なんかはてブ民が岸田さんに対してあまりに危機感が薄いので
政府が経済政策に対して無能だったり、政府が企業に対して牙をむくとこれだけ恐ろしいという話を書いておきます。
助けて… pic.twitter.com/eO352RIorV
— CWEB絶望マン (@cweb_shibou) March 12, 2022
安倍や菅よりもましな点は確かにあるっちゃあるけど個人的な感覚としては
株価が下落するだけじゃすまないというか、それだけなら株クラが騒いでるなあだけで済む話なんだけど
岸田さんはさすがに度を越していて、普通に経済ピンチじゃないかと思うんですが。
2020年は我が世の春を謳歌していた中国IT企業。まるで平家のような盛り上がりを見せておりました。
「NASDAQに投資しているのはニワカだ。これからは中国IT企業の時代だ。せめて中国ITに投資しているソフトバンクGを買っていないものは人にあらず」というくらいにイキりまくってる集団がいました。
しかし、2020年9月ころから、怪しい流れが……。
2020年9月にまず教育系IT企業が血祭りにあげられました
これにより、例えばTAL Educationは時価総額3兆円企業だったのに一気に1300億程度の規模にまで縮小することに。
このように、中国の教育IT御三家をはじめとして教育IT企業がいきなり瀕死の状態になり
www.nomura.co.jp
この時からARKKをはじめとして中国テックに投資していた企業が一気に逃げ始めましたが、
ソフトバンクGは「DiDi」をはじめとした中国テックに投資を続けます。
実際上のチャートにあるように、2021年1月ころまではcwebは上げ続けており、まだこの時は大丈夫だったんです。
2020年10月に、アリババ創業者のジャック・マーさんが「老人クラブ」発言で有名な共産党批判を行う
10月24日、銀行界の大物や金融監督当局や政府の要人が出席した上海の会合で、
監督当局や銀行を公然と批判。国内の金融規制が技術革新の足を引っ張っており、
経済成長を高めるなら改革がなされねばならないと主張。中国の銀行はまるで「質屋」程度の感覚で営業していると率直に意見した。馬氏に近い人々は用意されたスピーチの内容を事前に知って困惑し、金融監督当局のお偉方が来場する以上、もっと穏当な内容にすべきだと提案していた。ところが馬氏はそれを断り、自分は言いたいことを言えるはずだと信じている様子だったという。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2020/11/post-94958.php
共産党指導部は、中国経済を消費者主導型に変えるという目標の実現に寄与しているとの理由から、アントの活動を容認した。しかし規制当局は、アントが政府による資本市場管理を脅かしていると判断した場合には、しばしば同社に制約を科してきた。国有銀行の預金減少を招いたアントのマネーマーケット・ファンド(MMF)の利回りを当局が抑制したのはその一例だ。
世界の投資家は2018年、中国の成長と中国政府が海外との競争を制限している状況から利益を得るため、アントの株式を購入した。アントは当時約1500億ドル(現在のレートで約15兆4500億円)の評価を受けていた。馬氏は新規株式公開(IPO)でさらに340億ドルを調達することを目指した。これにより、アントの評価額は3000億ドルを超える可能性があると予想されていた。
馬氏は香港と上海の株式市場でIPOを行う計画を立てた。それは、より多くの海外資本を中国市場に引き寄せると思われた。
しかし、昨年10月になり、自分が中国にいるのを忘れてしまったとみられる馬氏は、中国政府の金融規制を批判した。
https://jp.wsj.com/articles/SB10630137526570893697904587200250766804684
これで一気に流れが変わってしまいます。
共産党は激怒した。勘違いして執行部に歯向かう愚か者に対しては必ずその影響力を取り除かねばならぬと決意した
ここから、共産党は一気に「メガテック企業」の弱体化を目指します。
また、パウエルさんたちが絶賛金融緩和ジャブジャブやってる中、金融引き締めを開始してその影響で恒大などの新興の巨大ディベロッパーが崩壊したのは皆さんもご存じの通り。
(むしろパウエルが引き締めに舵を切った後、2022年1月から金融緩和を始めました。)
まず、アントのIPOは中止された上、規制当局から名指しでジャック・マー批判が行われる
9月以降、規制強化を進めていた中国政府により、史上最大の350億ドル(約3兆6000億円)規模となるはずだったアントIPOは11月に入り上場直前で突然中止された。政府は新たに厳格な独占禁止規制も打ち出し、アリババの時価総額は約17%、1400億ドル相当減った。
それでもさすがに、中国の繁栄の象徴であるアリババをつぶしにかかるとはだれも思っていませんでした。
キツイお灸は据えるけれど、マーが反省したらまた立ち直るはずだとみんな思ってたんですね。
だから、アリババの株価もしばらく上がり続けました。業績は絶好調だったので。
しかし、それは甘い見通しでした。
マー氏はその後、アント・グループの一部を譲渡すると申し出て、中国政府との和解を画策。11月2日には「国が必要とするなら、アント・グループが所有するどのプラットフォームを利用してもいい」と規制当局に提案したものの、結局、同3日にIPOは中止された。
翌12月、中国の規制当局はアント・グループに対し、「ルーツであるオンライン決済事業に立ち戻り、他の金融サービスについては銀行の資本規制の対象となる別の持株会社を設立するよう命じた」(WSJ、2021年1月4日)。
さらに、中国当局は独占禁止法違反の疑いでアリババの調査にも乗り出している
和解が上手くいかなかったことを受け、株価は急落。しかもこれはまだ序の口でした。
jp.wsj.com
ジャック・マー氏が11月ころから姿を現さなくなる
とりあえず生存は確認されてるみたいですが1年以上全然姿を見せないってマジでやばいよね……。
2020年12月にはテンセントとともにアリババにも独占禁止法による制裁が予告され、実際に2021年4月に巨額の賠償金命令が出る
中国当局の動きは何から何まで異例づくしだ。わずか4カ月で独禁法調査を終えており、数年を要する欧米とは違いが鮮明だ。
中国当局が電子商取引大手アリババグループに対し、独占禁止法違反で約182億元(約3050億円)に上る過去最大の罰金を科すと10日に発表した後、同社は規制当局に謝意を示すという異例の対応を取った。
アリババは公開書簡で、「政府の健全な規制や尽力がなければ当社の成長はなかった。そして当社顧客層の全てによる批評と寛容さ、支持は当社の発展に極めて重要」と説明。「感謝と敬意でいっぱいだ」と表明した。
しかし何とかこれで手打ちになるかと思ったらそういうことはなく、ここからもずっと株価が下がり続ける。
さらに企業の拡大が頭打ちとなり、成長鈍化からやや停滞の時期になった
同四半期の売上高は前年同期比10%増の2425億8000万元(約4兆4111億円)と、2014年の上場以降で最も低い伸び率にとどまった。また、純利益は192億2400万元(約3496億円)と、前年同期比75%の大幅減益を記録した。
純利益の大幅減についてアリババは、低価格商品に特化したECアプリ「淘宝(タオバオ)特価版」、地域コミュニティー向けのオンライン共同購買サービス「淘菜菜(タオツァイツァイ)」、ネット出前サービス「餓了麽(ウーラマ)」などの事業がまだ先行投資期にあり、損失がかさんだためと説明した。
ロシアウクライナ紛争の影響で対中国制裁も強まり、ついには上場廃止懸念まで……
同社の競合のEコマースのJD.comとピンドォドォもそれぞれ11%と21%急落した。
中国株は、ここ1年の間、政府のテクノロジー企業に対する締め付けにより下落しており、ここ最近は、米国の取引所から排除される懸念が高まっている
米証券取引委員会(SEC)は先週、中国でKFCやタコベル、ピザハット等を運営する「ヤムチャイナ」やバイオ医薬品のザイ・ラボを含む中国企業273社が、米国の取引所から排除される可能性があると警告していた。
また、直近では中国とロシアの関係が、中国株に対する投資家の姿勢をさらに複雑にしている。
結局、アリババは上場来安値を更新してしまい、ソフトバンクのアリババ持ち分も当然大幅に減少
group.softbank
この図を載せていた時、アリババの株価はまだ158でした。今はそれが半額にまで下がったので、さらに3兆円マイナス。
他にも、SVFファンドの5兆円の含み益は0.8兆円にまで下がっており、孫さん自慢のソフトバンクの「時価純資産」は26兆円から一気に15兆円くらいまで減ってる可能性があります。ちょっとエグイ。
2021年8月にテンセントを名指しで批判
経済参考報による今回の厳しいゲーム批判などで、電子商取引や配車、オンライン教育産業を締め付けてきた中国政府がオンラインエンターテインメントを次の標的にするとの懸念が広がっている。
その結果、中国版レバNASと言われたETF「cweb」はピークと比較して株価が95%下落という地獄絵図に。
この間、cwebをずっと煽り続けてたクソアフィブロガーを山ほど知ってますが、「独裁政権」下の企業へ投資するのはこういうところが怖い……
〇ッフィー氏とかを筆頭に、cweb煽りを続けてた人はすっごい多いわけですが、こいつら責任取れんのかと言いたくなるよね…
ETFだから大丈夫とか、NASDAQは大丈夫とか思ってたらこういうことになりかねないので普通に気を付けようね
それにしても
米国で上場する中国の大手10社の株の時価総額の合計は、パンデミック時につけた史上最高値から1兆1000億ドル(約130兆円)以上の減少となっている。
この130兆円よりもアップルやAmazonの時価総額が大きい。 どう考えても富と権力がアメリカのメガテックに集まりすぎている印象がある。
岸田さんは普通に怖い
・インフレに対してマジで何もしようとしてないように見える。
・外から見てたら本当に選挙対策のことしか考えてないような気がする
(さすがに高齢者への5000円給付検討は呆れしかでない)
・そして、無事参議院選挙に買った場合、このインフレ状態で普通に増税を始める気がする
(投資の利益にだけ課税するもんだと高をくくってる人多すぎない?)
・とにかく重要な決断が何もできないような印象がある。
(これがいちばんやばい。増税なら増税ではっきり指針を示してくれればいいのだが不確定な状態をずっと続けられるのが一番困る)
平時であれば安倍さんや菅さんよりましな点があることは認めるけど、このタイミングで首相をやるには一番向いてないタイプだと思う……。
そして、こういうタイミングだからこそ今の役割を押し付けられたんだろうなというのもわかるし日本の政治の人選システムはとことん間違ってると思う……