のデザイン関連分野の第一人者で編成された審査委員会によって、二次にわたる厳正な審査の結果、全1579件の受賞が決定。10月16日に受賞作が発表され、11月1日から5日までグッドデザイン賞受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2024」が東京ミッドタウンで開かれました。

阿蘇くまもと臨空キャンパスは、2016年に熊本地震で被災した農学部を阿蘇キャンパス(南阿蘇村)から阿蘇くまもと空港に隣接する益城町の宇宙情報センター敷地に移転・再建したもので、2023年4月に開設しました。全国の農学部でも珍しい「講義・実習・研究」をひとつにした総合的農学教育研究の場「CREATIVE-ONE Village」をコンセプトに掲げ、学科を超えたつながりや地域にひらかれたのびやかな学びの場を意図して設計されています。また、キャンパス広場を中心に、3学科の連携を考えた「ラーニングリング」と実習までの動線を考えた「アグリリング」の2つのリングによって、多様な学びの場とコミュニケーションを生むさまざまな学生の居場所がちりばめられています。そして、ガラス張りを基調とした構造によってキャンパス内の活動が重層的につながり、同時に共有できる「見る・見られる」裏のない空間になっています。

審査委員からは、「熊本地震で被災した東海大学農学部の再編計画。ゆるい斜面地形の中に、リング状の校舎配置を行い、それにより階段上教室や図書館などを立体的に構成するなど、学生の居場所をキャンパス内にうまく作り出している。また、独立したボリュームで作られた温室や牛舎など実習棟も含め、キャンパス風景をランドスケープと一体となりデザインしているのも良い。ファサードの特徴的な大屋根に下にある食品加工教育実習棟が、地域に開かれ、街から来た人と学生の活動をつなぐシンボル的な場所になっている」との評価が寄せられました。

■2024年度グッドデザイン賞 受賞概要
受賞企業:学校法人東海大学 / 株式会社石本建築事務所
事業主体名:学校法人東海大学
プロデューサー:学校法人東海大学
ディレクター:株式会社石本建築事務所 山本健一、野間修一、柳貴之、馬男木栄作
デザイナー:株式会社石本建築事務所 山本健一、野間修一、柳貴之、馬男木栄作、 原健一郎、加藤信一、加賀爪康平、松田知浩、道下雅樹