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ネットでよく見かける「認知の歪みの10のパターン」にはちゃんと対処法・改善策がセットで示されているよ、というお話


このツイートがちょっと話題になっていたので。


「認知の歪みの10のパターン」は、アメリカで医学博士として活躍したアーロン・T・ベック氏が提唱した考え方です。

ネットをやっててこの10のリストを見たことがないというひとはあまりいないと思います。

でも、大抵の人ってこのリストを自分ごとだと捉えていないはずです。

大抵の人は「自分の思考に歪みがある」ってのを認めたくないからですね。

だから、中身はちゃんと見ていないはずです。

せいぜい、リストを見て「あ、これは近くの◯◯さんにあてはまるやつ!」みたいな反応をするはずです。

その行動自体がこの認知の歪みの10のパターンに入っているのに、です。



人間は、自分の思考に歪みがあると考えて自分の思考を点検するのを嫌がる。

そんなことをするくらいだったら

「自分が嫌われるのは自分がブサイクだからだ」とか「自分はカーストが低いから一生このままなんだ」みたいに

自分自身をまるっと否定して考えるのを辞めるほうが楽だと考える人がおおいのです。(歪みのパターンの10個めの「個人化」)



では「自分がそのように考えて改善のための努力しない道を選んだのだから嘆くのをやめるのか」というとそんなことはありません。

むしろ「他人」とか「運命」とか「政治」といったように自分以外のせいにできて気楽になると、

余計に愚痴っぽくなり、「自分はこんなにつらいんだアピール」が激しくなっていきます。


認知が歪んでる状態ってその人にとっては「楽」なんですよね。

なので、それが良くないと指摘するとめちゃくちゃキレちらかします。

本当に困ってにっちもさっちもいかなくなるまで、絶対に反省しない場合が多いです。

なので、毎日のようにグチグチ言ってる人は相手にしないほうが良いです。

「ともあれはてなブックマークは滅びるべきである」とか毎日連呼してるような人間はやばすぎるので逃げてください。


認知の歪みの10のパターンには、ちゃんと対処法・改善法が用意されている

なんでこんな喧嘩を売るような前書きを書いているかというと、

この10の歪みについて、実は元ネタの本ではちゃんと対処法・改善法がセットで提示されているということを知ってほしいからです。

この本では、「認知の歪みの10のパターン」はあくまでも自分の認知をチェックするためのツールであって、これを知ってるだけでは意味がないと言っています。

この歪みを知るだけでなく、3カラムメソッドを使って、自分の認知をすこしずつ自分が生きやすいように改善していくのがポイントになります。



この本自体が書き込み可能なワークブックとなっているのでぜひやってみてもらいたいと思いますが

いきなりやるのはハードルが高い、という人がいるかもしれません。



そういう方は、「Shrink」というマンガの8巻で実際にやっている光景が確認できるので、まずこちらを確認してみてください。





認知の歪みの10のパターンについて、一枚の画像とかでわかったつもりにならずに一つ一つを丁寧に確認しよう

実際に読んでみると、だいたい同じことを言っていることがわかると思います。

「これ10個もいる?」って思う人がおおいはずです。

たとえば歪みを認識するだけなら、1と9は一つで良いはずです。


でも、これはちゃんと理由があります。

これが10個も必要になったのは、具体的な対処策との対応を考えた結果なんですね。

だからこそ、対処法の部分とセットで認識することが重要なんです。

よくツイートでこの10の歪みについて紹介する人、なぜ対処法とセットで紹介しないのかといつもモヤモヤします。


まず1つ目、全か無かという思考です。

 これは、物事を白か黒かというカテゴリーに二分してしまうことです。言い換えれば、もしもある状況が完璧でなければそれを完全な失敗だと思ってしまうということです。

 例えば、ダイエットをしている若い女性がスプーン1杯分のアイスクリームを食べてしまった時、その人は「私はダイエットに完全に失敗してしまった」と自分自身に向かって言いました。
 このように考えたことによって彼女はとても動揺し、アイスクリームを丸ごと食べ尽くしてしまうということになってしまいました。
 こういう極端な思考を一つ目の歪みとしています。


次に2つ目。これは一般化のしすぎという歪みです。

 誰かに振られたり、仕事がうまくいかなくなったりするといった一つの否定的な出来事について考える時に
 いつも「私は~~だ」とか「決して~~ではない」と言った言葉を使うことによって、決して終わることのない失敗のパターンだと捉えてしまうことです。

 例えば、うつ状態のセールスマンが、一羽の鳥が自分の車に飛び込んできた時にひどく動揺しました。
 彼は自分に向かってこう言ったのです。「自分はいつもついていない鳥は、常に俺の車に取り込んでくるんだ」。
 実際はそんなことないのはわかると思うんですけど、やはりこういった思考にとらわれている人っていうのはいます。


3番目は心のフィルターです。

 これは一つの否定的で細かいことを取り上げて、そのことばかりくよくよと考えてしまう結果
 あらゆる現実に対してあなたの考え方が暗くなることです。
 あたかも、インクの一滴が、ビーカーに入った水を黒くしてしまうようなものです。

 例えば、ある人は職場の同僚の前で自分が行った発表に対して多くの同僚からは前向きなコメントをもらいました。
 しかし、ただ一人だけがわずかばかり批判的なことを言ったんですね。
 この人は何日もにわたってこの批判的な反応ばかり気になってしまい、肯定的なコメントは全て無視してしまったのです。


4番目はマイナス化思考です。

 これはプラスの経験を、「それらは大したことがない」と固執することによって、断絶してしまうことです。

 例えば、自分が良い仕事をしたにもかかわらず
 自分に向かって「大した仕事をしていないだ」とか「誰でも同じぐらいやれた」とか自分に向かって言ってしまう。
 マイナス化思考というのは私たちの人生から喜びを奪って、報われることがない、ダメな気持ちにさせ続けます。


5番目は結論への飛躍です。

 証拠となる事実がないにもかかわらず、物事を悪く解釈して否定的な結論を出してしまうことを指します。
 いくつかパターンを紹介します。

 1つ目は心の読み過ぎです。
  本当かどうかを確かめることもなく、誰かがあなたのことを悪く考えていると勝手に結論付けてしまうことです。

 2つ目は先読みの誤りです。
  物事は悪い方向に向かうと予想してしまうことです。
  例えば、試験の前に「自分はきっと試験に失敗するだろう」「失敗したらどうしたらいいだろう」と自分に向かって言ってしまうことです。
  うつ状態の時に「自分は変われない」「自分は消えて良くならない」と自分に向かって言うのも、このパターンですね。


6番目は拡大解釈と過小評価です。

 自分の問題や短所を誇張し、自分の望ましい部分を縮小して捉えてしまうことです。
 これは「双眼鏡のトリック」とも言われています。

 例えば「あの人はなんでもできるのに、自分は何にもできない」
 「あの人はわたしの欲しいものをなんでも持っている。わたしには何もない」と考えてしまいます。



7番目は感情的決めつけです。

 これは否定的感情が必ず現実の物事を反映していると考えてしまうことです。

 例えば、「私は飛行機に乗るのが怖い。だから、飛行機に乗るのは怖いことに違いない」とか
 「私は罪悪感を感じる。だから、自分は堕落した人間に違いないのだ」とか。
 「自分は怒っている。これは自分が不公平に扱われている証拠だ」とか
 「自分には望みがないように感じる。だから、本当に望みがないに違いない」というような形ですね。



8番目は~~すべき思考です。

 ・物事はあなたが望んだり、期待する通りであるべきだと自分に向かって言うことです。

 例えば才能あるピアニストがピアノで難しい作品を引いた後で、自分に向かって「こんなに多くのミスをすべきではなかった」と言いました。
 これによって彼女はムカムカして、何日もの間、練習をするのをやめてしまいました。

 ・「~~でなければならない」という考え方も同様に問題があります。
 あなた自身が何々に向けられたすべき思考は、罪悪感と失望感につながります。
 他人や世間に向けられた何々すべき思考は、怒りと欲求不満、フラストレーションにつながります。

 例えば、「彼はあんなに頑固で論争的であるべきではない」というものがそれにあたります。


 ・多くの人々は、「自分は~~をすべきであす、~~をすべきではない」というように
  他者に対して非難のことばを発することで、自分自身を切り続けることで自分のやる気を奮い立たせようとします。

  例えば、「私はあのドーナツを食べるべきではないのだ」と自分に向かって言うようにです。
  ところが、これは大抵うまくいかないものです。
  こうした~~すべきとか~~しなければならないという言葉によって
  あなたは反抗的になり、反対のことをしたくなる衝動に駆られるでしょう。
  アルバート・エリス博士はこれを「マスターベーション」と呼んでいます。
  私は人生に対する「すべきアプローチ」と呼んでいます。



9番目はレッテル貼りですね。

 ・レッテル貼りは1つ目に紹介した「全か無か」の極端な形です。
 私は「失敗した」という代わりに、例えば「私は負け犬だ」というように、自分自身に否定的なレッテルを貼ってしまうのです。
 あるいは、自分は「バカだ」とか、「敗北者だ」とか、「ダメな人間だ」と言ったレッテル貼りもあります。

 レッテル貼りは極めて非合理的です。
 なぜなら、あなたが行うこととあなた自身は同じではないからです。
 人間は存在しますが、「バカ」とか「敗北者」とか「ダメ人間」は存在しません。
 こうしたレッテル貼りは、意味のない抽象化であって、怒りや心配、欲求不満、フラストレーション、低い自尊感情に繋がってしまいます。


 ・他人にレッテルを貼る場合もあります。
 誰かがあなたを怒らせることをした場合に、あなたは「あの人はひどい人だ」と自分に向かって言うかもしれません。
 そうすると、あなたは問題がその人の思考や行動にあるのではなく、その人の人格や本質にあるのだと感じてしまうことになります。
 あなたは彼らが完全に悪いと思ってしまうということです。
 これによって、敵意を感じ、状況の改善への希望を失って、建設的なコミュニケーションの余地を小さくしてしまうという問題があります。


最後に、10番目です。10番目は個人化と責任の押し付けです。

・個人化というのは、あなたが完全にコントロールできない出来事に対する責任をあなた自身が負っているという風に考えてしまうことです。

 ある女性が、自分の子供が学校で問題を起こしているというメモを受け取った時
 彼女は「これは自分が悪い母親だ」ということを示しているのだと自分に向かって言って諦めてしまいました。
 その結果問題の原因を探って、自分の子供を助けようとしなかったのです。

 別の例では、ある女性が自分の夫に殴られた時
 彼女が自分に向かって行ったのは「私の寝室での振る舞いがもっとよければ、彼は私を殴らなかっただろう」というものでした。
 
 このように、個人化は罪悪感、屈辱感、劣等感などを引き起こしてしまいます。


 ・以上で述べたことと反対のことをする人々もいます。
 彼らは自分自身の問題を他の人や自分の置かれた環境のせいにして、自分がその問題に対して貢献できる方法を見逃してしまいます。

 例えば「自分の結婚がひどいのは妻が全く道理をわきまえていないからだ」と自分に向かって言う場合です。
 このような責任の押し付けは大抵の場合はうまくいきません。
 なぜなら、相手方は自分に責任が押し付けられたことに腹を立てて、責任をあなたに押し付け返してくるからです。
 このような責任の押し付け合いにおいて、自分が責任を背負い込もうとは誰も思わないものです。



この10のパターンを認識したうえで、克服するための10の方法を知った時に、はじめて「改善できるなら真剣に考えてみようかな」ってなる・・・かもしれない

冒頭では挑発的なことを書きましたが

解決法を示さずに問題点だけ示されてもうんざりするだけでまともに読む気がしないのは当然だと思います。

ただでさえはてブやtwitterでは、問題点ばっかり指摘して
自分が何をするかなんてまるで考えてない他責的でネガティブな発信が多いですからね!!

そんなわけで、克服策の存在を知って、実際にワーク形式で取り組んでみたら、今まで自分を苦しめていた考え方からちょっと解放されて気分がらくになるかもしれません。

www.tyoshiki.com

この中のどれでも良いので、手軽なやつで試してみてください。最初は一番下の練習帳くらいから始めたほうが良いと思います・・・。

この続きはcodocで購入