「渡くんの☓☓が崩壊寸前」  私の好みの「めんどくさい主人公」パターン - 頭の上にミカンをのせる

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「渡くんの☓☓が崩壊寸前」  私の好みの「めんどくさい主人公」パターン

鈴にはもう俺しかいなくて俺がいないと鈴はダメで。
だから俺は全部が鈴中心で。
鈴が喜ぶから☓☓する。 鈴が嫌がるから☓☓しない。
鈴の為に。鈴の為に。鈴のために。
でも、もし鈴が成長して俺を必要としなくなったら?…あれ?

今の関係が壊れるのが怖くて変化や成長を拒んでいたのは…

マンガ作品としてめちゃくちゃおもしろいというわけではないのですが、
私の好みな「系統」の作品だと思うので期待しています。

なかなか動けない主人公

好みの「系統」というのは主人公のタイプです。

①境遇などから「自己肯定感が低い」=「いじけている」
  →「他者を信用出来ない」「他人に心を開けない」
   →「まともに人間関係を築けない」のコンボに陥っている

②「何かが言い訳や枷になっていて本気を出さない(出せない)」

③ ①や②の状況が続いていて自分が何を望んでいるのかよくわからなくなっている

④とにかく身内での安定や平穏を望み、変化を極端に恐れる
 (変化をネガティブなものとして捉えている)

アダルトチルドレンというほどわかり易い不幸があったわけではない。
発達障害やらなんやらとわかりやすいハンデを持ってるわけではない。
けれど、だからこそ明確に被害者という立場にたつこともなく、
ただ周囲とうまくやっていけず、生き苦しさを感じている。
そういう中途半端な位置づけに嵌って抜け出せなくなっている人。

「狂人」になりますか?それとも己が不幸であることを諦めますか? - この夜が明けるまであと百万の祈り
およそ、不幸を伝え得ぬというほどの不幸はない
「彼は貧しかったから不幸であった。野心に挫折したから、あるいは女に裏切られたから不幸であった」
このような不幸には理由がある。つまり告白すれば他人が耳を傾けてくれるのである。だが理由のない不幸(略)をどうやって伝えられるか。しかもそれが日夜生理的に耐え難いほどに身と心を責めさいなむとすればどうしたらよいか。このようにいえば、人はおそらくそれは狂人の不幸、むしろ単なる狂気にすぎないというであろう。だが、私はそのような不幸の実在を信ずる。信じなければ、夏目漱石の作品にあらわれた仮構の秩序は理解できない、という理由によってである。(江藤淳漱石像をめぐって」)

こういう状態に陥っていると、今の自分をとりまく状況や自分自身を嫌悪しつつもなかなか自分を変えることが出来ない。むしろギリギリまで自分を押し殺す方向に努力してしまうのですよね。



この作品の場合、完璧このパターンにはまって主人公が身動き取れなくなってる。

6年前から因縁のある変な女の子「タチバナサツキ」に巻き込まれながら
ちょっとずつ行動していって、変わっていくみたいな話になると思います。

「タチバナサツキ」はこの表紙の女の子。
主人公をストーキングしたりいきなりキスしてきたりといろいろ怪しいですが
ヤンデレと違って主人公に依存してるわけではなく、
あくまで自分の意思で主人公のためになることをしようとしてる感じです。






余談。
タイトルだけで説明しようとするのはオタクの悪い癖ですが、一つ一つの作品について詳しく説明するのが大変なのでメモとして。



①については
「世の中クソだな」って思うことはあるかもしれないけど、それを言ったら負けだと思うことにする - この夜が明けるまであと百万の祈り
やら「NHKへようこそ!」「ばらかもん」なんかがわかりやすいですが、
こっちに振れすぎている作品で好きなものはあんまりないです。


②については
2007年に発売されたADVゲーム「こいとれ」などを思い出します。
こいとれとは (コイトレとは) [単語記事] - ニコニコ大百科


あと記事タイトルに書いた「俺修羅」

今のところ、俺修羅の方が面白いですが、やはりこの作品についても「三角関係」や「ハーレム関係」そのものが楽しいわけではなく、主人公および、その主人公と似たような屈折を抱えている女の子それ自身が面白いです。



ひきこもりとか落ちこぼれ、とかじゃなく。なんとかかんとか普通の人みたいな生活はできてるんです。でもそれを楽にこなせない。あれこれ脅えて気を遣って自分おさえてようやくそれっぽいフリができる、みたいな感じ。とにかくしんどい。その上で、間違ってるのは世の中じゃなくて自分の側だと思っている。そんな感じ。

自分が好きなのは「ココロコネクト」「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」「海街diary」や「女王様の犬」などの作品系統ですね。