耐摩耗性能やウェット性能、転がり抵抗性能など、タイヤ性能にも進化が求められる時代が到来しました。
中でも、耐摩耗性能に着目した技術が、高伸長・高強度ゴム配合設計です。
従来技術では、検討領域が摩耗、WET、RR、補強材だったのに対し、高伸長・高強度ゴム配合設計ではより小さなナノスケールで検討。
化学反応により形成されるポリマー鎖のつなぎ目である「架橋点」に注目し、架橋点の形態や密度、主鎖構造、側鎖構造まで検討領域を拡大しました。
従来技術では架橋点が局部的に集中し、応力が集中する部分でポリマーが破断していました。
耐摩耗性向上技術では、架橋網目鎖を制御し、架橋点の位置を広げ分散させることで、破断しにくい設計に。これによってゴム強度が飛躍的に向上し、耐摩耗性の向上にも繋がりました。
設計したゴムを3Dで可視化し、画像処理で抽出。その後、架橋点の空隙を画像処理を用いて抽出・分割。分割したブロックに近接球を当てはめて解析を実施。
高伸長・高強度ゴム配合設計を採用したゴムは架橋間の空間分布における長い網目の割合が増加しました。