人文学科の日下准教授が「古人骨からみた人類史」をテーマに静岡市の「Reまなび大学リレー講座」で講演しました

人文学部人文学科の日下宗一郎准教授が、11月1日に静岡市役所静岡庁舎で開かれた「令和6年度Reまなび大学リレー講座」で講演しました。本講座は静岡市が主催し、市内にキャンパスがある6大学(静岡大学、静岡県立大学、東海大学、静岡英和学院大学、常葉大学、静岡理工科大学)の教員が「Reまなび=大人の学び。」をテーマに講演するものです。

自然人類学を専門とする日下准教授は、「古人骨からみた人類史」と題して講演しました。「人類学では、ヒトを“生物種としてのホモ・サピエンス”と定義しており、人類というキーワードは、“大昔のヒトの祖先から現代人まで”を指しています」と説明し、「生物学的には二足歩行に適応するため、他の類人猿と比べて背骨が頭骨の真下についてS字型に曲がっていたり、骨盤の幅は広く、上下に短くなったりしています」と話しました。また人類の進化の過程については、見つかっている化石の写真などを例示しながら、猿人・原人・旧人・新人それぞれの骨格的特徴や食生活などを紹介。最後には、「現代に生き残っている種は、20万年前にアフリカで進化し、5万年前ころから世界中に拡散したホモ・サピエンスの1種のみですが、700万年前から600万年前からさまざまなヒト族が存在していました。本講座は“Reまなび=大人の学び。”をテーマにしていますが、皆さんが教科書で学んだ進化の過程とは少し異なる点があったかもしれません。人類史は日々の研究でより発展している点にもぜひ着目してもらえたらうれしい」とまとめました。

質疑応答では来場者から、「骨格の変化は何に起因したのでしょうか?」「人類が言葉を使い始めた時期なども化石から判断できますか?」「長いスパンでみたとき、人類は今後も大きな進化をしていくのでしょうか?」といった質問が多数寄せられ、日下准教授は一つひとつ丁寧に回答していました。